ジェフ・ベゾス:「Amazon.com」の共同創業者

ジェフ・ベゾスは1964年1月12日アメリカ合衆国ニューメキシコ州アルバカーキに生まれた実業家です。「Amazon.com」を創業し、世界最大の資産家であることでも知られています。そんなジェフ・ベゾスの人生について詳しく解説していきます。

■ジェフ・ベゾスの若年期

※ニューメキシコ州アルバカーキ

ジェフ・ベゾスは1964年1月12日アメリカ合衆国ニューメキシコ州アルバカーキに生まれました。父テッドはバイクショップのオーナー、母は17歳の高校生でほどなくして両親は離婚。1968年にはミゲル・ベゾスと再婚することになり、テキサス州ヒューストンに引っ越すことになります。

ベゾスは小学校4年生から6年生までヒューストンのリバー・オークス小学校に通っていました。その際特にベゾスは科学に関心を持ち、また工作の才能も見せていました。その後フロリダ州マイアミに移ると、マイアミ・パルメット高校に進学。高校卒業の際には総代を務め、ナショナル・メリット・スカラーシップとシルバー・ナイト賞を受賞。プリンストン大学に入学したのちは、優秀な工学学生としてタウ・ベータ・パイに選出され、「宇宙探査・開発のための学生組織」のプリンストン支部長にもなるなど、その優秀さは際立っていました。

■Amazon創業

卒業後ベゾスはインテルやベル研究所、アーサー・アンダーセンなどからオファーを受けたものの、金融決済システムを手がけるスタートアップ企業Fitelに就職し、貿易情報のネットワーク構築の仕事に就くようになります。その後大手金融会社バンカース・トラストでプロダクト・マネージャーになり、1990年には振興ヘッジファンドであるD.E.ショーに転職。30歳のときには同社で4人目となるシニア・バイス・プレジデントに就任しました。

そんなベゾスは徐々に独立を考えはじめ、1993年には御ライ書店をはじめることを考えるようになっていました。ニューヨークからシアトルへの移動中に事業計画を書き上げ、自宅のガレージでAmazonを企業。両親が30万ドルを支援し企業としてスタートさせたものの、投資家たちにはAmazonがつぶれたり破産する可能性は70%あると告げるほどで、ベゾスは慎重に事業を拡大していきました。

創業から3年経ってベゾスはアマゾンの株式公開を行い、1998年には音楽映像、そしてさまざまな日用品も扱うようになっていました。2002年には天気予報チャンネルやアマゾン・ウェブ・サービスをスタートさせたものの、収益の伸びが止ったことにより財政難に陥り、ベゾスは全従業員の14%を解雇せざるを得ませんでした。

2007年11月にはAmazon Kindleをスタート。2013年にはアマゾン・ウェブ・サービスについてアメリカ中央情報局と6億ドルの契約を結び、Amazonは世界最大のオンライン小売企業として認められることとなりました。

■ブルーオリジンの設立

またベゾスはAmazonの成功に弾みをつけて、有人宇宙飛行事業を目的とする民間企業ブルーオリジンを設立。宇宙旅行と太陽系の開拓に関心を持っていたベゾスは、地球周回上にアミューズメントパークやコロニーを建設することにも関心を持っており、ブルーオリジンはそんなベゾスの夢を叶えるための会社でした。

2006年まで目立った活動はなかったものの、実験施設の建設のために広大な土地を購入し、2011年9月にはブルーオリジンの無尽試作ロケットを発射。しかし実験中に機能停止してしまい、失敗に思ったものの、ブルーオリジンがロケット発射にいたるまでの技術を持っているという点をアピールすることになりました。

■ワシントンポストの買収

2013年8月5日には長年の友人であるドナルド・グラハムがオーナーを務めるワシントンポストを買収。買収額は2億5000万ドルにおよび、2013年10月1日には有限責任の持ち株会社ナッシュ・ホールディングスの傘下にワシントンポストが入ることになりました。

その後ペゾスはワシントンポストで大きな改革を行い、テキサス州、ハワイ州、ミネソタ州などで提携する地方紙を購読する読者に向けてオンライン版の課金制度を撤廃。またデジタル版やモバイル版、アナリティクス・ソフトウェアを刷新し、業務の効率化を進めていきました。

2013年にはベゾスが買収して以降はじめて黒字化を達成しました。これはオンライン版購読者が急増したためと考えられています。

■ベゾス・エクスペディションズ

ベゾスは個人的な投資会社としてベゾス・エクスペディションズを設立。1998年にはGoogleに25万ドルを投資し、最初期の株主のひとりとなりました。この投資によってGoogleの株式を330万株取得し、2017年には319億ドル相当となりベゾスの巨万の富の一部となりました。

またベゾスは老化を遅くしたり、止めたりすることで寿命を延長させる研究を行う「ユニティ・バイオロジー社」にも投資を行っており、同じくヘルスケア分野ではグレイルやジュノ・セラピューティックス、ゾックドックなどにも投資を行っています。

■慈善活動

※画像はイメージです

世界最大の資産家として知られるベゾスは、直接寄付を行うとともにベゾス・エクスペディションズの資金提供による非営利のプロジェクトを通して慈善活動を行っています。特にシアトルの歴史産業博物館に1000万ドル、プリンストン大学の神経科学研究所に1500万ドルの寄付を行っており、フレッド・八チソンがん研究センターには2009年から2017年にかけて1000万ドルから3500万ドルの寄付を行っています。

その他にも大西洋に沈んだサターン5のF1エンジンが水深4300メートルで発見された際には、改修のための資金提供を行ったことをブログで発表。2013年にはこのエンジンがアポロ11号の打ち上げに使われたものであることが判明し、改修後にはシアトルの航空博物館で展示されることになりました。

■おわりに

Amazonという世界最大の小売り業を築き上げたジェフ・ベゾス。その発展は目覚ましいもので、日常品はもちろん、音楽や電子書籍など幅広い商品を扱い、またいわゆるロングテールの手法を用いることによって大きな売り上げに結びつけています。またベゾスはブルーオリジンや他の会社への投資を通して、小売業以外の進出にも取り組んでおり、さまざまな業界への発展を目指しているとも言えるでしょう。

ニューヨークタイムズからは「きわめて優秀だが、ミステリアスで冷血な大物経営者」と称されたこともあるベゾス。また2014年5月には国際労働組合総連合がベゾスを「世界最悪の上司」と名付け、「ジェフ・ベゾスは北アメリカ的な企業モデルを推し進めている雇用者の残酷さを象徴している」と評することもありました。こうした冷徹なイメージを持たれているベゾスですが、企業家としての腕は確かなもの。今後どのようなビジネスを展開するのか、注目が集まります。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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