クエンティン・タランティーノ:監督引退間近?タランティーノ映画をネタバレなしで徹底解説

映画が大好きなビデオ屋の店員だったアメリカ人男性クエンティン・タランティーノは全米屈指の名監督としてハリウッドで大成功。そんなタランティーノ監督作をすべてネタバレなしでご紹介していきます。コレを読んでから映画を見ればもっと深く作品を味わうことができるはずです。

カリフォルニア州ロサンゼルスのレンタルビデオ店「マンハッタン・ビーチ・ビデオ・アーカイヴス」の店員として働いていた正真正銘の映画オタクであるクエンティン・タランティーノ。アメリカの作品のみならず、日本、香港、フランス、イタリアなど世界中の大ヒット作からB級作品まで、圧倒的な数の映画を見てきました。

ある日、ハリウッドのパーティーに出かけた彼は映画プロデューサーのローレンス・ベンダーと出会います。その時、映画に対してズバ抜けた熱量を持つタランティーノにベンダーは脚本を書くことを勧めました。この出会いがきっかけとなり、タランティーノは初監督作品となる「レザボア・ドッグス」の執筆に取り掛かることになったのです。

さらに監督デビュー作に続いて公開された「パルプ・フィクション」ではなんとアカデミー賞・脚本賞を受賞。ただの映画ファンだった1人の男性がハリウッド公認の超一流監督になるという、まるで本当に映画のようなサクセスストーリーが実現したのでした。

そんなタランティーノは現在まで8作の監督作品を製作しました。
現在は9作目となる新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を製作中。2019年8月9日にアメリカで公開される予定となっています。
また、10作目が完成した時点で映画監督を引退することもマスコミに公表しています。
引退する話が本当であるとすれば、我々が見られるタランティーノ作品は残り2作ということになってしまいます。

果たしてタランティーノは本当に映画監督を辞めてしまうのでしょうか。

ということで、今回は映画ファンが愛して止まないタランティーノ監督作品のすべてを可能な限りネタバレなしでご紹介していこうと思います。

・「レザボア・ドッグス」(1992)

タランティーノによる記念すべき初監督作品。
お互いに素性を隠した6人の男性陣が銀行強盗を行うクライム映画。

最低賃金で働くレストランのウエイトレスにチップを払うべきかどうかや、あのマドンナの大ヒット曲「ライク・ア・ヴァージン」の本当の意味など、本筋とは全く関係ない話が多々登場しており、その後のタランティーノ映画に繋がるエッセンス満載の作品となっています。

・「パルプ・フィクション」(1994)

1994年のアカデミー賞で脚本賞を受賞し、タランティーノの名前が世界中で知られることになった出世作です。
アメリカ・ロサンゼルスを舞台に時間軸が異なる7つのエピソードを紡ぎ合わせたクライム映画。

そもそもパルプ・フィクションとは1896年から1950年代にかけて、低質なパルプ紙を使用して出版されていた安価な大衆雑誌を意味します。
映画「パルプ・フィクション」で主演を演じたのがジョン・トラボルタです。1977年に公開された「サタデー・ナイト・フィーバー」のヒットで一躍スターになったものの、その後は低迷期が続いた彼をタランティーノが抜擢。危険な香りがする立ち振る舞いや、「サタデー・ナイト・フィーバー」を彷彿させるダンスを披露するなど、見る者を魅了するギャングを見事に演じ切った彼は、この作品で完全復活を遂げたのです。

そんなトラボルタの相棒で殺し屋のジュールスを演じたのがサミュエル・L・ジャクソン。

知的で饒舌で残忍という難しい役を完璧にこなしたサミュエルは大ブレイクを果たしました。その後「スター・ウォーズ」や「アベンジャーズ」など大ヒット作に欠かせない俳優になっていったのです。

・「ジャッキー・ブラウン」(1997)

1970年代前半に誕生した黒人向け映画であるブラックスプロイテーションをタランティーノ流で製作した作品。

メキシコの航空会社のCAは、荷物検査を受けないことを利用して、組織の麻薬の運び屋を行なっていたのです。ところが当局から不意を突かれたところを逮捕されてしまいます。刑務所に入るのを避けるため、彼女はある行動に出ます。

主演を演じるのは「コフィー」や「フォクシー・ブラウン」などブラックスプロイテーション全盛期に大活躍した女優パム・グリア。
前作「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタ同様、落ち目のスターを主役に起用して見事に返り咲かせるというタランティーノの手腕に脱帽です。

・「キル・ビル Vol.1 & Vol.2」(2003、2004)

殺し屋集団の裏切りによって、最愛の夫と子供を失った主人公ブライドは、ボスであるビルに復讐するために立ち上がるアクションエンターテイメント映画。
もともと1本の映画になる予定だったのですが、あまりのボリュームに泣く泣くVol.1とVol.2に分けての公開となりました。

・「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007)

グラインドハウスとは、アメリカでB級映画を2本立てで上映する映画館のことを言います。
もともとロバート・ロドリゲス監督作「プラネット・テラー」と実在しない4本の映画の予告編と一緒に映画「グラインドハウス」としてアメリカで公開されたものです。

映画「デス・プルーフ」でキーマンとなるのが、CG技術の発達により仕事を失ったベテランのスタントマンであるスタントマン・マイク。
顔に傷を持つイカツイ風貌の彼が運転するのはデス・プルーフ(耐死仕様)された黒塗りのアメ車。スタントで使用するために強化改造されたと思いきや、実はその車は別の用途で使われていたのです。果たして彼が運転する車の真の目的とは?
スタントマン・マイクのドライビング・テクニックにご注目ください。

また劇中には多数の美女が登場し、お色気シーンもふんだんに盛り込まれています。
タランティーノがセレクトした70年代ソウルやファンクが流れる中で展開される美女達のガールズトークもバッチリ楽しめます。

・「イングロリアス・バスターズ」(2009)

第二次世界大戦、ドイツに占領されたフランスが舞台の戦争映画。

ヒトラー率いるナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人。
彼らがナチスに復讐するという現実ではできなかった事を映画の中で実現するというのがテーマになっています。

・「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)

アメリカの奴隷制度を描いた西部劇である本作は、タランティーノの作品で最も興行的に大成功し、アカデミー賞・脚本賞と助演男優賞を受賞しました。

南北戦争直前、アメリカ南部で白人から差別を受けた黒人が復讐するというストーリーが展開されていきます。「イングロリアス・バスターズ」と「ジャンゴ」は歴史に基づいた復讐劇になっていることが共通点としてあります。

さらにこちらの作品が日本で誕生したということをご存知でしょうか。
実はタランティーノが休暇で日本を訪れていた際、冒頭シーンが閃いてそのまま一気に脚本を書き上げたのです。

・「ヘイトフル・エイト」(2015)

南北戦争後のアメリカ・コロラドが舞台の密室・西部劇。

真冬の雪に埋もれた山小屋にやって来た一癖も二癖もある人間達によって何かが起きてしまうのです。彼らの身分は自称であるため、本当の正体がわからないままストーリーがドンドン進んでいきます。
1度映画を見て各登場人物の本性を知ってから2度目を見ると、さらに物語が深く味わえる作品に仕上がっています。

・「パルプ・フィクション」(1994)予告編

・「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)予告編

・「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)予告編

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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