ペルー・マチュピチュ:残されたインカ帝国の遺産

ペルーに存在する世界遺産「マチュ・ピチュ」をご存知でしょうか?古くは15世紀に建造された大遺跡です。標高2,430mに位置するインカ帝国の遺産は、一生に一度は見ておきたい場所としても有名。空中にそびえる美しい石造りの遺跡であり、世界中のたくさんの人を魅了し続けている世界遺産マチュ・ピチュ。その神秘的な魅力を紐解いていきましょう。

インカ帝国の遺産「マチュ・ピチュ」

「マチュ・ピチュ(Machu Picchu)」は、ペルーのアンデス山麓(さんろく)にそびえる古代の遺跡。ウルバンバ谷沿い、標高2,430mの尾根に位置する遺跡で、「空中都市」とも呼ばれています。1983年にはユネスコ世界遺産に登録されました。数ある世界遺産の中でもその知名度の高さは抜きん出ており、一生に一度は見ておきたい場所のひとつとしてたびたび注目を集めています。

マチュ・ピチュが建造されたのは、15世紀頃のこと。現在はペルーの主要都市のひとつである「クスコ(Cusco)」を首都とする、インカ帝国によって作られました。インカ帝国はマチュ・ピチュの建造後1533年頃に衰退。文字を持たなかったといわれているインカ帝国の遺跡「マチュ・ピチュ」の真の役割や意味などは未だに解明されていません。

マチュ・ピチュとは、インカ帝国の公用語であったケチュア語で「老いた峰」を意味します。また、マチュピチュは山の麓からでは見ることができないため「空中都市」や「インカの失われた帝国」といった名前で呼ばれることもあります。標高2,000m以上の高所に位置するインカの遺跡は、発見するのも困難な場所に作られていたのです。建造するには底知れぬ時間と労力を要したことでしょう。

空中都市「マチュ・ピチュ」の発見

そんなマチュ・ピチュが発見されたのは、1911年7月24日のこと。アメリカの探検家「ハイラム・ビンガム3世(Hiram Bingham III)」によって発見されました。ハイラム・ビンガム3世は、映画「インディ・ジョーンズ」の主人公である「インディアナ・ジョーンズ(Henry Walton “Indiana” Jones, Jr.)」のモデルともいわれている探検家です。

かつての文明の名残を色濃く残した遺跡の発見。当時の驚きは相当なものであったでしょう。
遺跡発見後、地元の人々にその名前を聞いたところ「マチュ・ピチュ」と答えられたため、遺跡の名前はマチュ・ピチュになったといわれています。神秘的な雰囲気の古代帝国の遺跡群。マチュ・ピチュに秘められたストーリーは豊富に残されているのです。

マチュピチュ内部の神聖な場所「太陽の神殿」

標高2,000m以上の高所に位置するマチュ・ピチュ。未だに解明されていない謎も多い遺跡です。そのなかでもひときわ神秘的な場所が「太陽の神殿(Temple of The Sun)」。インカ帝国の人々は太陽を神と崇め、王は太陽神の子孫として崇められていました。マチュ・ピチュを作り上げた人々の太陽に対する信仰心を建物の名残に見ることができるでしょう。

この太陽の神殿は、曲線を描くように石が積み上げられています。現代では目新しいものではありませんが、当時の建築としては極めて高度な技術が用いられています。随所に見ることができる手の込んだ作りは、太陽の神殿への強い想いの現れ。神殿南の窓からは、夏至の陽の光が、東の窓からは冬至の陽の光が入るように設計されており、太陽に対する深い知識と信仰心の厚さを感じとることができるでしょう。

マチュ・ピチュで重要な役割を持っていたとされる「太陽の神殿」。古くインカ帝国が栄えた時代には、さまざまな儀式や集会が神殿内で行われたのでしょうか?インカ帝国の歴史を物語るその重厚な佇まいは、マチュ・ピチュ遺跡群のなかでも必見の場所といえるでしょう。

神と崇める、太陽を繋ぎ止める場所

マチュ・ピチュには太陽の神殿をはじめとして、神と崇めていた「太陽」の名を冠した場所がいくつもあります。「インティ・ワタナ(Inti Watana)」は太陽を繋ぎ止める場所。インティは「太陽」、ワタナは「繋ぐ」を意味しています。マチュ・ピチュ遺跡で最も高いところにある花崗岩(かこうがん)の彫刻で、高さは約1.8mです。

のインティ・ワタナの役割も、未だ明確には解明されていません。時計の役目を果たしていたのか、もしくはインカ帝国の暦(こよみ)を表現していたのか、真偽は未だ雲のなかです。しかし、インティ・ワタナがマチュ・ピチュ遺跡なかでも神秘的で、ひときわエネルギーが集う場所であることは間違いありません。

マチュ・ピチュの神秘が宿る遺跡内部でも、インティ・ワタナはパワースポットとして知られています。たくさんの人たちが上に手をかざし、そのエネルギーにあやかろうとしている姿を目にすることができるでしょう。実際にマチュ・ピチュを訪れたときにはあなたもエネルギーの一部を受け取るように、インティ・ワタナに手をかざしてみてください。

高所に位置するインティ・ワタナからの景色はまさしく絶景です。360°C広がる圧倒的な大自然と、マチュ・ピチュに満ちた神秘のエナジー。インカの人々が「神」と崇めた太陽のありがたみを感じられる、唯一無二の場所ともいえるでしょう。

ダイナミックな風景を「見張り小屋」から

ペルー世界遺産の代名詞である「マチュ・ピチュ」。その美しい風景の一部を切り取ったダイナミックな写真を撮るなら「見張り小屋」がベストです。この見張り小屋が位置するのは、マチュ・ピチュのなかでも最南端。その名前の通り、インカ帝国時代には周囲を「見張る」ための場所だったのでしょう。

見張り小屋が位置しているのはいくつもの階段を登った先。少しの辛抱は必要ですが、長い階段を登りきった先には目もくらむような絶景が広がっていることでしょう。見張り小屋からは周囲の山々に囲まれたマチュ・ピチュの全貌を臨むことができるのです。

また、見張り小屋の後ろには「儀式の石」と呼ばれる花崗岩の舞台があります。儀式の石にある3段の階段はインカの世界観を反映し、「地上」「地下」そして「天井」を表現しているといわれています。さまざまな儀式がこの舞台での上では行われたそう。つい見過ごしてしまいそうな場所にありますが、忘れずにチェックするようにしてみてくださいね。

マチュピチュの全貌は「イナピチュ」から

マチュ・ピチュの奥に位置する「ワイナ・ピチュ(Huaina Pichu)」。ワイナ・ピチュは「若い峰」を意味する言葉。その名前の通り、天を衝くようにそびえる山では、たくさんの緑を目にすることができるでしょう。ワイナ・ピチュの標高は2,720m。マチュ・ピチュ遺跡の奥にある登山道から登ることが可能です。

ワイナ・ピチュ登山は一日400人限定。チケット制なので、事前に購入しておくと安心です。所要時間はおおよそ1時間〜2時間。急勾配や切り立つ崖の上など、いくつもの険しい道の先には、マチュ・ピチュを含んだ周囲の大絶景が広がります。その素晴らしい景色はワイナ・ピチュを登った人だけのご褒美ともいえるでしょう。

ワイナ・ピチュのなかには「月の神殿」があります。これはマチュ・ピチュに存在する「太陽の神殿」に対比した存在として建造されたもの。インカ帝国で月は太陽同様に大切な存在として崇められており、このような建造物は珍しくないといいます。月の神殿を見るためにはさらなる登山が必要にはなりますが、もうひと頑張りしてぜひご覧になってみてください。

観光の拠点「マチュ・ピチュ村」

マチュ・ピチュ遺跡のある「マチュ・ピチュ山」の麓には村があります。その名は「マチュ・ピチュ村」。人口は3,000人ほどで、マチュ・ピチュ観光の拠点となる場所です。村自体は大きくないため、約1時間〜2時間ほどで見て回ることが可能。ペルーのお土産を買うこともできます。

マチュ・ピチュ村の以前の名前は「アグアス・カリエンテス(Aguascalientes)」。スペイン語で「熱い水」を意味します。その名前の通り、村には「温泉(Hot Springs)」があり、遠方から訪れた人々の疲れを癒しています。温度はぬるめなのでほっと一息、心も身体も休めるには最適です。訪れた記念にぜひとも浸かってみてください。

滞在中にはのんびりとマーケットを眺めて回ったり、レストランで地元の料理に舌鼓を打ったりするのも素敵な時間の過ごし方です。ガヤガヤと賑わう日中も、静寂の流れる朝方も、不思議と流れる穏やかな雰囲気。この雰囲気は古くから観光に訪れる人々を受け入れてきたマチュ・ピチュ村だからこそのものといえるでしょう。

圧倒的な世界遺産、マチュピチュ

古くはインカ帝国の残した世界遺産「マチュ・ピチュ」。2007年には「新・世界七不思議(New Seven Wonders of the World)」にも認定されており、世界でも屈指の観光スポットとなっています。遺跡に流れる神秘的な時間は、他では到底感じることのできないものでしょう。歴史を感じる佇まいが、圧倒的にミステリアスな遺跡です。

マチュ・ピチュへのアクセスは、ペルーの首都「リマ(Lima)」にある「ホルヘチャベス国際空港(Aeropuerto Internacional Jorge Chávez)」から、まずはクスコへ飛行機で。クスコからマチュピチュ村までは鉄道で約3時間の旅です。時間はかかりますが、それでも大人気の世界遺産「マチュ・ピチュ」。人生で最も神秘的な時間をマチュ・ピチュで過ごしてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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