RPG:「ウルティマ」「ウィザードリィ」に始まる人気ジャンルの定義と流行の歴史

RPGは昔からゲームの人気ジャンルの一つです。
きっと「ゲームのジャンルでRPGが一番好き」という人も多いのではないでしょうか。
しかし、RPGがどういうゲームを指し、どういった歴史をたどってきたのかご存知ですか?
この記事ではRPGがどういうものかということから、これまでのRPGの歴史をご紹介したいと思います。

そもそもRPGとは?

RPGとはロールプレイングゲームの略です
ロールプレイングとは「役を演じる」という意味があり、ゲームの主人公になりきるゲームという意味があります。
ただ、これは必ずしもRPGの特徴を言い当てた名前ではありません(RPGに限らず、アクションゲーム、シューティングゲームなどでも動かしているキャラクターになりきってプレイしますよね)。

RPGの特徴と言えるのは以下のような部分が挙げられます。

HP、MP、攻撃力、防御力などのステータスがある
ステータスを上げることができる成長要素がある
成長するためには敵を倒すことで入手できる経験値が必要になる

RPGの基本は戦えば戦うだけ強くなるということでしょう。
例えば「スーパーマリオブラザーズ」に代表されるアクションゲームでは、クリボーやノコノコをいくら倒しても、マリオが強くなることはありません。
マリオをクリアするには、プレイヤーの腕を上達させる必要があるのです。

しかし、RPGでは出てくる敵を倒すと経験値というものがもらえるようになっており、これを集めることでキャラクターがレベルアップし強くなります。
つまり、アクションで言うプレイヤーの上達=強くなるのを、コンピュータ内でステータスとして目に見える形で再現しているのがRPGと言えるでしょう。

最近ではジャンルの垣根があいまいで、「ステータスなどの成長要素がある」というのはRPG以外の多くのゲームにも取り入れられるようになってきました。
こういったゲームを「アクションRPG」「シミュレーションRPG」などと呼ぶことがあります。
また、敵を倒すことで経験値がもらえたり、ゲーム内で与えられたミッションをクリアすることで経験値がもらえるようになっていたりと、基本とは少し違ったシステムを持つ作品も多く、どこまでがRPGなのかという判断もだんだん難しくなってきています。

RPGの歴史

RPGのはじまりはアメリカ!

最初期のRPGは1970年代中旬にアメリカで誕生しました。
初期のRPGはテーブルトークRPG(TRPG)をコンピューター上で表現しようという試みからスタートしています。
TRPGとは、複数人で行うテーブルゲームの1つ。
プレイヤー1人1人がキャラクターを演じながら会話し、ルールブックに則って成功・失敗などの判定をするゲームで、その時のプレイヤーやゲーム状況によって毎回大きく展開が変わるのが特徴です。
1974年にアメリカで発売された「ダンジョン&ドラゴンズ」という初代TRPGが大ヒットし、ちょうど登場したばかりのコンピュータゲーム上に表現できないか?と考える人が作ったのがRPGの始まりだったのです。

1970年代中旬ごろからRPGは徐々に登場してきますが、RPGの元祖とよく言われるのが「ウルティマ」と「ウィザードリィ」の2作品。
「ウルティマ」「ウィザードリィ」の両タイトルは1980年に入ってからの作品なので、最も古いRPGという訳ではありませんが、多くの人にRPGの存在を知らしめるきっかけになった最初の作品です。

「ウルティマ」はワールドマップや街は見下ろし視点の2Dフィールドで描かれ、ダンジョンに入ると3Dの一人称フィールドに切り替わるRPGでした。
戦闘はフィールドで突然敵が登場し、そのままの画面で戦闘。
攻撃した時の数値や経験値のみが増えたり減ったりするとてもシンプルなシステムでした。

一方の「ウィザードリィ」は3Dマップで描かれた一人称フィールドを冒険するRPG作品です。
こちらは戦闘に入ると画面が切り替わり、敵キャラクターのグラフィックが表示される戦闘システムを採用しています。

この2作品は日本にも輸入され、その後発展するJRPGに大きな影響を与えることになります。

ローグライクRPG

「ウルティマ」「ウィザードリィ」と同時期に作られ、その後も独自の発展をしているゲームに「ローグ」があります。
「ローグ」は見下ろし視点の2Dマップでダンジョンをひたすら進んでいく作品で、以下のような特徴がありました。

全てがターンで管理され、プレイヤーが何か行動する(移動、攻撃、アイテム使用など)とフロア内にいる全ての敵も何か1つ行動を取る
ダンジョンは階層になっており、次の階に進むには階段を見つける必要がある
ダンジョンはランダムに生成され、入るたびに形状や出てくる敵・アイテムが異なる
マップはプレイヤーが通った場所しか表示されない
武器やアイテムは使ってみるまで効果がわからない
死ぬとレベルが初期状態に戻り、アイテムや武器も無くなる
ゲームが進むほど敵が強くなるが明確な終わりはない(クリアがなく、延々と遊べる)

「ローグ」も戦闘による経験値取得やレベルアップなどの成長要素があり、立派にRPGの1つと言えます。
しかし、死んだら成長の全てが失われてしまう要素や、独自の進化・発展を遂げているといった事情により、一般的なRPGと区別して「ローグライク(ローグのような作品)と言われることが多いです。

JRPG(ターン制RPG)

JRPGとは主にファミコン〜プレイステーション2時代くらいまでに発展したRPGのスタイルです。
日本独自の進化ということで、JRPGと呼ばれています。
その代表的な作品として「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズが挙げられます。

これらの作品の特徴として挙げられるのは以下のようなものがあります。

敵と遭遇(エンカウント)すると画面が切り替わり、戦闘画面になる
敵のグラフィックが描かれ、攻撃時にエフェクトが出る
作品ごとに独自の戦闘システム・成長システムが取り入れられている
難易度は易しめで誰もがクリアできる
クリアまでストーリー分岐がなく、進むルートも一本道であることが多い
キャラクターやストーリー演出に力が入っており、ムービーやイベントシーンが多い

JRPGは「ウルティマ」の2Dマップと「ウィザードリィ」の戦闘システムが下敷きとして作られた「ドラゴンクエスト」の大ヒットによって確立します。
ヒットを受けてファミコンでは「ドラゴンクエスト」のシステムを模したRPGが数々登場し、その中に「ファイナルファンタジー」もありました。
「ドラゴンクエスト」が1作目から変わらない王道RPGをシリーズ化させていく一方、「ファイナルファンタジー」はシリーズごとに独自のシステムを取り入れ差別化をしていくことになります。

ファミコン、スーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション2とゲーム機の性能が上がるにつれ表現力も向上し、特に「ファイナルファンタジー7」ではキャラクターが3Dポリゴンで描かれたり、3DCGの綺麗なムービーが流れたりなど新たなRPGの形を示すことになりました。

しかし、2000年以降徐々に海外産のオープンワールドRPGやオンラインRPGが台頭し、また日本メーカーも携帯ゲーム、スマホゲームへシフトする流れがあり、以前のように「日本のRPGが最先端」という雰囲気はなくなっていきます。
そのため、JRPGという言葉は「少し古臭いRPG」という意味合いも含まれていたりしますね。
ただ、現在でもJRPGに近いスタイルの作品は(日本以外でも)作られており、RPGの一つのスタイルとして定着しているのも事実です。

オンラインRPG

RPGは元々1人でTRPGを遊ぶために開発されたゲームジャンルであり、1990年代後半まではほとんどの作品が1人用ゲームとして開発されていました。
そんなRPG=1人で遊ぶゲームという常識が覆したのがオンラインRPGです。
オンラインRPGとは、ネットを通じてゲーム世界を他のプレイヤーと一緒に体験できるというもの。

大きく分類して、マッチングされた少人数ごとに同じ世界に集まるMORPG、同じゲームをプレイする不特定多数のプレイヤーが同じ世界(サーバー)に集まるMMORPGがあります。
1997年には初期の代表作となるとなる「ディアブロ」(MORPG)、「ウルティマオンライン」MMORPGがリリースされています。

オンラインRPGの特徴としては、それまで冒険するパーティーを1人で全て操作していたのが、プレイヤー1人=1キャラクターとなり他人との協力プレイが必要になるということ。
これはパーティーを組んでの戦闘以外に、ゲーム内のアイテムの売買などにも言えることで、自分では手に入れられない(手に入れるのが面倒・大変)なアイテムを他人から購入することができるなど、ギブアンドテイクがゲーム内のいたるところで重要な要素を占めています。
また、MMORPGでは1人用RPGのようにクリアの概念がなく、必ずしも冒険しなければならない訳でもないため、アイテムのクラフティングを専門にしたプレイヤーがいたり自由な遊び方もできるのも特徴です。
オンラインRPGはもともとアメリカが発祥ですが、その後世界的にプレイ人口が膨らみ、特に韓国などで一大人気ジャンルとなっており、オフラインRPGとは別の進化を続けています。

オープンワールドRPG

現在RPGの中で最も流行しているのがオープンワールドRPGではないでしょうか。
「オープンワールドとは何か?」というと、少しずつ人によって定義が変わってきますが、現在のオープンワールドゲームの形を作り出したのは「ジ・エルダース・クロールズ(TES)」シリーズなどと言われています(他にもRPGではありませんが「グランドセフトオート」とか)。
これらの作品では、これまでのJRPGなどによくあったようにマップを細切れで表示するのではなく、フィールド全てを1枚絵のマップとして作成している作品で次のような特徴があります。

マップの継ぎ目がないため、移動中にロードを挟まない
街や敵が出てくるフィールド、ダンジョンがしっかり繋がっている
エンカウント制(戦闘になると画面が切り替わる)の廃止
自由に行きたいところに行ける(それ以前は描かれていても透明な壁にさえぎられて行けない場所も多かった)
ゲームの進捗状況に関わらず、好きな時に好きな場所に行ける
いたるところで本編と関係ないサブクエストが受けられる

2000年前後から登場したこれらのオープンワールドRPGは、どこへでも行ける、攻略の自由度の高さなどから世界的に支持を得て現在RPGだけでなく、アクション、アドベンチャーなど様々なジャンルがオープンワールド化しています。
特徴を細かく見ていくと、それまで主流だったJRPGの真逆をついた感じにも見えますね。

オープンワールド作品の流行と共に、欧米のゲーム会社がヒットを飛ばす一方で、日本のゲーム会社は同じような作品が作れず苦境に立たされている時期もありました。
しかし、最近になっていくつかオープンワールドの作品も出始め、それらの作品は世界でもある程度評価されています。

その他のジャンルとの組み合わせ

RPGは比較的他のジャンルのシステムと組み合わせやすく、昔から他のジャンルとの掛け合わせも多く行われてきました。
特に古くからあるのは「アクションRPG」です。
これはアクション要素を持ったRPGで、ファミコン時代のソフトである「ドルアーガの塔」などがアクションRPGの最初とされています。
最近のオープンワールドRPGでは、JRPGのようなエンカウント制が廃止された影響で、アクションRPGのようなアクション要素を兼ね備えた作品が増えており、むしろコマンドを選択するソフトの方が少数になりつつあります。

アクションRPG以外にも戦略シミュレーションに成長要素をプラスした「シミュレーションRPG」、スマホゲームで多いパズルに成長要素のある「パズルRPG」など様々なジャンルとの組み合わせ作品が生み出されています。

RPGの形は広がり続ける

ここまで見てきたようにRPG(ロールプレイングゲーム)と一言で言っても、これまで様々な流行り廃りがありました。
しかし、ブームが去った形の作品でも全くリリースされないことはなく、現在でもローグライクゲームやJRPGのようなゲームも発売され、多様化が進んでいます。
現在流行しているオープンワールドRPGもそのうちブームは去ると思いますが、その後もきっとオープンワールドRPGはリリースされ続けることでしょう。

次はどんなRPGがブームになるのでしょうか?
「もう出尽くした」と思っていても、アイデア次第で全く新しいゲームはまだまだ登場するのでしょう。
プレイヤーの度肝を抜くようなRPGがリリースされるのを期待したいですね。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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