ジャック・マー:「アリババ」を経営する企業家

ジャック・マーは1964年9月10日中国浙江省杭州市に生まれた企業家です。さまざまな事業を展開する「アリババ」を経営していることで知られており、中国本土の企業家ではじめて「フォーブス」に名前が掲載された人物でもあります。そんなジャック・マーの人生について詳しく解説していきます。

■ジャック・マーの若年期

※中国・浙江省

ジャック・マーは1964年9月10日中国浙江省杭州市に生まれました。幼いころから英語に関心を持っていたマーは杭州市にあった国際的なホテルに通い、英語を話す機会を積極的に持つことで英語を取得しています。そのころ文通相手になった外国人からニックネームとして「ジャック」と呼ばれるようになり、以降マーはジャック・マーと名乗るようになりました。

その後3年かけて杭州師範大学に進学し、1988年には英語の学士号を取って卒業。後に杭州電子科技大学英語科で教鞭をとることになります。その間ハーバード・ビジネススクールに10回も出願したものの、マーが受け入れられることはありませんでした。

■マーのビジネスキャリア

※画像はイメージです。

マーは自身のビジネスを始めるまで、なかなか定職を持つことができずにいました。30の職に応募してすべて不採用となり、ケンタッキー・フライド・チキンのアルバイトに申し込んだ際も採用にならなかったひとりになるなど、マーの当初の仕事はうまくいきませんでした。

そんなマーは1994年にインターネットのことを知り、1995年には中国初のビジネス情報発信サイト「中国イエローページ」を開設。当時世界中でインターネットが新しいインフラとして整備されつつあったものの、中国ではまだまだ黎明期であり、インターネット上で中国の企業情報を知ることは難しい時期でした。そんな時代に開設されたマーのウェブサイトは注目を集め、すぐに中国の投資家からメールを受け取ることになります。そこでマーはインターネットの価値を確信するのでした。

そうした活動が注目されるようになり、1998年から1999年にかけては中華人民共和国商務部の前身にあたる中国対外経済貿易合作部の下部組織「中国国際電子商務中心」に所属。公式サイトやインターネット商品取引市場を開発していきました。

1999年には商務中心を辞職し、杭州に研究開発センターを設立。また9月には香港を本部とするアリババネットを創業し、eコマースやB2Bを開拓していきました。

また2003年にはタオバオワンを開設。2005年には中国ヤフーを買収し、マーは会長に就任しています。またソフトバンクの取締役に就任し、ドナルド・トランプ大統領の会談相手ともなり、国際的な活動を進めていきました。2018年にはアリババの会長職を辞することを発表。2019年9月10日には55歳の誕生日に会長職を引退しています。

■ジャック・マーの経営する企業、団体

※画像はイメージです。

ジャック・マーは中国を代表する企業「アリババ」グループを経営していることで知られており、その事業は多岐にわたっています。以下ではジャック・マーの関わっている企業、団体について詳しく解説していきます。

・アリババ・グループ 1999年

アリババ・グループはオンラインマーケットを運営する企業で、240あまりの国家・地域で5340万人以上の会員を得ている企業です。

もともとは企業間電子商取引をサポートするウェブサイトが設立されたのがきっかけであり、以降電子商取引サイトや検索サイト、電子マネーサービス、ソフトウェア開発会社などの会社を設立し、それらを傘下に収めてきました。

2005年にはヤフー!中国を買収したことで国際的な知名度を高めていき、2007年にはソフトバンクの取締役に就任。また2014年にはロスチャイルドを財務アドバイザーに起用し、ニューヨーク証券取引所に上場して250億ドルという史上最大のIPOを達成するなど快進撃をあげていきました。

2015年からはスポーツ事業にも乗り出し、2022年までの8年契約でFIFAクラブワールドカップのスポンサーに、また2018年から2028年までの10年契約で国際オリンピック委員会のワールドワイドパートナーになることも発表されました。加えて2018年の平昌オリンピック、2020年の東京オリンピック、中国本国の2022年北京オリンピックのスポンサーにも就任しています。

・タオバオワン 2003年

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タオバオワンは2003年に設立されたオンラインモールで、本社を浙江省杭州市に置く企業です。「タオバオ」とは「見つからない宝物は無い、売れない宝物は無い」というキャッチフレーズで中国市場の70%を占めるようになり、2006年には169億元の取引を記録しました。

日用品やファッション、携帯電話、化粧品、アクセサリー、書籍、電化製品などさまざまなジャンルの製品を扱っており、その後も大きな成長を記録しています。

・天猫 2008年

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天猫は2008年に設立された中国最大の小売りオンラインショッピングモールで、主に中国本土、香港、マカオ、台湾などのユーザー向けに運用されています。

2008年に設置されたのち、3000万ドルをかけた壮大な広告キャンペーンが行われ、2011年には会社再編や加盟店のサービス利用料金を大幅に引き上げるなどの改革を強硬。しかしこれがユーザーに批判され、オンライン暴動に合うことになってしまいます。

2014年2月には海外ブランドメーカーやその代理店が中国のユーザーに直接販売するための国境を越えた市場「天猫国際」を設立。天猫国際では取引事業者が小売業許可などの取得を必要とせず、直送で販売することが可能になったため、アメリカのコストコやドイツのdm-ドロゲリエ・マルクトなどが出店するなど大きな話題になりました。

■ジャック・マーの慈善活動

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ジャック・マーはこうした企業経営のほかにも、慈善団体としてジャック・マー財団を創設し、教育や環境、公衆衛生の改善に取り組んでいます。

2008年には四川大地震の犠牲者に対して80万ドルを寄付。また2015年には非営利組織となるアリババ香港ヤング・アントレプレナーズ・ファンデーションを立ち上げました。同団体は香港の企業家がビジネスの支援を行うものです。また2020年には新型コロナウィルスの拡大に対してアメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパ各国に医薬品を寄付。その活動は国際的なものとなっています。

■おわりに

ジャック・マーは1964年9月10日中国浙江省に生まれた企業家です。アリババ・グループを創設し、中国市場の70%を占めるオンラインモールを立ち上げていきました。また55歳の誕生日にはアリババ・グループの会長職を辞任し、以降は慈善活動に取り組んでいます。

大学入試に3度落ち、またなかなか仕事に就くこともかなわなかったマー。そんな彼が中国最大の企業を作り上げたことを考えると、ビジネスパーソンに必要なタフネスの重要さを感じ取ることができます。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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