ジョージ・ハリスン:ビートルズ在籍時に作曲した10の名曲集

ジョージ・ハリスンはビートルズのリードギターとして活躍しました。ビートルズのアルバムには、彼が作曲した楽曲が20曲ほど収録されています。ジョン・レノンやポール・マッカートニーの影で活躍した彼のビートルズ時代の名曲を10曲紹介します。

ビートルズのリードギターとして活躍したジョージ・ハリスン。インド音楽の要素を導入したことでも有名です。ビートルズの中ではジョン・レノンやポール・マッカートニーの影に隠れてしまい、目立った活躍も少ないように感じます。しかし、ビートルズを代表する名曲も生んでいるのです。

ビートルズ解散後も精力的に活動し、「ビートルズを解散して最も得をしたビートル」とも呼ばれています。1970年にリリースしたアルバム「All Things Must Pass」は、ロック史に残るアルバムとして評価が非常に高いです。このアルバムは、ビートルズ時代に築いた彼のソングライティング能力が開花したアルバムと言えるでしょう。

Don’t Bother Me:ジョージ最初の楽曲

最初に言っておくと、この「Don’t Bother Me」は名曲と呼ぶにはふさわしくない楽曲ですが、ジョージがビートルズのアルバムに初めて収録した楽曲のため紹介します。

実際、彼自身がこの楽曲を「あまり良い歌じゃない」と酷評しています。「ジョンとポールは曲を書くのに、君は書かないのか?」と言われて書いたものでした。曲名の意味は「ほっといてくれ」です。

しかし、ソロを代表する楽曲「My Sweet Lord」などの出発点と考えると、無視できない楽曲です。

If I Needed Someone:初期を代表する作品

ジョージがビートルズに残した作品は20曲程度だと言われていますが、その中でも初期を代表する楽曲です。ビートルズがサイケデリックに目覚めていく片鱗が見られるアルバム「Rubber Soul」に収録されました。この頃には、彼の作品がアルバムに頻繁に収録されるようになります。

12弦ギターで始まる印象的なフレーズと、ポップさのあるメロディーが「Don’t Bother Me」にはない新しい作品です。ジョージのメロディーはリズムを食ったシンコペーションがお得意で、この「If I Needed Someone」にも使われています。

また、12弦ギターが使用されているのは、フォークロックバンドとして有名なバーズからの影響があるといいます。

Taxman:最高傑作アルバムの冒頭の楽曲

ジョージがビートルズ時代に残した楽曲「Taxman」。彼らの最高傑作にあげる人もいるのではないでしょうか。それほど、ビートルズの楽曲の中でもインパクトが強い名曲です。

ビートルズの7枚目のアルバム「Revolver」は、サイケデリック色が強く、ロックの歴史にも名を残しています。「Taxman」は、このアルバムの冒頭曲として収録されており、当時の人たちにとって新たなビートルズを感じた瞬間だったのではないでしょうか。

鋭いギターの音と、ファンキーなベースラインがかっこいい楽曲。リードギターは、普段はベースを弾いているポールが担当しています。インド楽器のようなギターがアルバム全体にサイケ的な印象を与えているとも言えるでしょう。ビートルズを代表するロックチューンでもあります。

Love You To:ジョージ=インドのイメージを植えつけた

「Taxman」と同じアルバム「Revolver」に収録され、彼にインドのイメージを植えつけた楽曲。この頃のジョージはインドの楽器や音楽に強い興味を持ち、シタール弾きで有名なラヴィ・シャンカールからシタールを教わるほどでした。

この作品は、その影響が強く出た最初の楽曲ではないでしょうか。「Norwegian Wood」でもシタールが使われていましたが、「Love You To」ほどのインド感は感じられませんでした。アルバムにサイケデリックのイメージを与えたのは、インド思考も大きな要因となっていることがわかる楽曲です。

Within You Without You:インドとサイケの絶妙な楽曲

ビートルズのサイケデリック作品はジョンが作曲しているイメージが強いですが、そのサイケ感にインド音楽を混ぜ合わせた独特な音楽は、ジョージによるものが多いです。「Within You Without You」は、インドとサイケがよく交わった面白い楽曲です。

ビートルズのメンバーではジョージのみがレコーディングに参加した、彼の単独曲。ドラッグによるぐるぐるした目眩と、心地よく悪い香りがしてきそうな音楽になっています。インドだけに傾倒する訳ではなく、ヴァイオリンなどのストリングスが効いていることも心地よさを倍増させています。

この楽曲はビートルズのサイケデリックを象徴するアルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」に収録されています。このアルバムは、他にも「Lucy in the Sky with Diamonds」や「A Day in the Life」などの楽曲を収録していますよ。

While My Guitar Gently Weeps:ジョージの最高傑作

ジョージがビートルズ時代に残した楽曲の中で最高傑作と呼ばれている作品。彼のソングライティング能力が発揮された楽曲です。

ビートルズの楽曲ではあるものの、ギターソロを弾いているのはギターの神様であるエリック・クラプトン。ジョージは、エリックを含め様々なミュージシャンと交流をしていた人でした。また、エリックは彼のギターを高く評価しています。

一説には、ジョージが泣きのギターを演奏できなかったため、エリックにギターを弾いてくれと頼んだとも言われています。この頃から彼は、ジョンやポールに並ぶような名曲を作っていきます。

Something:ビートルズの名曲

ビートルズの名曲は、ジョンかポールが作っているというイメージがありますよね。私も中学生の時からビートルズを聴いていますが、ジョンかポールだけがビートルズの名曲を作っているものだと思っていました。そのため、「Something」のこともつい最近までポールの楽曲だと思いこんでいました。

しかし、ジョージ作曲の楽曲も、ビートルズの楽曲として違和感なく聴こえるようになっています。インド音楽が好きすぎるジョージのイメージとは違うものなのです。

この「Something」はシングルカットもされていますし、「Yesterday」に次いで多くのミュージシャンがカバーしています。ただ、個人的にはジョージ感が少ない感じがして好みではないです。

Here Comes the Sun:陽気な楽曲が温かく心地よい

「Something」と同じくアルバム「Abbey Road」に収録された、彼を代表する楽曲です。後期のビートルズはメンバー間の不仲などがみられ、ジョージは疲れ切っていました。そんな彼が友人エリック・クラプトン家で過ごしたとき、自然と「Here Comes the Sun」のメロディーが浮かんだといいます。

心が温かくなるような陽気な音楽で、気分が上向きになりそうな心地よい雰囲気を感じます。「Abbey Road」に収録されている楽曲の中で、1,2を争うほど好きな楽曲です。ビートルズの後期はジョンやポールよりも、ジョージの方がビートルズらしい楽曲を残している気がします。

I MeMine:ジョージの作品として最後に収録された楽曲

「I Me Mine」はジョージのビートルズに対する思いが吐露された楽曲。ビートルズにはレノン=マッカートニーという、ジョンとポールによる最高のソングライティングチームがありました。そのため、ジョージの楽曲はアルバムに採用されることが少なかったのです。

いつも「私、私、私」と自己主張の激しい人と、これに振り回される人を描いている楽曲で、ジョージの思いが溢れています。彼とポールとの不仲がビートルズの解散の要因の1つとしてあげられていますが、この楽曲もジョージがポールに歌った楽曲であることが伺えます。

解散後もジョージとポールの仲は悪く、ジョージのソロ作品にはポールは参加していません。一方、ジョンやリンゴとは親交があったよう。ポールもジョージが亡くなってから、自身のライブでジョージの楽曲を演奏するようになったといいます。

For You Blue:ジョージの個性が出た楽曲

「For You Blue」は、ジョージの妻に対して書かれたラブソングで、ビートルズ最後のシングルとなった楽曲です。彼のソロアルバムでも見られるブルースやフォークなど、アメリカの伝統的な音楽が強くなっています。「あっ!ジョージの楽曲だ」と認知できるほど個性の出た楽曲ではないでしょうか。

印象的なうねうね音はジョンのスティールギター、ポンッポンッという音はポールがピアノの弦を弾いている音です。

数々のジョージ作品を紹介してきた中でも「For You Blue」は特にお気に入りの楽曲です。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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