カプコン:格闘ゲームやサバイバルホラーなど新たなジャンルを切り開くゲームメーカー

カプコンは日本を代表するゲームメーカーです。
「ロックマン」シリーズ、「ストリートファイター」シリーズなど数々のヒット作を生み出し、日本だけでなく世界中で支持を受けています。
この記事ではそんなカプコンの歴史や代表的な作品を紹介します。

カプコンの歴史

創業からヒット作の誕生まで

カプコンの創業者である辻本憲三氏は、ゲーム業界参入以前の菓子小売店を経営している時に、綿菓子製造機に行列を作る子どもたちを見て、綿菓子自体より作ることを楽しんでいることに気づき、「これからはエンターテイメントの時代だ」と考えたといいます。
そして1974年にIPM(アイ・ピー・エム)という会社を設立し、駄菓子屋などへゲーム機を設置する事業を始めました。
IPMではインベーダーゲーム到来の時に開発したタイトーよりライセンスを受け、「IPMインベーダー」「カプセルインベーダー」をリリース。
一時的に100億円ほどの利益を得ましたが、その後1年でブームは去り、最終的には10億円の負債が残ってしまうことになりました。
これにより辻本氏はIPMを引責退職し、会社に損失分の10億円を支払うことで10億の負債も抱えてしまうことになります。

続いて辻本氏はオリジナルゲームの製造がしたいと考え、タイトー社長に援助を受けつつ、1979年にIRM(アイ・アール・エム)という会社を設立(後にサンビに改称)します。
1983年に販売会社としてカプコンを設立しており、後にサンビとカプコンが一つの合併することで現在のカプコンの形になりました。

カプコンは「リトルリーグ」というメダルゲームでアーケードに初参入し、「バルガス」で初のアーケードビデオゲームをリリース。
ただ初期の作品は全く売れず、倒産寸前だったようです。

しかし翌年1985年にアーケードでリリースした「魔界村」がスマッシュヒット。
その後、ファミコンのサードパーティーにも最初期から参加し、「魔界村」「ロックマン」といった完成度の高いアクションゲームを次々トリリースすることで徐々に知名度を上げていきます。
また早くから海外展開も視野に入れており、1985年にはアメリカに「カプコンUSA」も設立しています。

「ストリートファイター2」ブーム到来

「魔界村」「ロックマン」などヒット作を生みだしたものの、1990年辺りのカプコンは、会社として依然不安定な状態にあったそうです。
そんなカプコンが軌道に乗ることができたのが、1991年にアーケードゲームとして発売された「ストリートファイター2」でした。

「ストリートファイター2」は対人戦でそれぞれのプレイヤーが100円を投入し、すぐに勝負がついて回転も早いため、それまでのアーケードの主流であったシューティングゲームより利益率が良く(シューティングは上手いプレイヤーだと数十分〜何時間も居座ることがありました)、ゲームセンターはこぞって「ストリートファイター2」を導入していきました。

また、スーパーファミコンなどの家庭用ゲーム機にも移植され、こちらも大ヒットを記録。
こうしてカプコンは大きく成功し、経営を軌道に乗せることができたのです。
その後も「スト2」をシリーズ化、他にも別の格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズ、「ロックマン」に新たなアクションを追加した「ロックマンX」シリーズをリリースするなどで人気を博していきました。

海外展開を見据えた戦略

対戦格闘ブームは1990年代後半には下火になり、満を持して「ストリートファイター3」シリーズを発表したものの、あまり大きなヒットにはなりませんでした。しかし、その一方で今度は家庭用ソフトで、大きなヒット作を生み出します。
それが「バイオハザード」シリーズです。

「ストリートファイター2」シリーズや「バイオハザード」シリーズは日本のみならず、海外でもヒットとなり、カプコンは徐々に海外展開も見据えた事業を展開するようになります。
例えば「ストリートファイター2」や「バイオハザード」のハリウッド映画化、海外展開も視野に入れたソフト(「デッドライジング」など)などの開発です。

一方、国内向けでは2004年に1作目が発売された「モンスターハンター」シリーズ、ガンダムを題材にした対戦格闘ゲーム「機動戦士ガンダム vs.」シリーズなど、携帯ゲーム機で人気の出た「逆転裁判」シリーズなどコンスタントに人気作が生まれています。
また、海外製のソフト(「グランド・セフト・オート3,4」など)の日本販売なども行い、海外ゲームが日本で浸透する土壌も作り出しました。

しかし、2010年代に入り、ゲーム機で出すソフトは手堅いシリーズ物の作品が多くマンネリ化し、スマホゲームにも上手く参入できず苦戦します。
カプコンは焼き直しが多かったシリーズを一新し、2017年から海外でも通用するソフトをプレイステーション4で発売することにしました。
その結果発売された「バイオハザード7」「モンスターハンター:ワールド」などは高評価を得て、再びカプコンは軌道に乗り始めています。

カプコンの代表的なゲームソフト

「魔界村」シリーズ

「魔界村」はアーケードゲームとして発売され、その後ファミコンなどにも移植された2Dスクロールのアクションゲームです。
主人公の騎士アーサーがさらわれたプリンセスを救うため、魔界に入り魔王を倒すという王道ストーリーの作品。
非常に難易度が高いゲームということや、アーサーが攻撃を食らうと鎧が脱げてふんどし一丁になるというコミカルさなどで話題になり、カプコンの初のヒット作となりました。

以後、「大魔界村」「超魔界村」「極魔界村」などのシリーズ作品が製作され、シリーズに登場する中ボス「レッドアリーマー」を主人公にした外伝作品なども発売されています。

「ロックマン」シリーズ

「ロックマン」はファミコン用ソフトとして販売された2Dスクロールアクションゲームです。
敵のボスを倒すとそのボスが使っていた武器が使えるようになるというシステムで話題になり、後にはボスキャラクターデザインや技を公募するのが恒例になりました。
ちなみに海外では「Mega Man」という別の名称で発売されています。

少しシリアスな雰囲気でアクション面も強化された「ロックマンX」シリーズ、3Dアクション化した「ロックマンDASH」シリーズ、アクションRPG作品となった「ロックマンエグゼ」など様々な派生作品も作られ、カプコンで最も長寿シリーズとなっています。
2018年には8年ぶりのロックマン新作「ロックマン11 運命の歯車!!」が発売され、最新の技術で新たなロックマンにチャレンジして高評価を得ています(「9」「10」はファミコンのようなレトロ調のロックマンでした)。

「ストリートファイター」シリーズ

「ストリートファイター」は1987年にアーケードで発売された対戦格闘ゲーム。
ただ1作目はそれほど人気にならず、有名になったのは2作目の「ストリートファイター2」からです。
上でも書いた通り、この「ストリートファイター2」によってアーケードゲームの主役は対戦格闘ゲームに移行することになりました。

「ストリートファイター2」以降のシリーズはレバーと6つのボタンの組み合わせで攻撃や防御を行い、先に相手の体力を0にした方が勝ちになるというのが大まかなルールになっています(時間内にどちらも体力が0にならなければ体力の残りが多い方が勝利)。
特殊なコマンド入力によって必殺技を出すことができ、「波動拳」「昇竜拳」といった技名は他のゲームでもコマンドを説明する時に使われるなど、メジャーな名前になりました。

ストリートファイターシリーズは「2」以降、同じナンバリングでマイナーチェンジバージョンを多く発売するのが恒例となっており、当時の「ストリートファイター2」だけでも以下のような5バーションが発売されています。

  • ストリートファイター2
  • ストリートファイター2ダッシュ
  • ストリートファイター2ダッシュターボ
  • スーパーストリートファイター2
  • スーパーストリートファイター2X

「ストリートファイター3」シリーズは一部格闘ゲームファンの間にしか評価されず、その後は続編がしばらく出ませんでしたが、2009年久々にリリースされた「ストリートファイター4」シリーズで再び人気が再燃し、現在のeスポーツ化に繋がっています。

「ブレス オブ ファイア」シリーズ

カプコンと言えばアクションや対戦格闘といったジャンルが強いイメージがありますが、RPG作品もいくつかリリースしています。
その先鋒となったのが、「ブレス オブ ファイア」シリーズです。
初代の「ブレスオブファイア 竜の戦士」はスーパーファミコン用ソフトとして登場し、当時全盛だったJRPGの流れを汲む作品として生まれます。
主人公パーティーに獣人が多い、変わったミニゲーム(釣りなど)などの独自の特徴で人気を獲得し、シリーズ化されました。

シリーズ累計300万本という実績を残しているシリーズですが、家庭用ゲーム機ではPS2で発売された5作目で打ち止めになり、2016年に発表されたスマホゲーとして復活した6作目も失敗しています。
シリーズ継続はあるのでしょうか…。
カプコンには他にも「ドラゴンゾドグマ」などのRPG作品があります。

「VS.シリーズ」シリーズ

「VS.シリーズ」は他社のキャラクターとカプコンのキャラクターが登場する対戦格闘シリーズです。
アメコミのヒーロー達とストリートファイターのキャラクターが使える「マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター」や対戦格闘の2大メーカーだったカプコンとSNKの夢のコラボ作品「CAPCOM VS. SNK」などがリリースされています。
特に「「マーヴル・スーパーヒーローズ」とのコラボ作品は格闘ゲームブームの中で登場し、「ストリートファイター2」とは違ったド派手な演出で話題となり、現在まで続くシリーズとなりました。

カプコンは「VS.シリーズ」以外にも他社とのコラボに積極的で、他社のキャラクターをゲーム内に登場させたり、逆に他社の作品にカプコンキャラを出張させたりすることが数多くあります。

「バイオハザード」シリーズ

「バイオハザード」は初代プレイステーションで発売されたゲームで、「サバイバルホラー」というジャンルを確立した作品です。
サバイバルホラーとは、限りある物資(弾丸、回復アイテムなど)をやりくりしながら、ゾンビなどと戦い、ストーリーを進行していくゲームのこと。
初期の作品は主人公のいる場所によって自動でカメラが切り替わる作品でしたが、「バイオハザード4」以降はTPSとなり、よりシューティング色が強い作品になっています。

初代「バイオハザード」は発売当初はそれほど注目されている作品でもなかったですが、口コミで徐々に人気が集まり、大ヒット。
ヒットを受けて続編が次々と作られ、2018年9月まででシリーズ累計8,500万本以上の売り上げを達成しています。
カプコンの2番人気「ストリートファイター」シリーズがシリーズ累計4,000万本以上なので、売り上げだけを見ればぶっちぎりの人気シリーズと言えますね。

「逆転裁判」シリーズ

カプコンが携帯ゲーム機やスマホでリリースしているアドベンチャーゲームです。
主人公の弁護士となって、証人の嘘の証言を見破り、依頼人の無実を証明することが目的という一見すると堅そうなテーマの作品ですが、個性的な登場人物が数多く登場し、実際の裁判ではあり得ない言動も数多くあるエンタメ性の強い作品となっています。

ゲームはストーリーを読み進めながら、コマンドを選択していくビジュアルノベルに近い形です。
1エピソードごとに探偵パートで証拠や手がかりを集め、法廷パートで証人の証言の矛盾をついて真実を明らかにする、という流れになっており、1作品ごとに4〜6エピソードが収録されています。
「逆転裁判」のスピンオフ作品「逆転検事」やレベルファイブの「レイトン教授」シリーズとのコラボ作品「レイトン教授VS逆転裁判」といった本編から派生した作品もあります。

「モンスターハンター」シリーズ

「モンスターハンター」はプレイステーション2で発売され、「ハンティングアクション」というジャンルを確立した作品です。
こちらも「バイオハザード」同様に、初代「モンスターハンター」は一部のゲーマーにしか注目されていませんでしたが、口コミで面白いという評判が徐々に広がり、プレイステーションポータブルで発売された「モンスターハンター ポータブル」で一気に人気が爆発した作品です。
ハンティングアクションとは、クエストを受注してモンスターを狩り、そのモンスターの素材を使って武器や防具を強化し、更に難しいクエストに挑むというサイクルを繰り返すゲームのこと。

特に日本で人気シリーズとなり、これまで様々なゲーム機で続編が製作されています。
2018年に発売された「モンスターハンター:ワールド」は、日本だけでなく海外でも受け入れられる作品を目指して製作され、シリーズ最大の売り上げを達成しています。

良作によって何度も蘇るカプコン

カプコンは結構波が激しい会社で、経営危機に陥るようなピンチもこれまで多くありました。
そんなピンチを度々救ってきたのが、新たなジャンルを開拓するような全く新しいゲームです。
最近はゲーム1本の開発費が高騰し、どこも守りに入ったゲーム作りしかできないと言われますが、カプコンにはこれからも新たなジャンルを開拓する攻めの姿勢で、また全く新しいゲームを私たちに見せて欲しいと思います。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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