一帯一路:中国が目指す巨大経済政策

一帯一路とは、2013年に習近平国家主席が掲げた経済政策で、シルクロード圏内の経済圏を掌握しようとする経済政策を指す。「シルクロード経済ベルト」を中心とした政策である。この政策を展開することで中国だけでなく、諸外国の発展も期待できると言われている。

2013 年に習近平国家主席が一帯一路政策という経済政策を掲げました。「この政策を行うことで、世界全体が豊かになる」といった主張のもとに行われている政策なのですが、果たしてどこまでこの経済政策を実現することができるのでしょうか。このページでは、中国の掲げる一帯一路政策について、詳しく解説をしていきます。

1. 一帯一路とは?

1-1.一帯とは

一帯とは、中央アジアから欧州までをつなぐ、シルクロード経済ベルトのことです。

1-2.一路とは

一路とは、東南アジア、スリランカ、インドネシアといった東シナ海から、アフリカを経由し欧州にたどり着く21世紀海上シルクロードのことを指します。陸の経済活動ではできないような、海洋を使った貿易を中心に経済活動を発展させるというものです。

1-3.つまり、一帯一路とは

つまり一帯一路とは、中国がシルクロード圏内の経済活動を発展させるための経済政策のことを指します。中国が色々な国々とビジネス展開をしていくために提案されました。これが実現すれば、ITに欠かすことができない電子部品だけでなく、金融、貿易、設備投資などさまざまな経済活動を一貫して効率化させ、発展させていくことができるようです。

1-4.中国が主役になる政策

この政策は、中国が主役になる政策であるため、シルクロード圏内の国を対象としています。中国では今後も経済活動が活発になっていくことが予想されています。そのため、他の国々も中国との経済交流をしっかりと行うことで、自国にとって有利に働く可能性があるのです。

この経済政策についてより詳しく学ぶため、一帯一路の概要を詳しくご紹介していきましょう。

2.シルクロード経済ベルトの概要

シルクロード経済ベルトの歴史は長く、中国は昔からこのシルクロードを利用してさまざまな国々との外交を繰り広げてきました。現在はどのような地域が参加しているのでしょうか。

2-1.交流ができる国

シルクロード経済ベルトでは、モンゴルやロシア東欧の国々など多岐にわたる国との交易が可能。最近では中央アジアを通るルートだけではなく、複数のルートが存在しています。
1つは、中央アジアを起点にしてペルシャ湾沿いに進むルート。このルートを通ることで、サウジアラビアやアゼルバイジャンといった石油産国との交易が可能になります。もう1つのルートが、東南アジアやインドを通るルートです。このルートは、世紀海洋シルクロードとの連携が必要になりますが、このルートを確保することで、東南アジア、インドといったアジア圏を網羅することができます。

2-2.交易をするメリット

シルクロード圏内で交易をすることで、中国だけが美味しい思いをしているだけではありません。中国の交易相手になった国では経済活動が活発になるので、国の経済力が上昇するだけでなく、国内の様々な水準を引き上げることができます。

実際、シルクロード圏内で交易を続けている国々は、どこも経済成長が加速し、生活水準が上昇しています。
今後もさまざまなプロジェクトに参加をすることで、経済活動が活発化するだけでなく、インフラも整えられ、さらなる発展を期待することができます。

3.21世紀海洋シルクロードの概要

海を起点とする21世紀海洋シルクロードについて、詳しくご紹介していきましょう。

3-1.交易する国

21世紀海洋シルクロードを活用すると、石油産国、東南アジア、アフリカといった発展途上国の国々との交易を広げることができます。シルクロードで経済発展した国のように、海上貿易を活用すれば、南シナ海、インド洋などに面した地域との経済交流がさらに発展することになります。

インドと中国がさらに経済的に親密な関係になれば、今以上の経済活動の発展が期待され、ITビジネスがより活発化することが期待されています。

3-2.交易するメリット

21世紀海洋シルクロードに参加することで、発展途上の国々ではさらなる経済発展を期待することができます。そのため、インドネシアやインドはこの経済圏のプロジェクトに参加意欲を示しています。今後も多くの国々がこのプロジェクトに参加することが予想されますが、まだ構想段階なので、どのようになるのか注目していきましょう。

3-3.懸念事項

シルクロード経済ベルトとは異なり、21世紀海洋シルクロードには懸念事項があります。最も心配されている懸念事項は、港です。現状、港の整備は十分に行き届いていません。
そのため、今後交易を行うためには必要な港を積極的に建設していく必要があります。しかし、プロジェクトに参加する国々は発展途上であることが多いため、それぞれの国が港を設置するような体力がありません。国同士が協力しあう必要があり、中国の積極的な支援も欠かせないでしょう。

また、先行投資になるため今後の経済状況によっては大きな損失を被る可能性も0とは言い切れず、慎重に判断する必要があるのではないかという意見も聞かれます。

4.近年の動向について

一帯一路の構想を2013年に打ち出して以降、どのような動きが現在あるのでしょうか。現在の動きについて、掘り下げていきます。

4-1.同意した国々

フィリピンが一帯一路構想に協力すると合意をしました。フィリピンとのつながりが生まれることで、石油や天然ガスの開発だけでなく、農業や観光分野などでの経済交流も期待されます。また、ドイツやシンガポール、オランダもこの政策に同意を示しています。

様々な国々が参加する理由は、経済発展が期待できるというだけでなく、さまざまなビジネスチャンスの共有が生まれるからと考えてられているからです。中国は人口も多く、資本力もある国です。積極的に交流をすることで、各国のグローバル企業にとってより発展が期待されることから、参加を表明していると考えられます。

4-2.反対する国々

参加表明をする国が多い中で、難色を示している国も少なくありません。特にアフリカでは、一帯一路構想を拒否しているケースもあります。

2018年10月には、シエラレオネ共和国の大統領が、中国からの4億円の融資を受けることができるはずだった新空港建設を拒否しました。拒否した理由は、新たな負債を背負うことで自国の経済が悪化することを恐れたためです。今後もこのようにアフリカ諸国が参入を拒否する可能性があり、2018年時点では暗礁に乗り上げています。

反対しているのは、アフリカ諸国だけではありません。マレーシアもシオラレオネ同様に、融資を断りました。なぜ融資を拒否する国が現れるかというと、スリランカの事例があるためです。スリランカは中国から融資を受けたことで、自由な経済活動に身動きができなくなってしまったという事実があります。一路一帯は、それぞれの国にとってチャンスになりうるものの、中国に有利な経済政策でもあるので、このような国々が今後も現れることが考えられます。

4-3.今後の展望

あくまで中国が主役なので、みんなが利益をあげることもあれば、一方が損失を被ることもあります。また、中国の投資家がさまざまな場所に投資をしていくことで、より中国の国力は底上げされていくでしょう。今後の動きに関しても、注視を続けていくべきだと言えます。

まとめ

一帯一路の政策は、お互いが尊重しあえばすばらしい政策となります。多国間での協同や経済活動における協力を今後どのように推し進めていくか、そしてそのような流れをどのように中国がコントロールするか、今後の動向に注目していきましょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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