アマルフィ海岸:世界一美しい海岸

アマルフィは、イタリア南部のカンパニア州サレルノ湾に位置する、全長40kmの風光明媚な海岸線を有する景勝地だ。碧い海と空の絶景が広がり、大地には緑が美しいオリーブの木をはじめレモンやオレンジがたわわに実っている。その景観はまさにパラダイスだ。アマルフィ海岸の美しさを象徴する、妖精伝説が残っていることでも有名である。中世には四大海洋国のひとつとして繁栄した歴史も魅力で、世界遺産にも登録されている。

1.アマルフィ海岸とは?

アマルフィ海岸は、透き通るコバルトブルーの美しい海と海岸沿いの断崖絶壁が続く、南イタリア屈指の景勝地です。この素晴らしい風景は「世界一美しい海岸(Costiera Amalfitana)」と謳われています。また、景色に彩を添えるのは家々が断崖絶壁にへばりつくように連なるカラフルな風情ある街並みです。

中世に海洋王国として栄えたサレルノからナポリ一美しいと称されるソレントまでの約50kmが観光地となっています。南国の輝く太陽の光を体いっぱいに浴びながら、海岸線にある遊歩道をゆっくり散策するのにももってこい。きっと一度この絶景を見ればアマルフィ海岸の虜になること間違いありません。南国ムードを味わいながら、優雅なバカンスを満喫してはいかがでしょう。

2.アマルフィ海岸の成り立ち

アマルフィの始まりは、4世紀ごろにメンフィの町に住んでいた人々が戦火を逃れ、断崖絶壁の入り江に漂着し定着したことからです。彼らは山と山の間の狭い土地で潮風の影響を受けにくいレモンやオリーブを育てながら生活しました。また、イスラムの羅針盤を使い航海に出た初めての挑戦も果たしています。

839年にはナポリ公国から独立し、アマルフィ公国となりました。10世紀末ごろからは人口も増加し、次第に海運共和国として繁栄します。11世紀にヴェネツィアやジェノバと並び、イタリアに中東や中国など海外の文化をもたらしました。このころが最盛期となっています。

特産のワインやレモン、武器などと北アフリカの金と交換し、それをアジアで香辛料やシルク製品、陶器などに交換する三角貿易で栄えました。断崖絶壁で隔絶された地だったため、主な交通手段が船だったことが功を奏した繁栄ぶりでした。13世紀には中国からイスラムその後シチリア経由で伝わった製紙産業もアマルフィに富をもたらしました。その後はライバルの海運共和国や海賊などに攻められて弱体化しています。1343年にアマルフィを襲った嵐が街を破壊し、ここからは衰退の一途をたどりました。

海洋共和国で繁栄した栄光の歴史はアマルフィに点在する、イスラム風建築の歴史建造物などからも見ることができます。

3.アクセス

列車でナポリからソレントかサレルノまで約1時間。ソレントからはアマルフィへ「SITASUD」社のバスで約1時間半。サレルノからアマルフィまで「SITASUD」社のバスで約1時間15分。
ナポリからアマルフィまで直行のバスが出ています。所要時間は約2時間。アマルフィからナポリへの便は午前中しかなく、日曜日は走っていないので少し不便かもしれません。

フェリーで訪れるのもおすすめです。サレルノから船に乗れば約35分です。風光明媚な景色を満喫しながら行けるのでおすすめです。ですが4~10月半ばくらいまでしか運航しないので事前に下調べしてくださいね!

4.美しさから生まれた妖精伝説

ギリシャ神話に登場する「ヘラクレス」のことは御存じでしょうか?ギリシャ神話の最高神の「ゼウス」と「アルクメネ」の子供で、ギリシャ神話最大の英雄といわれる人物です。ヘラクレスは一人の妖精を心から愛し幸せに暮らしていました。

しかし、幸せの真っただ中で妖精が突然亡くなってしまいます。心の底から悲しんだヘラクレスは、彼女の亡骸を埋葬するのにふさわしい地はないかと探し回りました。その時に出会ったのが神聖な気が漂う美しい地「アマルフィ」だったのです。

この地に彼女を埋葬すると、燦々と輝く太陽の光が降り注ぐ美しい街が誕生しました。因みにこの妖精の名前は「アマルフィ」といい、その存在が永遠のものとなるよう願いを込め彼女の名前がこの地に付けられました。

5. アマルフィ海岸の巡り方や注意点

・服装の注意点

夏は日差しが強くなるため、日焼け止めやサングラスなどの紫外線対策は万全にしてください。朝晩は寒暖差も激しく冷え込みも厳しいので羽織るものは必須です。冬に訪れる方は、雨具とコートはお忘れなく。

また、アマルフィの美しい景色を「天国」と例え、断崖絶壁に張り付くように形成された街は階段ばかりで生活にも不便なことから「地獄」に例えられています。誰が言い始めたかは分かりませんが、「景色は天国、暮らしは地獄」との言葉が伝わっています。地獄のような地を歩き回るアマルフィの観光には、履き慣れたスニーカーが必須アイテムです。

・観光シーズンはいつ?所要時間は?

アマルフィは比較的降水量が少なく温暖な地域です。ベストシーズンは4~10月です。ベストシーズンの中でも7~8月は暑さが厳しいので避ける方が賢明かも。逆にビーチでの海遊びを楽しみたい方は7~9月がおすすめですよ。
南イタリアといえども、冬は雪が降ることもあります。平均気温は約4度です。コートやカイロなどの寒さ対策は万全にしてください。冬の観光はおすすめできません。

ゆっくりアマルフィの魅力を知るには、1週間は必要といわれています。アマルフィだけをサクッと巡るなら2時間くらいです。ですが1日かけて他の町も巡りたいもの。

・冬の観光は過酷

冬のアマルフィは降水量が多く観光客が激減します。バスの本数は減り、船が動かないことも多々あります。更にはクローズするホテルも多いので宿泊施設を探すのも難しいのが現状です。行かれる方は事前に調べてから訪れてください。

・アマルフィ海岸の巡り方

海から切り立った断崖にびっしり連なるカラフルな街並みを眺める、優雅な観光も楽しめます。また、カプリ島に渡ってアマルフィ海岸の風光明媚な景観を眺めるのも素晴らしいですよ。おすすめの観光地はもちろんアマルフィ。ポジターノやラヴェッロも景色が美しくアマルフィ海岸らしい観光を楽しめます。

6.アマルフィ海岸のみどころ

アマルフィは、風光明媚な風景を武器に高級リゾートとして、また中世の面影を残す古都として南イタリアでも人気の観光地となっています。それでは主な観光地をご紹介します。

・一大王国時代を語るサレルノ

中世に四大海洋共和国のひとつだった場所。11世紀のアラブ・ノルマン様式のドゥオモは必見です。特に12世紀のモザイク画や説教壇も必見です。

ヤシの木が続く海岸沿いの遊歩道を歩くのも◎。サレルノ湾の美しい風景を見た後は、旧市街の風情が残るメルカンティ通りがおすすめ。活気に満ちており、南イタリアらしい雰囲気を満喫できます。

・観光の拠点アマルフィ

アマルフィは、アマルフィ海岸の観光の起点となる街です。町の中心になるのはドゥオモ広場周辺です。この広場は夏にカフェのパラソルが開き、ゆっくりと雰囲気を楽しむ人で賑わいます。広場の階段を上ったところにはドゥオモがあり、シンプルな構造ですが12世紀の豪華な燭台や説教台からはアマルフィの繁栄ぶりを垣間見ることができます。

断崖絶壁の町に張り巡らされた迷路のような小道を散策するのもアマルフィ観光の醍醐味です。ドゥオモの脇の坂道を上がると白壁に細い路地が続き、これぞ南イタリアという素晴らしい風景を見ることができます。車があまり通らないので海洋共和国時代の風情を感じながらゆっくり散策してはいかがでしょう。

・「海より空が近い街」と称されるラヴェッロ

アマルフィ海岸の標高350mの高台に位置する小さな町です。観光地化が比較的進んでおらず、のんびりとした観光をしたい方におすすめです。

巨像が続くヴィッラ・チンブローネのテラスから見る海景や、ヴィッラ・ルーフォロのバルコニーに広がる東側のアマルフィ海岸を一望するパノラマは言葉にならないほどの美しさ。2つのヴィッラは庭園の美しさも素晴らしく絶好のフォトスポットとなっています。ヴィッラ・ルーフォロでは、夏期に野外コンサートを行っています。かつてワーグナーがこの景色を見て感動したとの逸話が残っています。

・小説や映画の舞台として有名なポジターノ

白い家並みが続く断崖絶壁の風景が素晴らしいと有名な場所。ここの風景は、小説や映画のロケ地となるほど素晴らしく、まるで絵画のような風景が広がっています。できれば、船に乗って海から、この町の絶景を見たいもの。スポンダへと向かう通りでは、町と海がコラボした眺望は、まさに絶景のひとことです。

・冬の避寒地として有名なソレント

この町は夏に海水浴、冬はイタリアの人々の避寒地として知られるリゾートです。海に面した市民公園からの景色は素晴らしく、湾の右側にはポンペイ遺跡を作りだしたヴェスヴィオ火山を見ることができます。

7.まとめ

南イタリア屈指の景勝地「アマルフィ海岸」は、「世界で最も美しい海岸線のひとつ」とされています。この美しい景色の陰ではかつて隔絶された断崖絶壁の地で暮らしていた人々の苦労が隠れています。近年、この風光明媚なアマルフィの魅力に引き寄せられるように、観光客数も年々増加しています。決してアクセスが良いとはいえませんが、訪れる価値ありですよ。ぜひ。

基本情報

アマルフィの観光案内所
住所:Via delle Repubbliche Marinare
電話番号:+39 089 871107
営業時間:9~18時
(2018年12月現在)

ホームページ:Amalfi

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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