アルベロベッロ:まるでメルヘンの世界!

アルベロベッロは、イタリア南部プーリア州に位置している。世界中どこを探してもここにしかない、おとぎの国のような世界が広がっている。トゥルッロと呼ばれるメルヘンチックな住居が連なる風景は、女子旅にも最適だ。南イタリアの強烈な太陽の光を浴びた白壁がキラキラ光る風景は、青空に映えとても美しい。伝統的なトゥルッリは、現在も住居などで使われており、世界遺産に登録されている。

1.おとぎの国に迷い込んだような「アルベロベッロ」とは?

アルベロベッロは、標高415mに位置し、すり鉢状の中心部にトゥルッロというかわいい家々が立っています。「アルベロベッロのトゥルッリ」という名前で、1996年に世界遺産に登録されました。このトゥルッリ(trulli)とは、トゥルッロ(trullo)の複数形です。プーリア州中部には、トゥルッリ(伝統住居群)はたくさんあります。でも、町の中心部に、密集しているのはアルベロベッロだけ。このおとぎの国に迷い込んだような小さな町アルベロベッロは、別名「トゥルッリの町」と呼ばれています。

アルベロベッロの観光の主役といえば、プーリア州に伝わる伝統住居群の「トゥルッリ」です。トゥルッロとは、真っ白に塗られた壁の上に、とんがり屋根がのった、ユニークなもの。旧市街は、このトゥルッロが密集しており、人気のエリアとなっています。

2.アルベロベッロの成り立ち

アルベロベッロは、人口1万1000人ほどの、小さなコムーネです。始まりについては、はっきりとした記録がなく、西暦1000年ごろには近隣に集落があったといわれています。このおとぎの国のような小さな町については、16世紀初頭ごろから記録が残されています。

このころアルベロベッロは、南イタリア一帯を支配するナポリ王国の一部で、農業が盛んな地でした。ジャンジローラモ・アックアヴィーヴァ伯爵が、この地方を統治しているときのこと。農民が家を建てるときにはモルタルを使わず、この地域にある「キアンカレッレ」という平たい石だけを使って建てるよう命じました。

その背景には、“当時の家に対する税金が高く、住民が税金を支払わなくて済む方法はないかと考え命じたようです。その理由は、超税官がきたときに、家を取り壊してしまえば税金がかからない。モルタルで接着していない石だけならすぐに崩すことができ、基礎も骨組みもないので瓦礫も出ず片付ける必要もない。壊してもただ石が散らかっているだけで、超税官がいなくなったら簡単に建てることができる”と、考えたからでした。

こうして、「壊してもすぐに建てられる」、便利な家が建てられました。このようなメルヘンチックな家並みは、領主の住民に対する優しさから考案されたのです。成り立ちまでメルヘンチックですね。
(しかし、他説によると、「税金はモルタルを使って建てられた、家のみに課税されていた」とか、「この町を造るにあたりアックアヴィーヴァ伯爵は、王に許しを得てなかったため、ばれるのを恐れていた」からと、説は色々あります。)

3.アクセス

アルベロベッロは、プーリア州の州都バーリの南東約50kmに位置しています。私鉄スッド・エスト線で、約1時間半。オリーブの緑の間から真っ白なトゥルッリを除く、素晴らしい車窓風景は必見です。
車でも約1時間半で行くことができます(駐車場から町の中心にあるマルテロッタ広場まで徒歩で約15分)。

4.アルベロベッロの巡り方や注意点

・服装の注意点

アルベロベッロの夏は猛烈な暑さです。アフリカからの熱波による、異常気象も確認されています。夏場は、日差しも強いので、女性は薄手の長袖シャツがいいでしょう。日焼け止めとサングラスと帽子は必須です。飲み物も用意しましょう。
9月ごろから、雨が多くなるので、防寒具と雨具は必須です。南イタリアでも真冬にはコートは必要です。
アルベロベッロは、小さな町とはいえ坂が多いので、歩き回るなら履き慣れたスニーカーが便利です。

・ベスト観光シーズン

アルベロベッロは、1年を通して観光を楽しめます。南イタリア全体では、春と秋が最も観光に適しています。夏は湿気がなくサラッとした暑さで、木陰に入ると涼しいのでこの時期も避けるほどではありません。冬は防寒着が必要です。雨の日も多くなるので、他の季節よりは観光には、不向きな時期ともいえるでしょう。

・アルベロベッロの巡り方

アルベロベッロは、主に観光エリアと住居エリアの2つに分かれています。観光は、約1,000のトゥルッリがある、リオーネ・モンティ地区がメインです。旧市街観光なら徒歩で十分回れます。

また、アルベロベッロの住民の日常に触れたい方は、広場の東側にある住民地区のアイア・ピッコラ地区を散策するのも面白いかもしれません。ここには、約400のトゥルッリが立っています。

町の北側にある、18世紀半ばにペルタ家によって建てられた2階建てのトゥルッロ・ソヴラーノも必見です。現在は、博物館となっており内部見学が可能です。

また、アルベロベッロの周辺も見どころが満載です。宿泊にもってこいの高台にある小さな町「ロコロトンド(Locorotondo)」や、迷路のように細い道が張り巡らされ、その脇に白い家が立ち並ぶ不思議な町「チステルニーノ(Cisternino)」にも訪れれば、更にこのエリアのことを深く知ることができます。

アルベロベッロから西へ55kmにある、セピア色の町「マテーラ(Matera)」で、サッシ(洞窟住居)を見学するのもおすすめです。

5.トゥルッリとはどんな建てもの?

・トゥルッリの構造とは

トゥルッロという言葉には、「部屋ひとつに、屋根ひとつ」という意味があります。名前の通り、円錐形のとんがり屋根の下には、円柱の部屋がひとつだけ。このような部屋が繋がり、一軒の家となっています。もちろん石造の家で、部屋の中はカーテンで仕切られています。

・屋根の尖塔や絵にも注目

トゥルッロの屋根の上を見ると、美しい尖塔が取り付けられています。屋根は、アルベロベッロの大切な芸術作品とされており必見です。というより、お金持ちたちが屋根装飾にお金をかけるようになり、アート的な意味を持つようになりました。また、この飾りは、神話や宗教を意味するものをはじめ、黄道12星座を表現したものも見られます。

また、ハートや鳥、太陽や十字架などが描かれた、屋根の絵も注目されるところでしょう。これは、おまじない的な意味を持ち、シンプルな図案が描かれています。

・中近東からギリシャ通ってやって来た?

伝説では、トゥルッリの起源は、中近東からギリシャを渡って来たのではといわれています。先ほど触れた、シンボル化した絵やギリシャ語で「神」を表す文字などが見られるのも、この説を裏付ける理由です。ぜひ、お気に入りの尖塔や絵を探しながら散策してはいかがでしょう。

6.アルベロベッロのみどころ

・観光のメインはマルテロッタ広場周辺

アルベロベッロは、ツアーで参加しても観光のメインが集まるマルテロッタ広場で解散し、自由行動になることが多いです。この広場からの上り坂にはトゥルッロが密集しています。また、広場の南西にある、リオーネ・モンティ地区は、商業地区になっており常に観光客で賑わっています。モンテ・サン・ミケーレ通りには、トゥルッロを使ったレストランや土産物店が多くあるので、ここを中心に観光するといいでしょう。

・トゥルッリと同じ屋根の教会

モンテ・サン・ミケーレ通りの坂を上り、ポポロ広場の先には、1926年建築の「サンタントニオ教会」があります。屋根がトゥルッリと同じ円錐の形をしています。また、この教会のテラスから見る、景色は素晴らしいものがあり、斜面を埋め尽くすトゥルッリを一望できます。

・オレキエッテとワインのマリアージュをご堪能あれ!

プーリア州はオリーブが名産です。また、アルベロベッロの秋にはぶどうが実ります。プーリア州は、有数のワインの産地でもあります。炭酸入りの白ワインや、ちょっと珍しい黒ぶどうを熟成させて作った黒ワインも作られています。黒ワインは赤ワインより濃厚な味わいがするとのことです。ぜひ試飲してみてください。

せっかくなら、モンテ・サン・ミケーレ通りにある、トゥルッロ造りのレストランで、プーリア州とバジリカータ州の名物、耳たぶの形をしたショートパスタ「オレキエッテ」と共に、特産ワインとのマリアージュを楽しんでみてはいかがでしょう。

7.一度は泊まってみたいアルベロベッロ

一生に一度は、このかわいらしいトゥルッロを利用した、ホテルに泊まってみたいと思いませんか?ほとんどのホテルの外観は昔の趣を留めていますが、内装はリノベーションされ、それぞれに造りやデザインが異なっているので、お気に入りの宿泊施設を探すのも楽しいかもしれません。

また、長期滞在にも便利なミニキッチンが備わる、アパートメントタイプの宿泊施設が多いようです。リビングと寝室が別々になっており、おとぎの国の住人になったような気分で宿泊できます。空調施設が整っているので、快適なホテルライフを過ごせるのもおすすめなポイントです。価格も意外とリーズナブルなところが多く検討の価値ありです。

8.まとめ

実際に行くのと写真やパンフレットで見るのでは全く違い、本当にかわいらしく、絵本の世界に迷い込んだような気持ちになれます。税金逃れのために壊したり再建したりを繰り返した、歴史を感じながら巡るとまた違った見方ができるかもしれません。ぜひ、ユニークで小さな町、アルベロベッロを訪れてください。

基本情報
住所:Alberobello,Bari,Italy
電話番号:+39 080 432 1200
ホームページ:Alberobello

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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