フランス・ニース:地中海を飾るリヴィエラの女王

温暖な気候を形成し、保養地としても名高い地中海沿岸。そのなかでもひときわ輝く場所がフランスのコート・ダジュールに位置する「ニース」です。紺碧と青が混ざりあう美しい海と鮮やかな彩りを着飾った旧市街が印象に残る、フランスを代表するリゾート地。温暖な気候、多様な歴史、そして鮮やかな街並みと芸術が満ちた街です。世界でも屈指のリゾート地であるニースの魅力をお伝えしていきます。

フランスを彩る綺羅星「ニース」

西ヨーロッパの国フランス。そんなフランス南東部に位置する街が「ニース(Nice)」です。地中海気候に恵まれたニースは年間を通して温暖な気候が続き、世界でも屈指のリゾート地としてその名を世界に知らしめています。美しい海岸地域「コート・ダジュール(Côte d’Azur)」のなかにあり、ニースの知名度は抜きん出ているものといえるでしょう。

ニースは、紀元前5世紀頃ギリシャ人によって建造されました。古代ではその街の名前を「ニカイア」といい、交易都市として有名であったといいます。その後長い歴史を育むなかで、さまざまな国に属してきました。スペインやイタリアに属していたこともあるため、ニースの街並みには当時の名残を色濃く残した部分もあるのです。

現在のニースはフランス圏ではありますが、同じく地中海に面するイタリアに属していた期間が長かったため、イタリア寄りの文化や街並みが特に残されています。歴史的背景に彩られたニースの地。街並みには確かにその面影を感じることができるでしょう。世界でも指折りのリゾート地には多様な歴史文化が形成されているのです。

「リヴィエラの女王」

ニースの別名である「リヴィエラの女王」。リヴィエラとは、イタリアの北西部から地中海に面して広がる海岸エリアを指します。広義には隣国であるフランスにも及び、フランスのコート・ダジュールもその範囲に含まれます。

ニースは広大なリヴィエラ地域でも「女王」の名を冠する場所。魅力的な場所が点在する綺羅星のようなリヴィエラ地域のなかにありながら、その美しさは素晴らしいものです。
ニースの持つ紺碧の海と白い海岸、穏やかな雰囲気が漂う街並みはヨーロッパでも、そして世界でも折紙付きの名所といえるでしょう。

鮮やかに残った歴史の名残「ニースの旧市街」

美しい海岸が象徴するエレガントな雰囲気。そんな雰囲気を存分に体感できる場所が「ニースの旧市街(Vieux Nice)」です。この場所は、歴史的に属していた期間が長かったイタリアの雰囲気が漂う、鮮やかな街並みが特徴。赤や黄色、オレンジにピンクなどさまざまな色使いのバリエーションは心も同様に豊かになるようです。
迷路のように入り組んだ細い路地道を行き交えば、心は自然とワクワクしてくることでしょう。

ニースの旧市街では「朝市(marché)」も行われており、連日たくさんの人で賑わいを見せています。食べ物以外に、骨董品や生花を販売しているところもあり、朝市からニースの魅力を知ることもできるでしょう。

「マセナ広場(Place Massena)」は、好奇心や冒険心がそそられるニース旧市街の中心地。12ヘクタールの敷地はいつもたくさんの人で賑わいを見せています。広場に沿うように美しいアーチを描いた建物。中心に位置する噴水。夜には電灯が煌々と輝き、ニースの街並みを鮮やかに、幻想的に照らし出します。また、彫像も見所のひとつです。

「プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)」は、「イギリス人の遊歩道」を意味するニース最大の遊歩道。長さは3.5km、マセナ広場からすぐ近く海岸沿いに伸びています。サイクリングロードも併設されており、澄み渡る青空の下ニースの風を感じることも可能。滞在中の散策にぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ニースの街並みにはさまざまな歴史の名残がとどまっており、それらの名残は今なお鮮やかに、そして煌びやかにニース独特の雰囲気を形成しています。リヴィエラの女王、そしてコート・ダジュール屈指の美しさを誇る街並み。鮮明な街並みの印象とともに、ニースで過ごした時間は、あなたの心に深く刻み込まれることでしょう。

ニースの全景を思い出に残すなら「城跡公園」から

無限に広がる地中海の底の知れない美しさ。オレンジの屋根に青や赤、黄色の鮮やかなドレスを着飾ったニースの街並み。それらの全景を捉えた1枚の「写真」を思い出として残しておきたい。そう考える人は多いでしょう。ニースの魅力を詰め込んだ絵画のような写真を取るのであれば「城跡公園(Parc de la Colline du Château)」がベストです。

城跡公園は大きな石灰岩の上に残った城の跡地。過去11世紀〜18世紀にかけてニースが誇る強力な防衛拠点として活躍していました。現在はニースに広がる大絶景を望むことができる、屈指の展望スポットとなっています。雄大に広がる地中海、弧を描いたような海岸線、印象的なニースの街並みも全てその手で掴み取れそうなほどです。

地中海を彩る綺羅星。ニースの絶景を思い出に、そして写真に残すにはこれ以上ない場所。城跡公園へはエレベーター、もしくは階段を使って行くことができます。滞在中の思い出を形にするためにぜひ絶好のフォトスポット「城跡公園」を訪れてみてください。

ニースで知る、フランス芸術の奥深さ

フランスといえば芸術の国。そしてここ「ニース」にももちろん、さまざまな芸術鑑賞をする場所が用意されています。そのなかでも有名な場所が「シャガール美術館(Marc Chagall musée)」と「マティス美術館(Henri Matisse musée)」です。

「シャガール美術館」は20世紀を代表する画家「マルク・シャガール(Marc Chagall)」の作品を展示している美術館。その建造にはシャガール本人も携わったといいます。主に選んでいたとされるテーマのひとつが「旧約聖書」。「人類の想像」や「楽園追放」など、さまざまなシチュエーションの鮮やかな絵画や彫刻が展示されています。

特に圧巻は「天地創造」をテーマにしたステンドグラス。3枚に連なる壮大な作品で、シャガールの作品に見られる美しく深い「青」が印象的な大作です。陽光が差し込む日にはとてもロマンチックで、幻想的な雰囲気を醸し出します。200以上にもなる絵画と同様に「天地創造」のステンドグラスにも注目してみてください。

「マティス美術館」は、自然を愛した色彩の魔術師「アンリ・マティス(Henri Matisse)」が晩年を過ごしたとされる場所に建造された美術館。1963年に公開されました。ニース北部、シミエの丘に位置しており、周囲には緑が香るオリーブ畑が広がっています。自然を愛した画家、マティスが晩年を過ごしたという事実にも納得です。

マティス美術館の外観は赤の外壁とだまし絵の窓が印象的な、艶(あで)やかな建物です。美術館内部に展示された油彩画に彫刻、オブジェの種類は豊富です。色彩の魔術師とも呼ばれる世紀の画家が巡ってきた変遷を、作品を通して知ることができるでしょう。また、ニース近郊ヴァイス村にある「ロザリオ礼拝堂」の下絵も展示されています。

ニースで触れる20世紀を代表する著名な画家の作品。そのなかにはこれまでに見たことがないような、あなたの持つ感性を刺激する作品が隠されているかもしれません。直に目にする絵画や彫刻、オブジェの数々は、美しいニースの思い出にさらなる彩りを加えてくれることでしょう。2つの美術館で芸術鑑賞に浸るひと時をお過ごしください。

晩年のマティスが手がけた「ロザリオ礼拝堂」

「ロザリオ礼拝堂(Chapelle du Rosaire)」は、晩年のマティスが4年もの歳月を要して作り上げた礼拝堂。山間に広がる中世の街並み、ヴァンス村近郊に建造された礼拝堂は、マティスが誇る最高傑作のひとつ。マティス美術館にもこの礼拝堂の下絵が展示されています。白と青が印象的な外観に、周囲には自然と穏やかな雰囲気が流れています。

内部に入ると、そこには白を基調とした鮮やかなステンドグラスが飾られた空間が。青や黄、そして緑を主軸にした幻想的なステンドグラスです。たたえるその幻想的な色と、こぼれ落ちるような陽光にはしばし時間を忘れて魅了されてしまうでしょう。ニースの中心からはバスで向かうことが可能です。マティス芸術の集大成、ぜひお見逃しないように。

地中海に愛される街、ニースへ

圧倒的に美しい地中海。そんな地中海の沿岸地域「リヴィエラの女王」といわれるニースの魅力は伝わりましたか?紺碧の水色に、歴史の名残、世界的に有名な芸術家の作品鑑賞など、ニースで満喫できるものの数々。ぜひあなた自身の目と足でニースの魅力を堪能しに街を訪れてみてください。

ニースへのアクセスは「コート・ダジュール空港(Aéroport Côte d’Azur)」から。コート・ダジュール空港は、フランスでも3番目に利用者が多い空港です。空港内でも滞在を楽しむことができるでしょう。地中海に愛される街、ニースの魅力は底知れません。海沿いを散策するだけでも、その愛される魅力を感じることができるでしょう。訪れた際は、絶景写真を忘れずに。記憶に残る宝石のような時間をぜひニースでお過ごしください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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