ロックンロール:創成期の名曲10曲を厳選

ロックンロールは1950年代に登場した音楽です。その当時の若者を中心に流行りました。ロックンロール=不良やワルなどの悪いイメージがありますが、ノリが良く踊れる音楽なのです。今回はロックンロール創成期に流行したロックンロールソングを集めました。ロックの起源を知りたい人やロックンロールの誕生時期に興味がある人はぜひ一読を。

ロックの名曲といえばどんな曲を思い浮かべますか?
ローリング・ストーンズの「satisfaction」?
AC/DCの「You Shook Me All Night Long」?
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Sprits」?

どれも世界中で流行った曲ですが、このようなロックの原型となった音楽にロックンロールがあります。それは1950年代に突然現れた音楽なのです。しかも登場直後は認知度も低く、人気にすらならなかったといいます。

ロックンロール最初の曲はBill Haley and His Comets(ビル・ヘイリー アンド ヒズ コメッツ)の「Rock Around the Clock」です。1954年にリリースされたこの曲が認知され人気になったのは、1955年の「暴力教室」という映画の主題歌になったことでした。

「ロックンロール=不良、ワル、あれくれ者」というイメージがあるのは、「暴力教室」のイメージが先行しているのかもしれません。今回はロックの原型になったロックンロールの名曲を紹介します。ロックンロール創成期の曲なので、最近の音楽よりもロール感がすごいですよ!

Bill Haley and His Comets「Rock Around the Clock」

ロックンロールが世界に認知され、ロックンロールとしての音楽を確立した最初の曲です。ロックンロールに詳しくなくても知っているかもしれません。「どっかで聴いたことあるな」と思うくらい有名な曲ですよ。

歌っている人(ビル・ヘイリー)を見ればわかりますが、ロックンロールを最初に広めた人はおじさんでした。ロックンロールは若者の音楽として認知させたのは間違いなく「暴力教室」という映画です。

しかもノリやすい音楽で、ダンスミュージックとしても使われるようになりました。若者のダンスパーティーではロックンロールが当たり前のようにかけられるようになります。当時のミュージシャンがロックンロールを取り入れたのは、ノリやすく若者に受け入れられる音楽だったからでしょう。

「Rock Around the Clock」はロックンロールを代表する最も有名な曲でしょう。EDMを聴いているあなたもきっとノリノリになってしまう曲ですよ。

Elvis Presley「Hound Dog」

ロックンロールをさらに広めた人物といえばエルヴィス・プレスリーでしょう。ビル・ヘイリーはアメリカに広めた人で、エルヴィス・プレスリーは世界に広めた人です。

実はビル・ヘイリーはおじさんでした。しかも子供もいるお父さんでもありました。そんな人がロックンロールに不良やワルのイメージを付けてしまったのです。これにはビル・ヘイリー自身複雑な思いもあったようです。

そこで登場したのがアイドル性とカリスマ性を持ったエルヴィス・プレスリーでした。名曲を数々生んできたエルヴィス・プレスリーの中でも代表的なロックンロールソングの1つに「Hound Dog」があります。「Hound Dog」はロックンロールで重要なロール感を非常に感じます。

またロックンロールだけでなく、「Can’t Help Falling In Love」などのバラードのヒット曲も多く、歌唱力の高さも伺えます。とにかくかっこいい!

Chuck Berry「Johnny B. Goode」

「ロックンロールで有名な曲は何ですか?」と聞かれたら「Johnny B. Goode」と答える人は多いでしょう。ロックンロールの印象的なリフをチャック・ベリーは多用しました。「ロックンロールといえばこのギター音だ!」というのはチャック・ベリーの影響が大きいです。

またロック界最初のギターヒーローとも呼ばれ、ギターのプレイスタイルに影響を受けたミュージシャンも多いです。ギターを弾くだけでなく、「ダックウォーク」と呼ばれるアヒルのような歩き方も、パフォーマンスとしてギターの可能性を広げました。

「Johnny B. Goode」は映画バック・トゥー・ザ・フューチャーにも使われていて、当時の人気を伺えます。

Buddy Holy「Peggy Sue」

スーツとメガネが印象的なバディ・ホリーは、ロックンロールの中でも比較的ポップな音楽を演奏したミュージシャンです。白人色の強いロックンロールに黒人の音楽を盛り込んでいて、とても聴きやすいですよ。

バディ・ホリーはのちのミュージシャンに大きな影響を与えました。まずバンドがギター、ベース、ドラムで構成されている礎を築き上げたのはバディ・ホリーだと言われています。

またバディ・ホリーはクリケッツというバンドで活動しました。クリケッツには「コオロギ・クリケット(スポーツ)」の2つの意味から名付けられています。これを真似したのがビートルズです。ビートルズには「カブトムシ・ビート(音楽のビート)」の2つの意味がありますが、クリケッツの影響を受けています。

またビートルズは3コードで曲が進行することやシンプルなバンド形態など、クリケッツの真似から始まったといいます。バディ・ホリーの活動期間は2年と短いですが、その後のバンドにも大きな影響を与えました。

バディ・ホリーの最大のヒットとなった「Peggy Sue」を聴けば、ポップ感を非常に感じます。とても聴きやすいのでぜひ聴いてみてください。

Little Richard「Tutti Frutti」

ロックンロールといえばギターをズチャズチャとかき鳴らすイメージがありますよね。そんなイメージを変えてくれたのが、リトル・リチャードでした。ピアノを弾きながらパワフルに歌い上げるのがとにかくかっこいいのです。

リトル・リチャードの魅力は歌声や激しいピアノ演奏だけではありません。奇抜な衣装とパフォーマンスも人気を博し、ちょっとお笑いキャラなのが面白いです。

黒人ながら白人にも人気が高かったようですが、人気絶頂の時に引退し牧師の道を歩み始めます。しかしその5年後にはカムバックしました。その奇抜な行動にもロックンロールを感じますね。

Eddie Cochran「Summertime Blues」

エディ・コクランは知名度こそ低いかもしれませんが、ロカビリーなどの白人音楽を中心に演奏したミュージシャンです。「Summertime Blues」はその後のミュージシャンもカバーするような有名曲で、エディ・コクランで最もヒットした曲です。

エディ・コクランはプロギタリストとして活動していたこともありギターの腕は一流。甘いマスクでイケメンなためアイドル的な立ち位置だったでしょう。ギタリストとして食べていくために高校を中退するようなロックな一面もありますよ。

そんなエディ・コクランですが、残念ながら21歳で交通事故で亡くなってしまいます。数少ない名曲が多くのミュージシャンにカバーされ、イギリスでは特に人気を博したと言います。「Summertime Blues」はブルースと書いてありますが、完全にロックンロールですよ。

Carl Perkins「Blue Suede Shoes」

ロカビリー界の王と称されるカール・パーキンスは、ロカビリーを生み出したことで広く知られています。白人の音楽であったカントリーなどの音楽に、黒人音楽であるブルースが融合したのがロカビリーです。

幼い頃より、白人ながらゴスペルやブルースなどの黒人音楽を聴いて音楽を学んだといいます。これにより黒人のチャートであるR&Bチャートに白人として初めてチャート入りしました。

「Blue Suede Shoes」はライバルであったエルヴィス・プレスリーにもカバーされ、その後のミュージシャンにも大きな影響を与えています。軽快なリズムとゴスペルでつちかわれたパワフルな歌声に魅了されます。

Bo Diddley「Bo Diddley」

今まで紹介してきたロックンローラーとは少し違った印象なのがボ・ディトリーです。白人感が強いロックンロールより、ブルースのような黒人のロックンロールという印象を受けます。

ボ・ディトリーの特徴は「ボ・ディトリー・ビート」と呼ばれる強烈なグルーブ感があるビートです。ロックンロール感は残しつつ、黒人ならではのノリを感じます。その後のミュージシャンには大きな影響を与えました。

代表曲である「Bo Diddley」にも強烈なボ・ディトリー・ビートを感じます。またマラカスなどの楽器を使用していることがビートに新しさを与えています。ロックンロールに新たな可能性を与えた曲でもありますよ。

Jerry Lee Lewis「Great Balls of Fire」

ジェリー・リー・ルイスはロックンロール初のワイルドの異名を持つミュージシャンで、そのワイルドさはピアノの演奏法にも現れています。力強くアクロバティックに演奏する「バンピン」と呼ばれるピアノ奏法には、男のワイルドさを感じますよ。

ロックンロールを力強く歌うので、代表曲「Great Balls of Fire」でも力強さがあります。そして意外なことにロックンロールとは対照的にバラードにも定評があります。ワイルドな男が歌うバラードには哀愁と男の魅力が詰まっています。バラード調の曲「Would You Take Another Chance on Me」も一緒に聴いてみてください。

Fats Domino「Ain’t That a Shame」

ファッツ・ドミノはロックンロール創成期に活躍したミュージシャンでありながら、ジャズやR&Bなどの要素を取り込んだミュージシャンです。50年代後半はロックンロールが音楽界で流行っていた時代だったので、みんなロックンロールをやりたがります。その方がビジネス的に考えても正解です。

しかしみんな同じことを始めるとみんな同じ感じになってしまいますよね。その中でもファッツ・ドミノは新しさを感じるロックンロールです。

聴いてみるとロックンロールという感じはしないかもしれませんが、コード進行はロックンロールの影響を受けています。ファッツ・ドミノの音楽性は唯一無二です。聴いていて楽しい音楽ですよ。

ロックンロールは踊れる音楽

ロックンロールの代表曲を紹介しましたが、好きな曲はあったでしょうか。どの曲も個性があって面白いですよね。ロックンロールは当時ダンスミュージックとしての役割もありました。ノリの良い音楽なのは当たり前で、踊れないロックンロールなんてロックンロールとは言わないかもしれません。

ぜひ気になったミュージシャンから聴いてみてくださいね。ちなみに私はファッツ・ドミノやボ・ディトリーなどのノリの良さと新しさを感じるロックンロールが好きです!

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧