エイク・バチスタ:エネルギー産業で財産を築いた連続起業家

エイク・バチスタは1956年11月3日ブラジルのミナスジェライスに生まれた実業家です。ブラジルのコングロマリット「EBX」グループの会長であり、世界で7番目に裕福な人物としても有名です。そんなエイク・バチスタについて詳しく解説していきます。

■エイク・バチスタの若年期

※ブラジルのミナスジェライス

エイク・バチスタは1956年11月3日ブラジルのミナスジェライスに生まれました。父親は鉱山エネルギー大臣だったエリエゼル・バチスタで、母ユッタ・ファーケンはドイツで生まれました。幼少期母ユッタはバチスタに自尊心と規律を学ばせ、のちにバチスタは企業家として重要な一部になったと述べています。

その後父親の仕事の都合でヨーロッパに引っ越し、ジュネーブやデュッセルドルフ、ブリュッセルに住んでいました。1974年にはドイツのアーヘン大学で夜勤工学の研究をはじめ、18歳の時両親はブラジルに戻ったものの、バチスタは海外にとどまり保険証券の訪問販売をはじめました。しかしこれはバチスタにとってストレスを感じるものであり、1980年代初頭にはブラジルに戻ることになります。その後セールスマンとして金とダイヤモンドの取引に注目するようになり、セールスマンとしての地位を確立していきました。

■エイク・バチスタのビジネス

※画像はイメージです

23歳のときにはAutramAuremを設立。アマゾン地域やブラジルの生産者とヨーロッパ大都市圏のバイヤーとの連絡役としてビジネスをはじめていきます。1年半後には600万ドルもの利益を出すようになり、一躍注目を集めるようになっていきました。

その後アマゾンで初めてとなる金採掘プラントを実装し、EBXグループを設立。29歳のときにはモントリオール証券取引所に上場しました。1980年から2000年にかけてはブラジル、カナダなどで8つの金鉱山、チリで銀鉱山を運営し、200億ドルもの利益を生み出していきました。

■エイク・バチスタが運営する企業

金鉱山の運営などでフォーブスの長者番付の上位にもランクインするほどの富を手に入れたエイク・バチスタ。そんなバチスタが運営する企業について以下詳しく解説していきます。

・EBXグループ

EBXは1984年に設立されたコングロマリット企業で、石油のOGX、鉱業のMMX、オフショア産業のOSX、石炭鉱業のCCXが含まれており、ブラジルの9つの州のほかチリやカナダ、コロンビア、そしてアメリカのニューヨークにもオフィスを構えています。

EBXの活動は1980年代初頭にバチスタが初めて金採掘プラントを取り入れたプロジェクト「NovoPlaneta」から始まりました。その後10年間で会社は急成長を遂げ、バチスタはTVXゴールドの取締役兼会長に就任。1980年から2000年の間にはブラジルやカナダ、チリで金鉱山や銀鉱山を創業し、OGX、MPX、LLX、MMX、OSX、CCXの6社を組織し、現在に至っています。

※画像はイメージです

EBXではインフラと天然資源に焦点を当てた運営を行っており、上記で述べたような鉱物資源のほかにも、エネルギー部門として2011年にはMPXでブラジル初となる太陽光発電所の運営を開始。また2012年には地熱発電所、2013年には火力発電所が開業。ブラジルにおいて大きなエネルギー産業となっています。

その他にも傘下の子会社としてREXを置き、不動産事業を運営しています。2008年に設立されたREXでは都市開発と不動産投資に力を入れた会社であり、ホテルグロリアの修復の後グロリアパレスホテルを開業、また統合医療センターやレブロン・ビジネスセンターなどリオデジャネイロの街に次々と新しい不動産を建設しています。

またこうしたビジネスのほかに、EBXではブラジルにおいて170も以上の社会的および環境的な活動をサポートしており、その中にはマランヘンセスやフェルナンド・デ・ノローニャ、パンタナールといった国立公園の保護が含まれています。加えてプライベート自然遺産保護区のエンゲン・ヘイロエリエゼル・バチスタやケブラ・ダデル・モデル、カルアラといった3つの保護区の保全活動にも力を入れています。加えて歴史的および文化的な活動にも投資を続けており、ミナスジェライスの歴史と文化を紹介する鉱山金属博物館を設立。インタラクティブな展示で訪れた人々に鉱山の歴史を伝えています。

・MMX

MMXは2005年に設立されたEBX傘下の鉱山会社です。ブラジルとチリにおける鉄鉱石と鉱物の採掘、販売を行っていました。2013年には1080トンもの鉄鉱石を生産すると宣言し、総設備容量の拡大に投資。2011年2月にはウジミナスが所有するポーデヴィーニョ鉱山を30年間採掘する権利を取得し、さらに成長が見込まれていました。

・OGX

OGXは2007年に設立されたEBX傘下の石油ガス会社であり、2008年6月には新規株式公開を行い上場。2009年9月にはワイメア沖で石油を発見し、その後もペロ油田やインガ油田などで石油を発掘し、ブラジルの石油ガス会社として急成長を遂げました。

しかしMMXと同じくバチスタのマネーロンダリングに関する調査により、2013年には破産申請が行われました。かつてはペトロブラスに継ぐブラジルで2番目に大きな石油会社であったものの、現在その運営は滞っています。

■汚職容疑

こうした活動の一方で、バチスタは汚職容疑で指名手配を受けることになってしまいます。滞在していたニューヨーク市からリオの空港に着陸した時点で連邦警察官が乗り込むこととなり、このニュースはブラジルはもとより国際的なニュースにもなりました。

その内容はブラジル第一位の石油会社であるペトドブラスから賄賂を受け取っていたことで収監されたリオ州のセルジオ・カブラウ前知事に対して1600万レアルの賄賂を支払ったものであり、その金額はもちろん、エネルギー業界における大きな汚職事件として大きな話題になりました。

またOGXも多額の資金調達によって積極的な資源開発を試みたものの、生産量が当初の想定を大幅に下回り、業績が悪化。2013年10月30日にはリオデジャネイロ州の裁判所へ会社更生手続きを申請したことが明らかになりました。その負債額は106億レアルとなっており、南米において過去最大の経営破たんとみられています。

■おわりに

エイク・バチスタは1956年11月3日ブラジルのミナスジェライスに生まれた実業家であり、EBXグループを通して石油やエネルギー産業などのビジネスを行ってきた人物です。しかしバチスタはマネーロンダリングと賄賂の容疑で逮捕されることとなり、またOGXも会社更生法の適用となりました。一躍ブラジルを代表するビジネスパーソンとなったバチスタでしたが、転落するのも早かったといえるかもしれません。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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