SUBWAY:アメリカ最大級のファーストフードチェーン「サブウェイ」の危機

サブウェイは、アメリカに本社を置くファーストフードチェーン。長楕円形のパンに肉や野菜を挟むサンドウィッチが主力商品です。パンや主菜の種類・野菜の量などを客が自由にカスタマイズできる点が話題となり、全世界で約42,000店舗を構える世界最大の外食チェーンに成長したが、現在は店舗数の減少が激しく、大きな改革を迫られています。

脂質・糖質が高く健康に悪いというイメージが付きがちのファーストフード業界において、健康・ナチュラル・低カロリーを前面に出し、異色の存在感を持っているサンドウィッチの雄、サブウェイ。今や100を超える国に出店され、世界中で愛されるこの店は、今大きな岐路に立たされています。

本記事ではサブウェイの歴史と楽しみ方、そして今サブウェイが抱える問題とこれからなど、サブウェイの全てをご紹介します。

サブウェイの創業から現在

サブウェイの歴史は、1965年に遡ります。
フレッド・デルーカという一人の少年により創業されました。彼は1947年、ニューヨークのブルックリン生まれ。経済的に恵まれているとは言えない環境であったため、幼少期から自分の金は自分で稼ぐ術を身に付けていきます。空き缶回収をして作ったお金で本を買い、読み終わったら友人に売り、また新しい本を買う。そんなマネーフローを作り出す非凡な商才を僅か5歳で発揮したのは驚きと言わざるを得ません。

17歳の時、大学への進学について友人のピーター・バックに相談したところ、ピーターは突然「サンドウィッチの店を開こう」と提案。幼少期からの友人であるピーターは、フレッドの才能と行動力に可能性を感じていたのです。そして2か月後、記念すべき第1号店「ピーツ・サブマリン」を開店。古くからアメリカで愛されるサブマリンサンドをその場で客の好みを聞いて作るスタイルは、ブリッジポートの市民に受け入れられていきました。

その後サブマリンサンドの「SUB」と、”あなた好みに作る”の「YOUR WAY」を組み合わせた言葉、サブウェイ(SUBWAY)に店名を変更。1号店の開店から10年目には初のフランチャイズ店をオープンさせ、32店舗に展開しました。フランチャイズ化はアメリカだけに留まらず世界規模に拡大し、1987年に1,000店舗、1995年には10,000店舗を達成する超巨大企業へと成長していったのです。

2018年12月時点、111か国で42,768店舗が展開されています。

魅力あるサブウェイのメニュー

サブウェイには豊富なメニューが用意されていますが、さらに好みに合わせてカスタマイズできるのが魅力。その注文の方法を紹介します。

1.パンのサイズを選択

「6-inch」「Footlong(12inch)」の2種類のサイズから選択。
6-inchでも少食な人には十分なサイズです。

2.サンドウィッチを選択

17種類のサンドウィッチから選択。
ハムやローストビーフのような重量感のあるものからツナやチキンなどヘルシーなものまでバリエーションが豊富で、選び応え十分のラインナップです。

3.パンの種類を選択

7種類のパンから選択。
店舗によって、さらに数種類のパンを選べる場合もあります。

4.チーズの種類を選択

あっさりした食感のAmerican、濃厚な味のMonterey Cheddarの2種類のチーズから選択。

5.トーストの有無を選択

ここまでに出来上がったサンドウィッチを温める方法を選択。
オーブンで焼くか、電子レンジで温めるかの2つを選択できますが、温めないというチョイスも可能。
肉を温めたい、チーズをとろけさせたい等、選んだサンドウィッチの種類に応じて選択するのがよいでしょう。

6.野菜の種類を選択

レタス・ピーマン・オニオン・トマト・キュウリ・ほうれん草の6種が基本。
苦手な種類を外す、特定の種類だけ量を増やすといった調整が可能です。

7.ソースの選択

複数種のソースから選択。
マスタード・マヨネーズ・オイルなどバリエーション豊富。
店舗により選べる種類に大きな差があるようです。

8.サイドメニューの有無

最後にサイドメニューを選択。
チップスやクッキーなどをお好みで。

かなり細かくカスタマイズできる反面、注文が難しいと言われがちですが、店舗側ではそのサンドウィッチにあったおすすめの組み合わせを用意しています。サンドウィッチの種類だけ選んで、後はスタッフにお任せするのもよいでしょう。

さらにサブウェイを楽しめる裏メニュー

様々なカスタマイズができることから「裏メニュー」と呼ばれる個性豊かな注文方法が存在しています。代表的なものをいくつか紹介していきましょう。

1.野菜を限界まで増量

サブウェイの売りの1つとして中身のカスタマイズだけでなく、量も変更することができることは既にご紹介しましたが、パンに挟まる限界まで増やして欲しいというオーダーもできます。基本的に受け付けてくれるのは2倍程度までのようですが、店舗や店員によってはそれ以上も対応してくれるようです。もちろん特定の野菜のみ増量も可能ですので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

2.サンドウィッチのパン抜き

サブウェイのメニューにはサラダが存在していますが、これはサンドウィッチのパン抜きのことを指しています。サンドウィッチと同じく、野菜やソースの量、種類をカスタマイズすることができます。サイドメニューとしてではなく、サラダ目当てにサブウェイに行く人も多いようです。

3.無料トッピング

レギュラー野菜のレタス・ピーマン・オニオン・トマト・キュウリ・ほうれん草以外に、オリーブ・ピクルス・ハラペーニョを無料でトッピングすることも可能。いつものサンドウィッチが一味変わります。

4.ソースをミックス

通常は1つのサンドウィッチに1種類のソースを使用しますが、2種類のソースを一緒にかけてもらうことができます。全体に混ぜてもらうことも、右半分と左半分を別々のソースにしてもらうことも可能。1つのサンドウィッチで2度美味しくいただける、とっておきの裏メニューです。

サブウェイ店舗大量閉店の理由

サブウェイは現在、大変な苦境に陥っています。New York Postは2017年12月、サブウェイの来店者数が過去5年間で25%減少していることを報じ、それに伴う形でサブウェイは2017年にアメリカ本土だけで909店舗を閉店させました。

その背景には、時代の流れに対応できなかった2つの戦略的失敗が考えられます。

1.オンリーワンのヘルシーチェーンの座からの陥落

世界的な健康ブームの到来において、サブウェイは”手軽に野菜が摂れる”と注目されるファーストフードチェーンにおけるオンリーワンの存在でした。しかしSweetgreenを始めとした、新たに出てきた手軽で安価なファーストフードチェーンや、コンビニエンスストアの商品サービスの拡充により、サブウェイの存在はオンリーワンでは無くなってきたのです。さらにサービスの簡易化を求める顧客にとって、サブウェイの注文方法は難解に感じられ、わかりやすいオーダー方法を採用した他チェーンへ流れていくのは自然なことかもしれません。

2.強引なフランチャイズ拡大

もう1つの理由はフランチャイズの強引な拡大にあります。店舗の増加はそれだけでフランチャイズフィーの増加につながるため、サブウェイは店舗毎の利益増加よりも店舗数を増やすことに注力しました。その結果、店舗にとって売り上げが上がらないなか、高額なフィーを払うことに疲弊していくことになったのです。

サブウェイは今、大きな改革を進めています。
BusinessInsiderに寄稿した声明のなかで

・フランチャイジーからのフィードバックを奨励する
・大きな改革には時間がかかる
・フランチャイジーのビジネスの成功のためにブランド力を強化するのがゴール

と語っています。
長く愛されるサブウェイになるため、新たな一歩を踏み出したのです。

まとめ

店舗数が減少しているとはいえ、今でも世界最大のファーストフードチェーンであるサブウェイは、健康志向のユーザーを中心に根強いファンが多く存在します。今後の大きな改革がどのようにサブウェイを変えていくのか、サンドウィッチを食べながら見守っていくのはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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