「リメンバー・ミー」: あらすじの徹底解説ともっと面白くなる見どころ紹介

リメンバー・ミーは「家族愛」をテーマにしたメキシコが舞台の作品。アニー賞・アカデミー賞・ゴールデングローブ賞を受賞しています。死者の国に迷い込んでしまった少年ミゲルと、孤独で陽気なガイコツ・ヘクターの冒険を描きつつ、「死者を忘れないこと」の大切さを表現。主題歌にも深い意味が込められており、本作品のテーマと合致しています。

「リメンバー・ミー」はもうご覧になられましたか?

本作品は第90回アカデミー賞で、長編アニメーション賞と主題歌賞をダブル受賞したピクサー作品です。

トイ・ストーリーシリーズの中で最も人気の高い「トイ・ストーリー3」を制作した監督・スタッフが手がけたことで有名です。

本記事では「リメンバー・ミー」をもっと面白く視聴するために、あらすじと見どころについて解説していきます。

1.物語のあらすじ

メキシコを舞台に繰り広げられる本ストーリーの主人公はミュージシャンを夢見る少年、ミゲル。

ギターの才能に秀でているミゲルですが、彼の一族は代々、ある悲しい理由によってギターを弾くことはおろか、音楽を聴くことすらも禁止していました。

大切な家族をとるか、ミュージシャンになるかで悩むミゲルはある日自分の祖先が名曲”リメンバー・ミー”を遺した伝説のミュージシャン・デラクルスであるかもしれないことを知ります。

彼の霊廟を訪れたミゲルは飾られたギターを手に、先祖が会いに来るといわれる「死者の日」に行われる音楽コンテストに参加する決意をします。しかし、ギターを奏でた瞬間、ミゲルの姿は一般人に見えなくなり、反対に死者がガイコツとして見えるようになってしまいました。

先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまったミゲルは、日の出までに元の世界に戻らなければ体が消えてしまうことを知ります。絶体絶命のミゲル。そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ・ヘクターでした。

やがて二人はミゲル一族の驚くべき“秘密”の存在にたどり着きます。すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていたのです。

2.「リメンバー・ミー」がもっと面白くなる見どころ解説

2-1.舞台はメキシコの”死者の国”

本作品の特徴はなんといっても、メキシコで年に1度行われる”死者の日”というお祭りが舞台となっているところです。

”死者の日”は、自分の家族や親戚などの身近な人たちの死を弔うためのお祭り。毎年基本的に11月1日と2日に行われています。死者の日の迎え方は人それぞれで、「死者を思う時間」を各々楽しみます。

メキシコでは、普通の死以外にもいくつかの死の概念が存在しています。その中でも”生きている人たちから忘れられた時に再び死ぬ”という考え方があり、これは本作品でも重要な役割を果たしています。

2-2.個性豊かなキャラクターたち

主人公の少年ミゲルをはじめ、孤独で陽気なガイコツ・ヘクターや、いつも舌を出している愛されキャラの犬ダンテなど、本作品に出てくる登場人物はピクサーらしさ全開の個性豊かなキャラクターばかりです。

声優陣も魅力的で、ミゲルの声を担当するのは12歳の新人アンソニー・ゴンザレス。劇中では歌を披露する場面もあり、圧巻の歌唱力に魅了されること間違いなし。

彼と冒険を共にする孤独で陽気なガイコツ・ヘクターの声を担当するのは、メキシコ人の俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。イギリスのロンドンにある名門「セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ」で初めてのメキシコ人合格者という経歴を持ちます。

その他、ミゲルの憧れの歌手デラクルスの声を担当したのは、ベンジャミン・ブラット。過去には「怪盗グルーのミニオン危機一発」(2013)にも出演するなど、アニメーションの声優としてのキャリアも豊富です。

2-3ピクサー初のミュージカル作品

本作は、ピクサー作品で初めてミュージカル要素を取り入れました。ここで気をつけていただきたいのは、ミュージカルといっても劇中で不自然に歌い出す一般的なミュージカル作品ではないこと。コンサートだったり誰かに楽器を演奏してもらったりなど、とにかく自然に感情移入できるような作品となっています。そのため、普段ミュージカル作品が苦手という人でも、違和感なく視聴することができます。

2-4.最新テクノロジーを用いた映像美

これまでピクサーは作品を制作するたびに最新の映像技術を開発し、作品に応用してきました。例えば、『カールじいさんの空飛ぶ家』での鮮やかな数千個の風船のシーンや、『トイ・ストーリー3』でのゴミ処理施設内のシーンなど、通常の映像技術では表現できないようなきめ細かいアニメーション処理を実現してきました。

今回の『リメンバー・ミー』も例外ではありません。本作品を制作するに当たり、ピクサーは特に”ガイコツの表情”と”死者の国”にこだわり抜きました。

通常のガイコツをイメージしてもらうと分かるのですが、とても無機質で怖いという印象を持つのが一般的ではないでしょうか。ピクサーはガイコツのキャラクターを制作するにあたり、人々に怖がられることなく、魅力的に見せるためその表情にこだわりました。

通常ガイコツにはない目玉・まぶた・くちびるを描くことで、感情移入しやすい魅力的なキャラクターを表現。さらに、ガイコツ1人1人にフェイスペイントを施す工夫をすることで個性を演出することに成功しました。

また、本作の舞台となる”死者の国”をカラフルで鮮やかな世界に見せるため、ピクサー史上最大となる約700万個の”光”を用いました。無数の窓から漏れる光や街灯、広場の光など”死者の国”を魅力的に見せるための膨大な量の光を、テクノロジーを使って再現しています。

ぜひ、本作品を視聴する際には細かい描写も注目してみてください。

2-5.主題歌に込められた思い『私を忘れないで』

本作品の主題歌『リメンバー・ミー』は物語の中で非常に重要な役割を担っています。

作詞・作曲は「アナと雪の女王」の「Let it go」を作曲したことで有名なロバート&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が担当。この主題歌の『リメンバー・ミー』は、第90回アカデミー賞で主題歌賞を受賞しました。

物語の重要な役割を担う「リメンバー・ミー」。この主題歌には、死者の人たちの「忘れないでいて」との思いが込められています。

死者の世界には、「もう一つの死」が存在しています。この死者の世界でのもう一つの死とは、「人間界の人に忘れられること」を意味します。人間界の人に忘れられた死者は、キラキラと砂のように散り、消え去ってしまうのです。

「リメンバー・ミー」は家族をつなぐ大切な歌です。たとえ人間界では亡くなってしまったとしても(1度目の死)、生きている人たちがの心の中で忘れずにいておけば、亡くなった人たちも死者の世界で生き続けることができるという大切なメッセージが込められています。

3.アニー賞・アカデミー賞・ゴールデングローブ賞を総なめに

本作品は、これまで数々の賞を総なめにしてきました。
・第75回ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞受賞
・第45回アニー賞で最多11部門を獲得(全15部門)
・第90回アカデミー賞で長編アニメーション賞・主題歌賞をダブル受賞など。

以上のことから、2017年度でもっともヒットしたアニメーション作品であることは間違いありません。

また、ピクサーはこの受賞を含めてアカデミー賞6連続受賞を果たす結果となりました。

4.まとめ

「家族愛」をテーマに描かれた本作品では、「死者を忘れない」ことの大切さを感じることができます。

死者の国を舞台に繰り広げられる少年ミゲルの冒険と、壊れかけた家族の再生の物語をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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