アストンマーティン:高い性能と品質を両立させた自動車メーカーを知る

アストンマーティンは、イギリスの歴史的な自動車・スポーツカーメーカー。1913年の設立から一貫して、性能・パフォーマンスとともに上質で美しさを持つ自動車を製造し続けています。
また、映画「007」シリーズに数々の車種が採用されたことで有名で、レトロカー愛好家のファンも多数。
一方、レーシングカー・スポーツカーとしての実績も高く評価されており、今日に至るまで性能のアップデートを継続しています。

「アストンマーティン」の歴史は、1913年にまで遡ります。

ライオネル・マーティンとロバート・バムフォードの二人が、ロンドンの小さなワークショップで「アストンマーティン」というブランドを立ち上げました。

1915年には1号車が完成。単なる乗用車ではなく、「美しいもの」への憧れや愛情から美しさを追求した自動車を表現するべく、高級でかつ性能・品質の高いスポーツカーの製作を行っています。

1.アストンマーティンとは?

アストンマーティンは、イギリスを代表する高級車・スポーツカーメーカーです。

(Public Domain /‘Louis Zborowski at the 1922 French Grand Prix (5)’ by Agence Rol. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

1913年にライオネル・マーティンとロバート・バムフォードが設立。その際に援助を行ったのは、自身がレーシングドライバーであったルイス・ズボロフスキー伯爵という人物でした。製作されているスポーツカーは高級車であり、品質・性能ともに高い評価を受けています。また洗練されたビジュアルも同様に評価を受けています。

競技においては1931年のル・マン24時間レース、1959年・1960年のフォーミュラ1世界選手権などへ参加し、上位入賞を果たすことでイギリス国内での知名度を高めました。

その後、1964年にはアストンマーティン・DB5が有名な映画「007 ゴールドフィンガー」の劇中において、主人公のジェームズ・ボンドが運転する「ボンドカー」として選定されました。

このことで国際的な知名度を飛躍的に上げ、アメリカなどの国外での販売も大きく伸長しました。以降007シリーズでは、アストンマーティンの製作したスポーツカーがボンドカーとして度々採用されています。

現在では新型車の製造販売に加え、過去の車種に対してのレストア事業も行われており、レトロカーを愛好する富裕層からの高い支持を受け続けています。なお、モータースポーツ競技に関しても、ル・マン24時間レースやアストンマーティン・レッドブル・レーシングなど現在でも参戦・実績を続けています。

2.アストンマーティンのモデルタイプ

アストンマーティンの車種において代表的なものといえば、先述したとおり「007」シリーズにおいてボンドカーに採用された「DB」シリーズの名前が上がるでしょう。

007シリーズでは「ゴールドフィンガー」、「サンダーボール作戦」、「女王陛下の007」、「リビング・デイライツ」、「ゴールデンアイ」、「トゥモロー・ネバー・ダイ」、「ダイ・アナザー・デイ」、「カジノ・ロワイヤル」、「慰めの報酬」、「スカイフォール」、「スペクター」で使用されています。

これらはDBシリーズのほか、V8ヴァンテージ、V12ヴァンキッシュなどのモデルも採用されています。このうち、最初に採用された「DB5」は「ゴールドフィンガー」で使用されてから、007の他のタイトルでも使用されました。また、「カジノ・ロワイヤル」及び「慰めの報酬」で使用された「DBS」は、劇中に登場するボンドカーとして特注で製作された車種であり、完成度の高さが評価されました。

素材にも特徴があり、軽量マグネシウム合金とカーボン繊維複合物、アルミニウムのシャーシを使用したことで、高性能であるだけでなく、従来のモデルと比較して30kg軽量化されています。

また、レーシングカーとしても名高いアストンマーティンの車種としては、1959年のル・マン24時間レースで優勝を果たしたDBR1、1989年のブランズ・ハッチで4位の入賞を果たしたアストンマーティン・AMRシリーズや、2009年にその後継として登場したローラ・アストンマーティンなどがよく知られています。

3.デザインへのこだわり

アストンマーティンは、いわゆる「乗用車」として単に走ればよい、速ければよい、燃費が良ければよい、という思想で作られた車ではありません。設立された1913年から統一されているコンセプトとして、「デザインの美しさ」は忠実に守られています。

デザインにおいてひとつ共通した特徴を挙げるとするならば、「ラグジュアリー」という単語がそれに当たるでしょう。「高級車」と評価されるアストンマーティンの名に恥じない、洗練されたデザイン・ビジュアルは、それそのものが完成された作品のような構造物になっています。

近年のスポーツカーにおいては流線型のフォルム、かつてのボンドカーにおいては角ばったデザインを用いるなど、その目的や時代・年代によってデザインも大きく変化しています。しかし、一貫して見る者に「美しさ」を感じさせるようデザインされていることがわかります。

また、外観だけに限らず、内装についてのこだわりにも変わりはありません。長距離運転を想定したシリーズでは、レッグルームとトランクスペースにゆとりを持たせ、快適な乗車環境を作り出しています。

これはあくまで「デザイン」の領域のみで優れるだけでなく、「機能美」も意識していることの現れです。加えて、車内インテリアにも精巧な加工が施され、見る者にデザインへのこだわりを感じさせます。乗って移動することが目的の車というツールが、インテリアやデザインによって「美しい構造物」として評価されているというのが特徴です。

4.パフォーマンス性能について

デザインや高品質が評価されるアストンマーティンですが、性能・パフォーマンスの高さも多くの人々から支持され続けている理由のひとつ。例として、映画「007」シリーズで「ボンドカー」として使用され、同社を一躍世界規模で有名にした「DB5」があります。このモデルは、エンジンが4リッターの直列6気筒エンジン、最大出力282馬力、最高速度は238km/hという高い性能を持ちました。

1963年から1965年まで製造されていたDB5は、合計1,023台という現代の規準では少ない生産台数で製造されました。これは、品質・性能を一定に保つため、塗装から内装・組み立てといった一連の行程をすべて熟練した職人の手作業によって製作していたという事情があります。

最近の車種である「DB11」は、2016年から生産されている車種で、5.2リッターのツインターボV12エンジンを搭載しています。0~100km/hまでの加速を3.9秒で行うことができ、最高速度は322km/hと非常に高いパフォーマンスを誇っていることがわかります。

「DB11」はさらに高性能バージョンの「AMR」も製作されています。こちらはV12モデルのエンジンの最高出力を600bhp/6500rpmから630bhp/6500rpmへ向上させたほか、0~100km/hまでの加速は、DB11からさらに0.2秒短縮して3.7秒となっています。

最高速度は334km/hを記録するなど、パフォーマンス・性能については常にアップデートされ続けているといえます。

5.まとめ

1913年からの歴史を持つアストンマーティンの特徴は、常に「速さ」と「ラグジュアリー(上質)」とを両立させていることだとわかります。数々の銀幕に登場しているのは、決してそのデザインだけが評価された訳ではなく、性能と一貫したコンセプトが評価され続けているためでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧