ナイン・インチ・ネイルズ:ロックの殿堂入りも果たしたインダストリアル・ロック・バンド

破壊的なパフォーマンスが話題を集めるインダストリアル・ロック・バンド、ナイン・インチ・ネイルズ。1988年にバンド活動を開始してから圧倒的な支持を獲得してきた人気のバンド・グループです。メインメンバーのトレント・レズナーが生み出す個性豊かな曲の数々は世界の聴衆を魅了。1993年のグラミー賞Best Metal Performance部門を受賞した作品『Wish』では、溢れんばかりの衝動を音楽に込めて世界的な話題を獲得しました。深い内省を感じさせる歌詞も人気を支える要素でしょう。ナイン・インチ・ネイルズの経歴や代表曲を紹介します。

◾︎ナイン・インチ・ネイルズとは

※アメリカ合衆国のオハイオ州、クリープランド

ナイン・インチ・ネイルズはアメリカ合衆国のオハイオ州、クリープランドで結成されたインダストリアル・ロックを代表するバンド・グループ。インダストリアル・ロックとはインダストリアル・メタルとも呼ばれる音楽ジャンルで、1970年にインダストリアル・ミュージックとロックが混合され、生み出されました。攻撃的な歌詞内容やリズム、疾走感すら感じさせる演奏の虜になるファンは多いでしょう。ナイン・インチ・ネイルズの活動はこのジャンルを牽引するもので、アンダーグラウンドの音楽をメイン・ストリームの舞台に押し上げてきました。

ナイン・インチ・ネイルズの略称は頭文字を合わせてNIN。メインメンバーのトレント・レズナーは、1997年に世界初のニュース雑誌として知られているタイムによって、『最も影響力のあるアメリカ人』の一人に選出されたこともあるほどの実力者です。バンドの音楽活動は1988年に開始。レコーディングしたデモ盤をレーベルに送り続けることで契約を勝ち取ったエピソードが知られています。当時のデモ盤は1994年にリリースされ、話題を集めたことも記憶に新しいでしょう。1989年にはアルバム『Pretty Hate Machine』で鮮烈なデビューを飾りました。

デビューアルバム『Pretty Hate Machine』は、現在のナイン・インチ・ネイルズの発表する作品に比べてインダストリアルな印象は薄く、ポップな色合いが濃いことが特徴です。アルバムはデビュー作ながらビルボード・チャート2位を記録。2年間に渡ってチャートインを続けるロングセラーになりました。販売枚数も発表当初から伸びに伸び、100万枚を達成しています。

当時の収録曲のMVはケーブルテレビ、MTVで頻繁に放送され、特に音楽好きの若者の注目を集めたといいます。当時からバンドの奏でる音楽は暗く美しく、深い内省を感じさせる歌詞内容が際立っていました。またステージで魅せる過激なパフォーマンスも、その人気の要因にあったことは間違いありません。繊細かつ精密なメロディーと過激なパフォーマンス、アンビエントともいえる相反する魅力が同居するナイン・インチ・ネイルズが、スポットライトを浴びたことは必然といえるでしょう。その曲は後進のアーティストにも強い影響を及ぼしました。

その後1992年にはあまりに過激な内容のMVが物議を醸しました。1995年にはデヴィッド・ボウイとのリミックスを手がけ、舞台で共演を重ねています。1997年には初となる映像作品を発表するなど、音楽業界からの注目を集めています。1999年にはサード・アルバムを発表。チャート初登場首位を記録しました。2009年にはバンドは活動休止を発表。約4年後の2013年に活動を再開しています。活動再開時にリリースしたアルバム作品はビルボード・チャート3位を記録し、ナイン・インチ・ネイルズとしての存在感を当時の音楽市場に雄弁に語っています。

人間の怒りや渇望をテーマにしたナイン・インチ・ネイルズの曲の数々は、心にダイレクトに響く神秘的な魅力があります。聴きなれないノイズや機械音など、インダストリアル・ロックならではの表現は、聴く人によっては斬新に感じるでしょう。1993年、1996年にグラミーを受賞。2020年にロックの殿堂入りを果たしているナイン・インチ・ネイルズの音楽は、間違いない選択肢のひとつでしょう。次章でナイン・インチ・ネイルズの代表作を紹介していきます。

◾︎ナイン・インチ・ネイルズの代表作品

破壊的でありながらも美しいサウンドで聴衆を魅了してきたナイン・インチ・ネイルズは、これまでに支持を獲得してきた人気曲も多数あります。ここではその中から3作品を紹介しましょう。1989年にリリースされた初のシングル曲『Down in It』や、グループのデビューアルバムとしてヒットを記録した『Pretty Hate Machine』、セカンドアルバムにしてNINの最も有名な作品『The Downward Spiral』まで。これらの作品の魅力をそれぞれ詳しく紹介しましょう。

・Down in It(ダウン・イン・イット)

※画像はイメージです

『Down in It』は1989年にリリースされた、ナイン・インチ・ネイルズにとって初めてのシングル作品です。エレクトリックなサウンドを全面に押し出した曲調は、グループ初期の傑作として現在も愛されています。攻撃的な印象を感じさせながら、親しみやすさも感じるアンビエントな世界観は、ナイン・インチ・ネイルズ独特のものでしょう。本曲からグループの快進撃は始まったといってもいいかもしれません。まずは『Down in It』から聴いてみてください!

・Pretty Hate Machine(プリティ・ヘイト・マシーン)

※画像はイメージです

『Pretty Hate Machine』は1989年にリリースされたNINのデビューアルバムです。収録時間は約48分間。全部で11曲を収録しています。『Pretty Hate Machine』はデビューアルバムながらトリプル・プラチナに認定。ローリング・ストーンなどの音楽誌からも高い評価を獲得しました。グループの音作りとしては比較的穏やかな印象。重厚なサウンド中にポップなメロディーの存在が確かに認識できます。インダストリアルでいてポップな音楽性が楽しめる名盤です。

・The Downward Spiral(ザ・ダウンワード・スパイラル)

※画像はイメージです

『The Downward Spiral』はナイン・インチ・ネイルズのセカンド・アルバム。ビルボード・チャートでは初登場2位を記録しました。収録曲にはノイズ音や機械音がふんだんに取り込まれており、インダストリアル・ロックを極限まで体感できる名盤となっています。アルバムのテーマとしては疎外感や自己嫌悪を採用しており、矛盾や混沌すら感じる圧倒的な世界観を形成しています。ツアーの際は泥にまみれたパフォーマンスを披露したことで話題に挙がりました。収録曲は全部で14曲。インダストリアル・ロックを代表する名盤をぜひ聴いてみてください。

◾︎おわりに

インダストリアル・ロックを代表するバンド・グループ、ナイン・インチ・ネイルズの経歴や代表作品を紹介してきました。独特のノイズや機械音を混ぜて生み出される音楽はまさに革新的。人によっては新しい音楽ジャンルとの出会いになるはずです。ぜひ聴いてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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