ロジャー・フェデラー:伝説になった現役テニス選手

1.輝かしい戦歴と伝説

ロジャー・フェデラーはスイス出身のオールラウンドテニスプレーヤーです。特に、テニススタイルが芝コートに合っていて、ツアー通算で176勝を記録しています。オープン化以降では、ジミー・コナーズを抜いて芝コートでの単独最多勝利者となっています。また、そのほかにも世界ランキングが302週1位(合計)、グランドスラムの20勝など、歴代トップの記録が数多くあります。また、2009年の全仏オープンで優勝し、史上6人目のキャリアグランドスラマーとなりました。

輝かしい記録を数々打ち立てたフェデラーですが、デビューからすぐに活躍をしたわけではありません。ジュニアで輝かしい成績を収めたフェデラーは、1999年に18歳でプロデビューを果たしました。しかし、プロの道は厳しく、初めてグランドスラムに優勝したのは2003年22歳のウィンブルドン大会の時でした。熱くなって自滅するケースが多く、感情のコントロールができなかったためと言われています。同時に、オールラウンダーとしてのテニススタイルを完成するのにも時間がかかったのでしょう。

フェデラーのテニスは、ストロークやサーブなどのフォームやリズムに無理がなく美しく、多くのプレーヤーから憧れの的となりました。ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)は、彼を目標に育った選手達で、現在ではフェデラーも含めてBIG4と言われています。これは、グランドスラムやマスターズ1000の優勝をしばらくの間、この4人がかわるがわるに占めていたためです。他の時代なら間違いなく長期の世界チャンピオンになっているはずの天才選手達が、同じ時代に4人もいるような現在のテニス界を生み出したのも、フェデラーの大きな存在があったからです。その意味で、フェデラーは現在でも世界ランキング1位を争う現役選手でありながら、すでに伝説の人となっています。今なお、若い選手でもフェデラーを目標としていることは少なくありません。

2.身体的特徴とテニススタイル

身体的特徴は、身長185cm、体重85kgで、パワーとスピードを要求される現代のテニスでは理想的な体型です。右利きで、バックハンド・ストロークは片手打ち、フェデラーの唯一の弱点はこの片手打ちバックハンド・ストロークと言われてきました。

テニススタイルは、サーブ&ボレーを要所に混ぜながら、ベースラインでのグランドストロークを中心としたオールラウンドプレーヤーで、歴代最高の選手という高い評価を受けています。
多彩で正確なショットを持っていて、同じフォームから同じ球質のボールを続けて打つことは決してないため、相手選手は対応がとても難しいと言われています。

サーブは190km/hくらいのスピードですが、コースの選択と正確性が素晴らしく、困ったときに必ずエースを狙うセンターライン近辺のショットは、最盛期には220km/hを超えていたと言われています。

サーブレシーブについては、ブロックリターンが上手く、相手の深いところに落ちるので相手からの攻撃を受けにくいようです。

ボレーは得意中の得意なショットで、その意味では優れたボレープレーヤーでもあります。フットワークについてはあまり話題にのぼりませんが、選手同士での話では足が速い選手といえばフェデラーがまず挙げられるとのことです。彼の無駄のない走りが選手からはそう感じられるのかもしれません。

テニスは守備型の選手と攻撃型の選手に分けられますが、チャンピオンになるような選手は守備型の選手が圧倒的に多いと言われます。
通常、打ち合いを続けながら相手のミスを待つ防御型のプレーは観客を退屈させることがままありますが、フェデラーはチャンピオンでありながら攻撃型のテニスを得意としていますので、観客の盛り上がりも並ではありません。
試合も変化が多く大変面白いものがおおく、その意味でもフェデラーは観客達を惹きつけて止みません。

スタミナにおいても、ライバルのナダルやジョコビッチと数々のグランドスラム大会で5セットマッチの死闘を繰り広げており、折り紙つきと言って良いでしょう。

3.復活

華々しい活躍をつづけたフェデラーも2013年頃からは、怪我に悩まされるようになってきました。歴代の世界チャンピオン達も、30歳を超えると怪我をすることが増え、試合もだんだんと勝てなくなってくることが一般的と言われています。そのほとんどは35歳を待たずに引退することとなるようです。
そして、残酷なことですがそれはフェデラーも例外ではありませんでした。2016年のウィンブルドン大会で、半月板損傷し、残りの全ツアーを欠場することになってしまいました。

しかし、2017年の全豪オープンから再び出場し、決勝でナダルを破り優勝。翌年の2018年には、歴代最年長36歳6ヶ月で世界ランキング1位に復帰しました。完全復活を果たしたのです。

また、復活にあたってラケットを大きく新調したこともあり、兼ねてから難点だとの指摘を受けてきたバックハンドショットの精度の悪さを克服。特にバックハンドからのトップスピンのストレートショットは強力な切り札にさえなってきました。彼は困難を乗り越え、それを更に武器とするまでに磨き上げたのです。

2018年で37歳になり、この年齢で世界のトップに君臨しているのは驚きであり、男子テニスの歴史上もこれまで例がありません。

4.ライバル達

テニスは相手あってのスポーツですので、良きライバルに恵まれていなければ強くなれないでしょう。

フェデラーの場合、同世代のライバルとしては、レイトン・ヒューイット(オーストラリア)とアンディ・ロディック(アメリカ)がいます。どちらもチャンピオンになった選手です。ヒューイットとの戦いは多かったですが、ヒューイットが比較的若くして全盛期が終わったためにグランドスラムの決勝での対戦は多くはありません。

ロディックとの戦いは、フェデラーの方が戦歴は圧倒的に良く、ロディックは多くの優勝をフェデラーに阻まれていました。

最大のライバルは、BIG4の一角であるナダルでしょう。この二人は歳も近く、テニススタイルも対照的で、グランドスラムでの二人の試合は凄いものが多く、多くの名勝負として歴史に残っています。このような天才中の天才がほとんど同じ時に、雌雄を決するという時代は他にはなく、男子テニス界の黄金時代と言って良いでしょう。

また、少し年齢は若くなりますが、BIG4の一角であるジョコビッチとの戦いも素晴らしいものが多いです。二人は、グランドスラムでは、最多の15回の対戦があり、ナダルの場合と同様に凄い試合が多かったです。ただ、ジョコビッチの方が少し若く、微妙にピークの時期がずれているため戦歴は良くなっています。

5.サマリー

フェデラーは、スイス出身のオールラウンドテニスプレーヤー。芝コートのツアー通算で176勝、グランドスラムの優勝20回、世界ランキング1位が302週(合計)、史上6人目のキャリアグランドスラマーなど多くの輝かしい記録を打ち立てたプレーヤーで、史上最高のテニスプレーヤーと言われている。さらに最近では、歴代最年長36歳6ヶ月で世界ランキング1位への復帰という偉業も成し遂げた。

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