アカデミア美術館:フィレンツェで触れるダビデ像

イタリア・フィレンツェにあるアカデミア美術館にはミケランジェロ作「ダビデ像」が展示されており、年間を通じて世界中から観光客がこの像を見に行列をつくります。長い待ち時間を回避するための予約も可能です。

イタリアが誇る芸術の街、フィレンツェにある2つの美術館をご存知でしょうか。1つはウフィツィ美術館、もう1つがアカデミア美術館です。

アカデミア美術館は、かの有名なミケランジェロの「ダビデ像」が展示されていることから、世界中から多くの観光客が訪れています。彫刻から絵画、織物、楽器と様々なジャンルの品が展示・収蔵されています。

なぜ世界中の観光客がアカデミア美術館に来館するのかを紐解きながら、その見どころを詳しく紹介していきます。

1.美術学校の付属美術館として設立

芸術の街、フィレンツェに存在する2大美術館の1つとして名を馳せているアカデミア美術館。国立美術大学であるアカデミア美術学校の付属美術館として設立されました。ミケランジェロやボッティチェリといった、フィレンツェ派の芸術家の作品を数多く展示しており、観光客にも大変人気があります。

建物の外観は美術館らしくない質素な造りですが、内部には優美且つ迫力のある美術品が所狭しと並んでいます。

2.平日でも行列のできるアカデミア美術館の予約方法

アカデミア美術館には世界中からの観光客だけでなく、地元の人々も訪れるため、平日でも入館に長蛇の列ができます。少しでも早く入場し快適に鑑賞するために、予約するのをおすすめします。

予約方法は大きく分けて2つあります。

1.オンライン予約

フィレンツェの美術館や施設の予約ができる公式予約サイト「B-ticket」からオンラインで予約を行うことができます。

予約サイトから予約を行った場合、クレジットカードが利用できます。

2.電話予約

予約専用番号へ直接電話をし、予約をすることができます。

予約番号:+39 055 294883

英語での対応が可能です。電話予約の場合、入館料は現地窓口で直接現金で支払う必要があります。

入館料は通常12ユーロですが、特別展示がある時期には変更になる場合があります。スケジュールは公式サイトから確認することができます。

旅行代理店のプランを利用される場合には、代理店が予約を行ってくれる場合もあるようなので、一度問い合わせをすると良いでしょう。

3.アカデミア美術館の見どころ

アカデミア美術館には、14~16世紀にフィレンツェを中心に活躍した芸術家の作品が展示されています。有名な作品が多数展示されていますが、そのなかでもおすすめの作品を紹介いたします。

3-1.ミケランジェロの「ダビデ像」

ミケランジェロの最高傑作といわれる作品。高さ5.17メートルに及ぶ巨大な大理石製の人物像で、ダビデが巨人ゴリアテとの戦いにおいて、岩石を投げつけるため狙いを定めている姿を表現しています。

ダビデ像は人体に関する極めて正確な知識を基に制作されており、「神による創造物を精細に再現した」とまでいわれています。その精細さが生み出す力強さと美しさは、どの角度から見ても感じ取ることができます。

アカデミア美術館では360度全ての角度から鑑賞できるように設置されているため、訪れた際には時間をかけて全ての角度から楽しむことができるでしょう。

3-2.ミケランジェロの「パレストリーナのピエタ」

「ピエタ」とは、死の後に十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアをモチーフにした彫刻・絵画を指します。

ミケランジェロは生涯にピエタを複数手掛けており、そのうちの1つがアカデミア美術館に展示されている「パレストリーナのピエタ」といわれています。しかし、このピエタだけミケランジェロが制作したという記録が残っておらず、人体比に狂いが見られるところから、ミケランジェロ作であることが疑問視されています。
パレストリーナのピエタを含む4つのピエタのうち完成したのは1つだけ。このパレストリーナのピエタも未完成のまま遺されています。

3-3.パチーノ・ディ・ボナグイーダの「生命の木」

(Public Domain /‘Tree of Life’by Pacino di Buonaguida. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

この作品は、モンティチェッリのクラリス修道院のために描かれた作品であり、修道院廃止後にアカデミア美術館に寄贈されました。キリストが全ての人類のために犠牲になっている姿を描いています。円のなかには旧約聖書の物語が描かれており、下部では創世記の物語を読み取ることができます。緻密に表現されたその物語は見る者を圧倒します。

4.アカデミア美術館周辺のフィレンツェ観光名所

芸術の街と名高いフィレンツェには、アカデミア美術館の他にも有名な観光名所が多数存在します。どこも芸術に関心のある観光客には人気ですが、特におすすめのスポットを紹介します。

4-1.サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

イタリアにおいて街で一番大きな教会は「ドゥオーモ」と呼ばれ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂はフィレンツェのドゥオーモとして古くから大切にされています。

大聖堂、洗礼堂、ジョットの鐘楼で構成されており、なかでも大聖堂のドーム型円天井「クーポラ」とジョットの鐘楼は中を上ることができ、フィレンツェの街並みを一望することができる人気観光スポットとなっています。それぞれクーポラでは463段、ジョットの鐘楼では414段の階段を上るため、体力に自信がない方はどちらか一方だけに挑戦するのが良いでしょう。

大聖堂内には多くの装飾品や芸術品が所蔵され、さらにドゥオーモ付属美術館にはミケランジェロ作の未完のピエタ「バンディーニのピエタ」が展示されています。美術品の鑑賞を目的にしても、十分楽しむことができるでしょう。

4-2.ヴェッキオ宮殿

ドゥオーモと並ぶフィレンツェの代表的な建造物として知られています。「ヴェッキオ」とはイタリア語で「古い」を意味し、この宮殿を住居としていたメディチ家がピッティ宮殿へ移り住んだことから「ヴェッキオ」と呼ばれるようになりました。現在は建物の一部がフィレンツェ市役所として使われています。市役所として使われていない個所は一部を除き見学可能で、華美な装飾や芸術品の並ぶ部屋を見学することができます。そのなかでも、トスカーナ大公であったメディチ家のフランチェスコ1世の書斎にあった隠し扉は必見です。

かつてダビデ像はヴェッキオ宮殿のあるシニョーリア広場に設置されていましたが、天候や歳月により損傷することを防ぐため、アカデミア美術館へ移設されています。

4-3.サンタ・クローチェ聖堂

世界最大のフランシスコ会の教会。16の礼拝堂の内部は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のジョットの鐘楼を手掛けた、ジョット・ディ・ボンドーネとその弟子達により美しい装飾が施されています。

サンタ・クローチェ聖堂はミケランジェロ、ガリレオ・ガリレイ、ニッコロ・マキャベリといったイタリアの偉人達が眠りに就いていることで知られています。墓のそれぞれに繊細な装飾が施されており、一つの美術品として見学することができます。

聖堂内は広く、ゆっくり見学すれば1時間では見終わらない程のため、観光に組み込む場合は時間に余裕を持った計画をするといいかもしれません。

4-4.ミケランジェロ広場

サンタ・クローチェ聖堂からアルノ川を挟んだ南に位置する、フィレンツェの街並みが一望できる展望台として人気の観光スポットです。デートスポットとしても有名であり、夜は美しくロマンティックな夜景を見ながら愛を語る地元の若者で賑わいます。

広場の中心には、ダビデ像のレプリカが街を見下ろすように置かれています。サイズは原寸大ですので、アカデミア美術館の本物と見比べてみてはいかがでしょうか。

4-5.ウフィツィ美術館

アカデミア美術館と並ぶフィレンツェの2大美術館の1つであるウフィツィ美術館は、元々役所だった建物を改修して建築されました。

収蔵品のうち、有名な作品はボッティチェリ作「ビーナスの誕生」と「春」。その他にも当時のフィレンツェの実質的な支配者であったメディチ家が所有していた多くの美術品が展示されています。

アカデミア美術館同様、観光シーズンには入場に行列ができますが、前述の「B-ticket」から予約を取ることができますのでご利用してみて下さい。

5.まとめ

イタリア・フィレンツェを代表する美術館「アカデミア美術館」。ルネサンス美術をけん引したフィレンツェ派の芸術に触れることができ、歴史の流れを感じられる魅力あふれる美術館です。また美術館はもちろん、周辺の観光スポットも様々な楽しみ方ができるフィレンツェの街。ゆっくり時間をかけて堪能してみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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