サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂:ローマ四大聖堂の一つ

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」の一つとして、イタリアの世界遺産に登録にされている。世界各国から多くの巡礼者が訪れるローマ四大聖堂の一つだ。1000年に渡り改築が繰り返されており、さまざまな時代の建築様式が広い聖堂内に存在しているのも見物である。また、ローマで最も高い鐘楼や13世紀のモザイク「マリアの戴冠」も必見だ。

1.サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂とは?

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、ローマにある7つの丘の一つ「エスクィリーノの丘」の上に堂々と立つカトリックの大聖堂です。その名は「偉大なる聖母マリアに捧げられた聖堂」という意味をもっています。ローマ四大聖堂の一つで、その重要性はいうまでもなく威風堂々たる外観や内部のマリア様をテーマとした豪華な装飾、ローマ最大といわれる鐘楼など見どころも豊富です。

また、ローマのテルミニ駅(中央駅)の近くにありアクセスにも長けています。夏の雪にまつわるちょっとだけロマンティックな伝説も残っています。ローマ旅行をご検討中の方はぜひ、訪問先の一つに加えてみてはいかがでしょう。

(Public Domain /‘Basilica di Santa Maria Maggiore’ by Giovanni Paolo Panini. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

2. サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の成り立ち

この大聖堂は、431年にエフェソス公会議で「聖母崇拝」が認められ、その翌年以降に法王シクトゥス3世により聖母マリアに捧げるための教会として建設されています。その後、幾度も改築が行われて現在のような大聖堂になりました。各時代の芸術的な手法を見られるのも、この聖堂の魅力です。

14世紀末にバチカンのサン・ピエトロ大聖堂に隣接する「バチカン宮殿」が建てられるまでは、教皇の宮殿として一時的に使われた由緒正しい古い歴史をもっています。宮殿となったのはローマ教皇が「アヴィニョンの捕囚」からローマに戻った際、「サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂」があまりにも荒廃しており、一時的にこの聖堂が利用されました。教皇宮殿として使用するに相応しいほど外観も内部も荘厳で豪華です。

また、世界中に“聖母マリアに捧げる教会”はたくさんありますが、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂ほど大きな教会はなく、最大規模の教会とされています。1929年2月11日にローマ教皇庁とムッソリーニ政権が結んだ「ラテラノ条約」により、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂はバチカン市国の外にあるもイタリア政府によってバチカン市国の特別な権利が認められています。

3.「奇跡の地」にまつわる伝説と真夏のイベント!

・サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に伝わる伝説とは?

先ほどちょっとお話しした伝説をここでご紹介しましょう。始まりは、当時のローマ法王リベリウスが356年に見た夢からでした。

リベリウスの夢の中に聖母マリアが現れたのです。「今晩、雪が降る場所に、聖堂を建てなさい。」とマリアが告げました。驚くことに雪が降るなんて考えられない真夏の8月5日にこんな夢を見たのです。夢だけでなく、現実に大聖堂のある場所に雪が降ったのです。

しかもこの地は古代キュベレ神の神殿があった場所です。神殿の跡地に、お告げによって聖堂が建てられるなんて伝説とはいえ因縁を感じられるエピソードですね。

・とってもステキな奇跡のイベント

この伝説からサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、別名「サンタ・マリア・デッラ・ネーヴェ(Santa Maria ad Nives・雪の聖マリア)」と呼ばれるようになりました。また、この聖母マリア伝説に由来し毎年8月5日の夜に「雪の奇跡(Miracolo della Neve)」というイベントが行われています。

このイベントはとってもロマンティックなもので、大聖堂のライティングから始まり、読み語りや歌謡ショーが行われます。さらにミサでは天井から白いバラの花びらが振り撒かれます。

クライマックスには暑い盛りの夏のローマに雪に見立てた泡が空から降ってきます。この泡の演出は広場をロマンティックな雰囲気に染め上げます。ぜひご都合の合う方は訪れて参加してはいかがでしょう。

3.アクセス

ローマ四大聖堂の中で最もアクセスに長けています。ローマ観光に行けば誰もが一度は通るテルミニ駅(Stazione Roma Termini駅)から徒歩で約10分。

4.サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の巡り方や注意点

・服装の注意点

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、観光客も訪れますが聖堂としての役割が主です。肌の露出が多い服装は避けて訪れてください。ノースリーブやミニスカートなどは厳禁。できればカーディガンやショールなどを羽織ることをおすすめします。

・聖堂内での注意事項

内部見学の際はセキュリティチェックがあります。刃物など危険物は持ち込めません。たばこの喫煙が禁止なのはもちろん、聖堂内での飲食も禁止です。扉は音をたてないようにゆっくり開け閉めし、大声で話したり、走ったりするのはやめましょう。

内部の写真撮影は可能ですが、シャッター音はオフにして撮影をしてくださいね。ミサに参加しても観光目的での参加や最中の撮影は控えてください。

・見学に便利な大聖堂ガイド

入口を入るとパネルがあります。iPhone、iPadをお持ちの方はパネル上にあるQRコードをインストールすると大聖堂のガイドをダウンロードできるのでとっても便利です。博物館をはじめ、ファサードのモザイクを見られるバルコニーや考古学エリアなど見どころも満載なのでぜひ。

また、クリスマスの時期になると博物館の入り口にはイタリア最古のプレセピオ(キリスト生誕の場面の模型)が展示されます。これは1288年に彫刻家アルノルフォ・ディ・カンビオがローマ教皇のニコラウス4世の命で着手し、1291年に完成したものです。この時期以外は大聖堂の中庭にある博物館に展示しています。

5.サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂のみどころ

・ローマバシリカ様式が残るたった一つの聖堂

1348年の地震による倒壊を奇跡的に免れており、ローマのバシリカ様式が残っているのは珍しいもの。さまざまな様式を見ることができる聖堂ですが、ローマのバシリカ様式が現存しているのもサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の魅力です。

・ファサードのモザイク

18世紀に付け加えられたファサードの奥にあるのが13世紀に描かれたモザイクです。5ユーロかかりますが、バルコニーに上がればこのモザイクで描かれた「雪の聖母の奇跡の物語」を間近に見ることができます。

・古代モザイクや古代ローマ時代の柱

聖母マリアの装飾や彫刻、絵画など多くの芸術的作品が残っています。シクストゥス3世時代に描かれたたくさんのモザイクも見応えありです。

身廊と測廊を分ける大理石造りの36本の柱は古代ローマの神殿から運ばれたものです。イオニア式の柱頭をもつ柱が整然と並んでおり、彩色大理石で12世紀ごろに造られたコスマーティ様式の床と共にこの大聖堂の古い歴史を感じさせてくれます。また、金色に輝く格子天井も必見です。古代ローマ神殿の柱の奥にある5世紀に描かれた「旧約聖書の36場面」のフレスコ画は絶対に見たいもの。

・後陣奥にある『マリアの戴冠』

後陣奥にある13世紀のドーム型の天井モザイクも必見です。これは『マリアの戴冠』を小さな石片で描いています。「われ汝を玉座につかせん」と書かれた本をもったキリストが聖母マリアに冠をかぶせるシーンで、背景には煌びやかな金色が配されています。

・その他のみどころ

時計がはめ込まれた茶色い鐘楼の高さは75mあり、ローマで最も高いとされています。また、教会内部天蓋の右端にはイタリアン・バロック期を代表するベルニーニの墓もあります。

紛らわしいですが、バチカンにある礼拝堂と同じ名前の「システィーナ礼拝堂」が身廊右側にあります。これは1587年に教皇シスト5世のためにドメニコ・フォンターナが造った礼拝堂です。教皇シスト5世と同じく教皇のピウス5世の墓所があります。ギリシャの十字の形をした内部には数多くのフレスコ画で飾られており、天井には見事なクーポラがあります。

反対側にはパウロ5世とクレメンテ8世の墓所を抱くパオリーナ礼拝堂があります。1611年に教皇パウロ5世のためにフラミニオ・ポンツィオが造ったものです。こちらもバロック様式を見ることができ、豪華絢爛で素晴らしい礼拝堂なので、ぜひご覧ください。

6.まとめ

ローマには実に多くの教会があり、その数400にまで至るといわれています。このサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂はイタリアで一番古いものとされており、フレスコ画など内部の装飾も豪華で保存状態も素晴らしいものです。アクセスも良好なので、ぜひローマに行かれた際は訪れて溜息物の美しく荘厳な大聖堂の魅力に浸ってください。

基本情報

施設名:サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Basilica di Santa Maria Maggiore)
住所:Piazza di Santa Maria Maggiore 42, 00185 Rome, Italy
電話番号:+39 06 6988 6800
営業時間:7~18時45分
入場料:聖堂内は無料。
(2018年12月現在)

ホームページ:La Basilique Papale de Ste Marie Majeure

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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