
ヌテラ:オーストラリアで大人気のチョコレートクリーム
ヌテラとは、ヘーゼルナッツペーストをベースに作られたチョコレート風味のスプレッド。
原産国はイタリアだが、オーストラリア国内でも生産されており、オージーたちの定番スプレッドとなっている。
ヌテラとは?どうやって食べるのがおすすめ?

ヌテラとは冒頭でご紹介したとおり、ヘーゼルナッツの香りが特徴的なチョコレート風味のスプレッド。
オーストラリアのスーパーではヌテラを見かけないことはない。家庭に必ず1つは常備されているというほど人気の高いスプレッドだ。
オーストラリアで生産されていることから、てっきり「オーストラリア名物」だと思い込んでいた人もいるかもしれないが、本場はイタリア。
チョコレート製品を数多く発売しているイタリアの「フェレロ社」が考案した製品で、ヨーロッパ圏はもちろん、アメリカでも非常に人気が高い。

甘いもの好きのオージーたちには、このヌテラを「トーストしたパンに塗って食べる」という朝食スタイルが定着しているが、アイスクリームにかけたり、ホットチョコレートとして飲み物にアレンジしたりするのもおすすめ。
その独特の甘みや舌溶けのよさから多くの人に愛されており、毎年世界160カ国で365,000トンも消費されていると言うから驚く他ない。
これがオージー流!驚くほど簡単なヌテラの食べ方とは
オーストラリア滞在中に驚いたのが、ヌテラの簡単すぎる食べ方について。
オージーの子どもたちはもちろん、大人や老人までもがヌテラの容器ごと手に持ち、クラッカーやフランスパンに直接塗りたくって食べている…。

人によっては容器に指ごと突っ込み、ヌテラをそのまま舐めているオージーの姿まで。
オージーたちの明るい性格や細かいことを気にしないおおらかさに加えて、面倒なことは極力したくないという国民性からだろうか。
ありのままで味わっている人が非常に多いことに感銘を受けたものである。

オーストラリアといえばバーベキューが人気だが、野外でバーベキューをしているオージーたちの手元にはヌテラの容器がそっと置かれていることも珍しくはない。
バーベキューのお口直しとして、ヌテラを塗ったクッキーやパンなどをつまんでいるのだ。
このように、ヌテラの活用方法は朝食時だけではなく「おやつとして」「お口直しとして」「ひと休みしたい時に」など、幅広いのだ。
イタリアのヌテラとオーストラリアのヌテラの違い
ヌテラの本場はイタリアだが、なぜオーストラリア国内でも生産されているのだろうか?
その秘密は、イタリア版ヌテラとオーストラリア版ヌテラの味の違いにあった。

イタリア版は全てガラスの容器に入っており、サイズも大から小まで様々なものが売られている。
また、色は濃いチョコレート色をしており、ヘーゼルナッツの深い味わいとコクが感じられる。

一方、オーストラリア版はプラスティック容器に入れられており、サイズ展開はイタリア版のものよりも少なめ。
また、スプレッドの色がやや薄めで、チョコレートの甘さを主役にヘーゼルナッツの風味がほのかに感じられる味わい。
- イタリア版ヌテラ ヘーゼルナッツの深いコクとややビターな味わい
- オーストラリア版ヌテラ ガツンと甘味のある味わい、スイーツ感覚
オーストラリアでヌテラが生産されている理由のひとつとして考えられるのは、オージーたちの「とにかく甘いものが大好き!」という国民性が絡んでいるように思えて仕方がない。
オーストラリア産のヌテラはアジア圏への輸出も盛ん

甘いものが大好きなオージーたちにとっては、イタリア版のややビターな味わいのヌテラよりも自国で生産した甘いヌテラの方が食べやすいそうだ。
というのも、オーストラリアで生産されているヌテラは食パンに塗って食べる以外にも「アイスクリームにかけて食べる」「ドリンクとして飲む」「フルーツに添える」などといったアレンジが加えられる場合も多く、ヘーゼルナッツの深いコクよりも甘味を強調した方が何かと合わせやすいからだ。
そんな「甘々ヌテラ」は、本場イタリアから離れた国々でも広く支持されているスプレッドのうちのひとつでもある。
アジア圏ではオーストラリア版のヌテラを置いているスーパーもたくさんあり、海を飛び越えて様々な国に輸出されているのだ。
上記でもお伝えしたように、イタリア版ヌテラとオーストラリア版ヌテラではその味わいに大きな違いがある。
ヌテラをより深く楽しみたいのであれば、ガラス瓶に入った「イタリア版ヌテラ」とプラスティック容器に入った「オーストラリア版ヌテラ」の両方を揃えて味比べをしてみるのも面白いだろう。
ヌテラをより美味しく!おすすめのアレンジメニュー
ここでは、甘いチョコレート風味が特徴的なオーストラリア版ヌテラを使用したおすすめメニューをいくつかご紹介しよう。
・ストロベリーヌテラホットサンド

【材料】
パン2枚
バター
ヌテラ
ストロベリー
- 片方のパンにバターを塗り、ヌテラとスライスしたストロベリーを乗せてもうひとつのパンで挟む
- ホットサンドメーカーでこんがり焼き色が付くまで加熱する
ストロベリーとヌテラは相性抜群!
パンに挟んでホットサンドメーカーで加熱するだけで、簡単にパニーニ風のスイーツが出来上がり。
・チョコレートバナナボウル

【材料】
バナナ
ヌテラ
ヨーグルト
シリアル(オートミールでもOK)
- ボウルの中にシリアルとヨーグルトを入れる
- その上にスライスバナナを乗せてヌテラをかける
アサイーボウルならぬ「バナナボウル」!
シリアルをオートミールなどに変えれば、ヌテラを使用していてもヘルシーな朝食に早変わり。
・チョコレートミルクラテ

【材料】
牛乳
ヌテラ
シナモン
- 小鍋に牛乳を入れて沸騰直前まで加熱する
- 火を一旦止め、お好みの分量のヌテラを入れてよく混ぜる
- ミルクフォーマーで泡だて、カップに注ぐ
- お好みでシナモンパウダーをかける
寒い季節に飲みたくなるホットチョコレートは、ミルクフォーマーで泡立ててラテ風にするのがおすすめ。
ヌテラは甘いもの好きに最適!

オーストラリア産のヌテラはその甘い味わいの中に残るヘーゼルナッツの香りが特徴的で、万人ウケしやすいチョコレート風味のスプレッド。
子どもから大人、老人まで様々な年代に愛されているヌテラは、今後も変わらずにオーストラリアの顔として君臨していくことだろう。
ヌテラの楽しみ方は人それぞれだ。
トーストしたパンに塗って食べるもよし、クッキーなどに付ければ気軽にヌテラを楽しむことができる。
また、フルーツに添えたり飲み物に混ぜたり・アイスにかける・チョコレートケーキを作るなんて場合にも大活躍間違いなしだろう。

これだけマルチに利用でき、知名度が高いチョコレート風味のスプレッドは、オーストラリア国内を探してもそう簡単には見付からないと言っても過言ではない。
オーストラリア国内でももちろん気軽に購入することができるが、オーストラリア版ヌテラはアジア圏を筆頭に様々な国で販売されている。
プラスティック容器に入った可愛らしいヌテラを見付けたら、ぜひオーストラリア特有の甘いフレーバーを味わってみてほしいものだ。
きっと「容器の中に指を突っ込んで」食べたくなってしまうはずだろう。
※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。