シューティング:「スペースウォー」から続くジャンルの歴史と細かな分類

シューティングゲームはゲームの歴史の中でも初期の頃から存在するジャンルの一つです。
これまでのゲームの歴史の中で、シューティングゲームというジャンルは様々な進化を遂げてきました。
今回の記事では、そんなシューティングゲームの定義やシューティングゲームの様々な種類について書いてみたいと思います。

そもそもシューティングゲームとは?

シューティングゲームとは弾丸などの遠距離攻撃を使って敵を倒していくゲームを指します。
古い作品では戦闘機などの乗り物から発射される弾によって敵機を撃ち落とす作品(2Dシューティング)を指すことが多かったですが、最近ではFPSやTPSなどのキャラクターを使って敵を倒していく作品(3Dシューティング)が大部分を占めるジャンルとなってきました。

もともと戦闘機で敵を倒すゲームをシューティングゲームと言っていましたが、ガンシューティングや3Dシューティングが登場したことにより、アクションゲームとのジャンル分けがあいまいになってきています。
例えば、「ロックマン」という作品はアクションゲームとして知られています。
しかし、主人公のロックマンはロックバスターという遠距離攻撃を主に使って敵を倒していきます。
「ロックマン」の最初の作品が2Dシューティングの頃の作品なのでアクションゲームとして発表されましたが、「弾を使って敵を倒す」という部分を見ればこれはシューティングゲームとも言えますよね?
実際にこのような作品は現在では「アクションシューティング」と呼ばれることがあります。
このように時代を経て少しずつシューティングの定義は変わりつつあります。

FPSやTPSといった3Dシューティング作品はアクション要素が入っていないことの方が珍しいため、「3Dアクションシューティング」とジャンル付けされることもあります。

シューティングゲームの分類

上でも書いていますが、シューティングゲームは時代を経て色々な作品が登場し、更に細かくジャンル分けされてきました。
ここからはそんな細かい分類と代表的な作品を紹介していきます。

2Dシューティング

シューティングゲーム初期の戦闘機で敵機を倒していくゲームを2Dシューティングと呼びます。
また、下で書く3Dシューティングは細分化されたジャンル名で呼ばれることが多く、単にシューティングゲームと言うとこちらの2Dシューティングを指すのが一般的です。

2Dシューティングはゲーム全体を通しても歴史が古く、まだゲームが一般化する前の1962年に登場した「スペースウォー!」が最初とされています。
このゲームは2人でプレイする対戦型のシューティングゲームで、相手にミサイルを撃ちあい撃墜するという内容で、マサチューセッツ工科大学のスティーブ・ラッセルらによって作られました。
これがアメリカで大評判となり、これを見たノーラン・ブッシュネルによって世界初のゲーム会社「アタリ」が作られることになります。
このようにコンピューターゲームの創成期から2Dシューティングゲームは存在し、初期は最も人気のジャンルとして君臨することになりました。

2Dシューティングは画面の表示方法によって主に3種類に分類されます。

固定画面シューティング

「スペースインベーダー」に代表される、動かない画面の中で進行する2Dシューティング。
シューティングゲームの中でも最初期に作られた作品が多く、ここから様々な作品に派生していきました。

縦スクロールシューティング

「ギャラクシアン」や「ゼビウス」などに代表される自機が画面下から画面上に向かって進んでいく見下ろし視点の2Dシューティング。
当時は進行方向が見やすいようにディスプレイが縦長のアーケードゲームもありました。

横スクロールシューティング

「ディフェンダー」や「グラディウス」などに代表される画面左から右に向かって進んでいく機体横視点の2Dシューティング。
縦スクロールでは分かりづらかった下方向の敵が分かりやすくなりました。

進化したシューティングゲームでは、場面によって縦スクロールや横スクロール、下で紹介する奥スクロールなどを切り替えて途中でゲーム性の変化を演出するものもあります。
1970年代から1980年代にかけて、2Dシューティングは人気ジャンルとして一世を風靡し、様々な作品が発表されました。
しかし1990年代に入り、対戦格闘がブームになるとアーケードでの2Dシューティング人気が薄れ、2Dシューティング自体もマニアの望む難易度に上げていった結果、初心者にはとっつきにくいジャンルとなっていたため、家庭用ゲーム機でも人気ジャンルの地位から転落することになります。

しかし、ジャンル自体が完全に無くなった訳ではなく、現在でも弾幕シューティングなどと呼ばれる難易度高めの2Dシューティング愛好家もおり、インディーズゲームなどを中心に未だに新作がリリースされています。

ガンシューティング

銃を使ったシューティングゲームで、操作にガンコントローラー(銃を模して作ったコントローラー)を使用するゲームのことをガンシューティングと言います。
特にアーケードに多いジャンルのゲームでした。
FPSと同じ一人称視点でのシューティングゲームですが、主人公はプレイヤーの意思で動かせず同じ場所で撃ち続ける、もしくは自動で移動する形になります。

家庭用ゲーム機の場合、普通のコントローラーでも操作できますが、没入感を高めるため、ガンコントローラーも一緒に販売されていたことが多かったです。
代表的なタイトルとしては「ワイルドガンマン」「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」などがあります。

日本ではアーケードでも家庭用ゲーム機でも見かけることの多いジャンルでしたが、実は海外ではそれほどメジャーなジャンルではなかったようで、1990年代に入るとアメリカでは上位互換ともいえるFPSが開発され、そちらが流行することになります。
また、日本でも家庭のテレビが液晶化するにつれ、当時のガンコンが使えなくなるという事態があったりして、徐々に人気は下火になっていきました。
現在ではガンシューティングの新作はほとんど出なくなり、FPSにその座を取って代わられてしまっています。

3Dシューティング

3Dシューティングとは、1990年代に登場した3Dマップ上で敵を撃つシューティングゲームのことです。
現在では2Dシューティングやガンシューティングに変わり、こちらが主流となっています。
3Dシューティングは更に細分化したジャンル名があり、そちらのジャンル名で呼ばれることが多いです。

FPS

FPSとはFirst Person Shootingの略で一人称視点のシューティングゲームのことです。
ガンシューティングとの違いはプレイヤーの分身となる主人公が自由に動き回れることで、FPSというジャンル自体にアクション要素が含まれているので、アクションシューティングと呼ばれることもありますアメリカのid softwareによる「ウェルフェンシュタイン3D」「ドゥーム」などの作品で1990年代前半に確立されました。
一人用モードがあるゲームも多いですが、特にネットを利用したマルチプレイが盛んなジャンルで、他のプレイヤーと協力して敵を倒していく作品(PvE)と、対人戦をメインにした作品(PvP)どちらも人気があります。

しばらく日本ではあまり人気のないジャンルとされてきましたが、近年では知名度も上がり徐々にプレイ人口は増えてきました。
代表的な作品として、「Halo」シリーズ、「コールオブデューティ」シリーズ、「バトルフィールド」シリーズなどがあります。
銃で人やモンスターを撃つという特性上、ゴア表現や倫理上の問題となることも多く、日本ではCEROレーディングZ(18歳未満はプレイできないゲーム)として発売されることが多いです。
また、FPSは広い意味で一人称視点のゲーム全般を指すこともあり、シューティング要素がない一人称視点のアクションやアドベンチャーなどもFPSと呼ばれることがあります。

TPS

TPSとはThird Person Shootingの略で主人公の少し後方からの視点、もしくは見下ろし視点のカメラを採用した三人称視点のシューティングゲームを指します。
基本的にFPSとはカメラが違うだけですが、主人公の姿が見える・見えないの違いは操作性やゲームの雰囲気に大きく影響します。
主人公の周りの様子が見渡しやすいため、ジャンプなどのアクション要素が多い作品ではTPSの方が操作しやすいですが、敵を遠くから狙い撃つ場合、敵が遠いとFPSより狙いにくくなります。

このような両視点の特徴を生かし、最近ではFPS視点とTPS視点を兼ね備えている(自分で切り替えられる)作品も増えてきました。
TPSの代表的な作品として「スプラトゥーン」シリーズや「バイオハザード」シリーズ(「バイオハザード4」以降)などがあります。
こちらもFPS同様にマルチプレイが盛んで、最近では「フォートナイト」や「プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ(PUBG)」などのバトルロイヤルゲームが世界的に流行しています。

また、日本では「ガンダム」系の作品や「アーマードコア」シリーズなど、ロボットに乗って戦闘するTPSも人気があり、こちらは人を操作するのとは別の魅力があります。

(メカ同士の対戦となるのでCEROレーディングの対象年齢が低くなり、ゴア表現が少ないのも日本で人気の理由かもしれません。)
TPSも広い意味では三人称視点のゲーム全般を指すことがあり、あまりシューティング要素のないゲームであってもTPSと呼ばれることがあったりします。

奥スクロールシューティング

2Dシューティングの変形版で、自機が画面の奥へと進んでいく形のシューティングゲームです。
基本的に上下左右にしか動けない作品が多いですが、見た目は立体感があるシューティングなので、3Dシューティングに分類されます。
宇宙空間のような同じ景色が続くゲームに多く取り入れられている手法ですね。
代表的なゲームとして「スペースハリアー」や「スターフォックス」シリーズなどがあります。

フライトシューティング

フライトシューティングは、シューティング要素の強いフライトシミュレーターのことです。
フライトシミュレーターとはシミュレーションゲームの一つで、現実の飛行機操縦を体験できるもの。

フライトシミュレーターよりも操作を簡略化して、戦闘機同士の戦闘を楽しめるように作られたものをフライトシューティングと言います(が、厳密な線引きがある訳ではありません)。
多くの作品は自機の少し後方にカメラがある作品が多いですが、コックピットからの視点に切り替えられる戦闘機版FPS視点のゲームもあります。

2Dシューティングや奥スクロールシューティングと違い、本当に空を飛んでいるかのように30度自由に飛び回れ、本物さながらのドッグファイトが体験できる一方、操作には慣れが必要で、人によっては3D酔いしやすいという欠点もあります。
代表的な作品としては「エースコンバット」シリーズや「エア・アサルト」があり、特に初代「エースコンバット」はフライトシューティングを一般化した作品でもあります。

シューティングゲームは形を変えても人気ジャンル

シューティングゲーム=2Dシューティングと考えるとブームが過ぎたように感じますが、ジャンル全体で考えればFPSやTPSは現在の人気ジャンルです。
そういう意味では、形を変えただけで今も昔もシューティング人気は変わらないのかもしれません。

2Dシューティングも3Dシューティングが共通しているのは、「ルールがシンプル」ということです。
撃って倒していくことが基本となるので、何もゲームのことを知らない初心者がゲームをしても理解しやすいのですね。

一方でシューティングゲームは上手くなればなるほど、奥深くストイックなゲームになるという側面もあります。
「いかに得点を稼いで死なずにクリアするか」「いかに相手に倒されずキルを取れるか」といったことを考え始めると、終わりがなく、それゆえ同じソフトを何百時間と遊んでいるプレイヤーも多いです。
初心者から上級者まで楽しめる、シンプルながら奥深いシステムがシューティングゲームの魅力と言えるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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