サム・メンデス:『007』シリーズを制作した映画監督

サム・メンデスは1965年8月1日イングランドのレディングに生まれた映画監督です。ケンブリッジ大学卒業後演出家としてキャリアをはじめ、『007』シリーズを手がけたことで一躍有名になりました。そんなサム・メンデスの人生と作品について詳しく解説していきます。

■サム・メンデスとは

※イングランドのバークシャー州

サム・メンデスは1965年8月1日イングランドのバークシャー州レディングに生まれました。父は大学講師、母は児童文学作家という学識のある両親のもとに生まれたものの、1970年に両親は離婚。以降は母親と暮らすことになります。その後ケンブリッジ大学卒業後、チチェスター・フェスティバル劇場やロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで演出家として働くようになり、徐々に頭角を現していきました。

ロンドンやニューヨークで『オリヴァー!』や『十二夜』『桜の園』といった作品を手掛け、2002年にはロンドンのドンマー・ウエアハウスで芸術監督をつとめるなど着実にキャリアを重ね、1999年には『アメリカン・ビューティー』で映画監督デビュー。同作はアカデミー監督賞、ゴールデングローブ監督賞を受賞し、2000年には大英帝国勲章を与えられました。

その後も『ロード・トゥ・パーディション』や『レボリューショナリー・ロード/燃えきるまで』といった話題作を制作したのち、2012年には『007』シリーズ第23作目となる『007 スカイフォール』を公開。同作はイギリス歴代興行1位を獲得し、第85回アカデミー賞では2部門を獲得。大ヒットを受けて、メンデスは次作である『007 スペクター』も監督しました。

2019年からは再び舞台の演出をつとめ、『FERRY MAN』が第73回トニー賞を受賞。その後も舞台、映画問わずに精力的に制作活動に励んでおり、イギリスを代表する映画監督の一人に数えられています。

■サム・メンデスの作品

※画像はイメージです

サム・メンデスの作品の特長は、人間の闇をテーマとしている描写が多いことと言えます。こうした影響はクリストファー・ノーランから受けたものと考えられており、主人公が病を患いながら戦い抜くといった描写がよくみられます。

そんなサム・メンデスの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『アメリカン・ビューティー』 1999年

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本作品は1999年に制作された作品で、平凡な家族が崩壊していく様から現代アメリカ社会が抱える闇を描いた作品です。

広告代理店に勤めるレスター・バーナムは不動産業を営む妻のキャロラインと、娘のジェーンと共にシカゴに暮らしており、その暮らしぶりは一見幸せそのもの。しかしキャロラインは見栄っ張りで、娘のジェーンは父親を嫌っており、レスター自身も中年の危機を感じるようになっていました。

ある日娘のチアリーディングを見に行ったレスターは、娘の親友のアンジェラに恋をしてしまいます。それをきっかけに平凡そのものだったレスターの生活は徐々に崩れていくのでした。

・『ロード・トゥ・パーディション』 2002年

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本作品は2002年に制作された作品で、マックス・アラン・コリンズのグラフィックノベルを映画化した作品です。トム・ハンクスやジュード・ロウといった実力は俳優を配して、大恐慌時代のマフィアの世界を描いたことで大きな話題になりました。

舞台はイリノイ州ロックアイランド。妻と二人の息子とともに暮らすマイケル・サリヴァンはよき夫として評判の人物でした。しかしその一方でアイルランド系マフィアの殺し屋という裏の顔を持っており、マフィアのボスであるジョン・ルーニーからは溺愛されていました。

ボスのルーニーはサリヴァン一家にこそ親密に接していたものの、実の息子であるコナーに対しては冷ややかで、コナーはそれを苦々しく思っていました。ある日組織の幹部会でミスを責め立てられたコナーは、父への反発心とサリヴァン一家への嫉妬と憎悪の念を抱くようになり、サリヴァンの妻と次男を殺害。それを知ったサリヴァンは生き残った長男と共にコナーへの復讐を決意します。

実の息子とそれ以上に愛したサリヴァンとの間で板挟みになったジョンは結局コナーを選び、サリヴァンのもとに一流の殺し屋であるマグワイヤが派遣されることになります。マグワイヤの襲撃から逃れたふたりはジョンとコナーを殺害し、海辺の小さな家で静かなひと時を過ごします。しかしそんなサリヴァンをマグワイヤの銃弾が狙っていたのでした。

・『007 スカイフォール』 2012年

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本作品は2012年に制作された作品で、『007』シリーズ23作目にあたる作品です。ボンドシリーズ50周年にあたる作品として大きな注目を集め、アカデミー賞では音響編集賞、歌曲賞を受賞しました。

MI6エージェントであるジェームズ・ボンドは新人女性エージェントのイヴとともに、トルコでの任務にあたっていました。そのさなかNATO工作員の情報が集められたハードディスクが奪われる事件が発生。ボンドはディスクを取り戻すべく実行犯パトリスを追撃したものの、列車でもみ合うなかイヴの誤射により負傷してしまい、行方不明となってしまいます。

その数か月後、ボンドは公式に死亡が認定され、Mにもその責任で更迭が言い渡されたものの、その直後にMI6本部が爆破されてしまいます。そのニュースは遠い僻地で静かに暮らしていたボンドの目にもとまることとなり、ボンドはロンドンに帰還。犯人を追撃するべく、任務にあたることになります。

・『007 スペクター』 2015年

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本作品は2015年に制作された作品で、『007』シリーズ24作目にあたる作品です。

「死者の日」でにぎわうメキシコシティ。任務に就くジェームズ・ボンドは、建物の屋上から今回のターゲット、スキアラに発砲。一度は逃げられるものの、追い詰め、彼の手からある紋章が刻まれた指輪を奪い、MI6に帰還します。MI6では爆発事件を起こしたことにより、しばらくの謹慎を言い渡されたボンドだったものの、メキシコシティでの行いは前任のMからの遺言でやったことであり、その後ローマに向かうのでした。

■おわりに

サム・メンデスはイングランドのレディングに生まれた映画監督で、『007』シリーズをはじめとした作品を制作したことで知られる人物です。その作品はクリストファー・ノーランの影響を受けてか、主人公や自らの老いや病と向き合いながら敵に挑んでいくさまが描かれていくことが多く、その描写は哲学的ともいえます。近年の『007』シリーズに関心のある方は、ぜひ他のメンデス作品も鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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