ビル・ゲイツ:「大学に忍び込んで追い出された」やんちゃな青春時代のエピソード

ビル・ゲイツといえばソフトウェア大手・マイクロソフトの創業者にして、世界トップクラスの大富豪です。その資産は推定860億ドルで、Amazonのジェフ・ベゾスと毎年トップの座を争っています。そんなゲイツですが、若い頃はかなりやんちゃな青年で、数々の問題行動を引き起こしています。そんなゲイツの青春時代のエピソードをまとめてみました。

大学の研究室に忍び込む

ビル・ゲイツとコンピューターの出合いは、シアトルの中高一貫校「レイクスサイド・スクール」の高校2年生の時のことでした。
当時はまだ、コンピューターは大きく重く、研究機関などに設置された「ターミナル」(モニターとキーボードからなるコンピューター遠隔利用のための端末)から通信回線でつなぎ、時間単位で利用するものでした。利用料は時間単位で請求され、とても高価でした。

しかし、レイクサイド・スクールは、ドゥーガルという教師の音頭取りで、まだ普通の人にとって縁遠かったコンピューターを、生徒に使わせようとします。母親会のバザーの収入を使って、校舎内にターミナルを用意しました。おそらくは全米でも初めての試みだったそうです。
そこを訪れたのがビル・ゲイツと、後に共同経営者となるポール・アレンです。
二人はその部屋に通ううちに仲良くなり、ゲイツは通常の授業を免除してもらい、コンピューター室にこもりきりになりました。

ゲイツはそのコンピューター室で、三目並べのゲームを完成させました。
しかし、二人を含む生徒たちがあまりにも熱心に利用するので、母親会の資金は早々に尽き、生徒たちは、有料でコンピューターを利用しなければならなくなりました。
そこでゲイツとアレンは、今でいう「ハッキング」を試みました。システムの管理者用のファイルを見て、無料のアカウントがないかどうかを探したのです。

しかしこれはコンピューター会社の管理者に見つかり、二人はすぐさま追放処分になってしまいました。
しかし二人はこれにめげませんでした。次にポール・アレンが考え出したのが、近所のワシントン大学の研究室に忍び込み、そこの端末を使わせてもらうこと。
もちろんまだ高校生ですし、教授の許可を得ているはずもありません。じきに正体がバレてしまいますが、その場はお目こぼししてもらうことに。

ところが、ゲイツやアレンは、そこの設備を使って、そのころ受注した、給与計算のプログラム作成の仕事をし始めました。研究室に入り浸り、端末を使う時間はどんどん増えていきます。
業を煮やした教授から、「最後通牒」の手紙が届いたのは、無理もないことだったのかもしれません。
その手紙には、アレンやゲイツたちが長時間端末を専有しているため、他の研究の邪魔になっている。プリンターで印刷をしながら外出してしまうのは困る。鍵を返して二度と来ないでほしい、ということが書かれていました。

在校生でもないのに大学に忍び込み、しかも当時はまだ高価だったコンピューターを使うばかりか、そのコンピューターを使って仕事まで受注してしまう……。
まことに大胆不敵というか、あっぱれというか、追い出されても当然なのですが、興味深いエピソードです。

時間割プログラムを操作し自分以外は女性ばかりに

前のエピソードでもわかるように、ビル・ゲイツは高校時代からいろいろな仕事を手がけていました。
その中のひとつに、自分の在籍するレイクサイド・スクールから委託された、授業のスケジュール作成用のプログラムがあります。必修科目、選択科目や同時に取ることのできない科目などもあり、プログラムはなかなか骨の折れる仕事だったそうです。

しかし、そのプログラムには「隠し機能」がありました。
ビル・ゲイツが登録する英語の科目には、自分ひとりが男で残りは全部女になるような仕掛けが施されていたというのです。
今だったら大問題になりそうな「機能」ですが、なんともあからさまというか、微笑ましい(?)エピソードですね。

大学の授業に出ない(登録した科目には)

高校卒業後、ビル・ゲイツは名門中の名門、ハーバード大学に入学します。
ところがここでの彼は、模範的とは言い難い学生でした。
彼は、自分の登録した科目の授業にはほとんど出席せず、自分の登録していない科目にばかり出席したそうです。
理由はわかりませんが、きっと優秀過ぎて、授業に出るのが退屈だったのでしょうか。

授業は出ないのに、授業終了後から試験までの間に一夜漬けで勉強して、成績は「A」だったそうです。
なんだか憎たらしいくらいの秀才ぶりですね。

従業員のナンバープレートを暗記

頭脳明晰で優秀であることは、企業経営にとってプラスばかりかといえば、そうとは限らないようです。
マイクロソフトの草創期、ビル・ゲイツは従業員の車のナンバープレートを全部暗記しており、自分のオフィスから駐車場を眺めては「あいつは何時間働いたな」「あいつはたった○時間で帰ったな」などと従業員の勤務時間を記憶していたそうです。

このころのビル・ゲイツは他人への考慮が欠けており、そのことが軋轢を生んでいたようです。
たとえば、「休暇がほしい」という従業員に、「なぜ休む必要があるの?」と聞いたり、誰かがうかつな発言をしようものなら、「そんな馬鹿げた話は、聞いたことがない」と激怒したり。

こういう態度は、パートナーであるポール・アレンとの間でも変わらず、たびたび大喧嘩の種になったそうです。
その後ビル・ゲイツはこの時代の自分の行動を振り返って反省しているようですが、「ナンバープレート暗記事件」は関係者の胸に深い印象を残したようです。

一回のドライブで三度の違反キップ

1978年、マイクロソフトは米南西部・ニューメキシコ州のアルバカーキから、西海岸・ワシントン州のベルビューへ移転することになりました。
それに伴い、ビル・ゲイツも車で移動したのですが、そこで起きたのが有名な「一度の旅行で三度のスピード違反」。

ポルシェ911に乗った彼は、なんとその旅行の途中で、三回もスピード違反でつかまり、しかもそのうちの二回は、同じ警官に検挙されたというのです。
そもそもビル・ゲイツはニューメキシコ時代にも度々捕まっていたらしく、一度は悪質だったのか、留置場にも入れられたことがあるとか。

そもそも高校時代には、シアトルの自宅から265キロも離れたバンクーバーまで、愛車のマスタングを駆って2時間で到着できる、と自慢していたというから、まさに筋金入りのスピード狂だと言えるでしょう。
天才プログラマー・天才経営者の意外な側面ですね。

趣味は皿洗い

マイクロソフトを退社し、自ら設立した「ビル&メリンダ財団」でのチャリティー活動がメインとなっているビル・ゲイツですが、ネット掲示板Reddit(日本の2ちゃんねる、5ちゃんねるのようなサービス)に2014年登場し、ユーザーの質問に答えています。

ユーザー「ちょっと知りたいんですが、今楽しんでる意外なことは何ですか?」
ゲイツ「古いけど、ブリッジは好きだね。娘の乗馬を見るのもいいね、これもちょっと古いけど。皿洗いは毎晩やってる。他の人がやってくれるというんだけど、自分のやり方が好きなんだ」。
世界一の大金持ちの意外な「趣味」。とはいえ、ビル・ゲイツとトップを争う億万長者であるジェフ・ベゾスも、毎晩皿を洗っているとインタビューに答えています。「皿洗いは一番セクシーな仕事だと信じてるんだ」とベゾスは語っています。

天才の頭の中はよくわかりませんが、実は皿洗いはストレスを軽減し、創造性を高める、という研究がいくつかあるそうです。

参考文献:
「ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト」(ポール・アレン著 講談社)
Wikipedia(日、英)

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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