ボルボ:自動車の安全性へのこだわりと貢献を知る

ボルボはスウェーデンの自動車会社。ボルボの設計の基本は常に安全でなければならない、という理念を掲げ「世界一安全なファミリーカー」と評価されています。1999年、フォードに自動車部門が買収され「VOLVO Cars」となります。前身であるボルボ・グループとフォードで「VOLVO」の商標を共同所有していました。その後は中国企業に売却されます。販売している主な車種はセダン・ワゴン/エステート・クロスカントリー・SUVです。

自動車は私達の社会にとって欠かせないもの。様々な国で自国発祥の自動車メーカーが存在し、それぞれユニークな特徴があります。しかし、主要なメーカーであったとしても各社の違いを正確に知っている方は少ないでしょう。今回はスウェーデン発祥の自動車メーカー、「VOLVO」についての主な特徴を調べました。

ボルボ・グループはスウェーデンのヨーテボリに本拠地を置く多国籍企業です。主な事業内容はトラック事業、建設機械・船舶製造事業、金融事業やバス事業。世界的な業界再編のなかで積極的な買収を行い、現在は商用車製造販売の大手企業となっています。自家用車部門はフォードに売却され、ボルボ・カーズという別会社になっています。現在はフォードが中国企業にこのボルボ・カーズを売却しましたが、ボルボの車作りの基礎である「安全設計」の思想は現在でも受け継がれています。

ボルボとは?

●ボルボの歴史は2人の男の再会から始まりました。

経済と販売の専門家であるアッサール・ガブリエルソンと、優秀なエンジニアであるグスタフ・ラーソン。スウェーデンの厳しい気候条件の道路でも安全かつ丈夫に走行できる自動車を作りたいという想いで、この2人によってボルボは創業されました。

1927年創業。「車は人によって運転される。したがって、ボルボ設計の基本は常に安全でなければならない」と創業者の二人は語っています。

社名の由来は、当時ガブリエルソンが勤めていたボールベアリング会社の持つ商標名が「VOLVO」だったことから。ラテン語で「私は回る」を意味する言葉です。

最初の設計コンセプトは、1925年半ばにグスタフの自宅で生まれます。翌年、ガブリエルソンの資金で試作車10台のテストが開始されました。

1927年には、ヤコブの愛称で親しまれている初代ボルボのÖV4(ウムラウトブイフォー)が出荷されました。

●ボルボの開発思想

環境と社会福祉に配慮するスウェーデン文化に影響を受け、ボルボは「人」を設計の中心に据えた珍しい自動車メーカー。エンジニアであるニルス・ボーリンは3点式シートベルトを開発し、この技術特許を無償公開したのです。1964年、後ろ向きチャイルドシートのテストをし、1976年にはチャイルドブースタークッションを開発。同年、ラムダセンサーを世に出しました。これは有毒な排出ガスを90%低減する小型の酸素センサーです。カリフォルニア州大気資源局はこれを「車の排出ガス規制に最も貢献した革新的技術」と評価。現在、ラムダセンサーは世界中のほぼ全てのガソリンエンジンに採用されています。

●環境への配慮

ボルボは安全と環境に配慮した車作りをしています。1976年、米国政府は安全開発の標準車両としてボルボ240を採用。1978年には米国で最もクリーンな車と呼ばれました。また、スウェーデンの工場で使う電力は全て水力発電です。

ボルボのモデルタイプ

●現在販売されているモデルタイプ

現在、車の種類はモデルタイプごとにグレードに分けられています。初級グレードの40、中級モデルの60、上級モデルの90の3つです。例えばSUVであればXC40、XC60、XC90。クロスカントリーではV40 Cross Countryといった具合です。ただし、セダンはS60のグレードのみの販売になっています。

●モデル番号の意味

1966年、ボルボでは3桁のモデル番号をつけていました。最初の数字はシリーズ番号、2番目はシリンダー数、3番目はドア数を指しています。しかし、例外も存在し、後半のシリーズでは必ずしも番号が車のモデルを指し示すわけでは無くなくなったため、1995年以降のモデル番号は2桁になっています。

安全性へのこだわり

●安全への飽くなき挑戦

ボルボでは子どもの安全性を非常に大切なものと位置づけています。特に、身体の小さい子どもを守る為に最適なのは、後ろ向きのチャイルドシート。1960年初頭からチャイルド・セーフティの研究を開始し、後ろ向きチャイルドシートの衝突実験を行いました。少なくとも3〜4歳までの子どもは後ろ向きに座らせるべきだと考えたのです。それは、背中全体と頭部に衝撃が分散するためでした。首が弱く頭の重い幼児は特に注意が必要です。正面衝突事故では前向きか後ろ向きかが生死を分けると言われています。前向きと後ろ向きの追突実験では、前向きのほうが最大7倍もの衝撃を受けることが確認されました。この取り組みが認められ、第12回キッズデザイン賞を受賞しています。

●安全目標と自動運転への取り組み

ボルボは自動運転技術にも力を入れています。

2009年から2015年度にボルボに新規登録されたオートブレーキ・システム搭載車は、非搭載車に比べて、日本での事故発生率が69.0%減少したことがホームページ上で発表されています。「インテリセーフ」と呼ばれる機能は、夜間でも周囲の歩行者や自転車、動物や障害物を検知し、自動でブレーキがかかるようになっています。これはグレードによるオプションではなく、日本で発売されている全てのモデルに標準搭載されています。また、将来的には完全に自動で走行ができるよう、ボルボは取り組んでいます。これが実現すれば多くの事故が回避され、安全に走行できるとしています。

人々の生活の質を向上させたい。それがボルボの哲学なのです。

フォードとの関係

●フォードへの事業売却と商標権

1999年、ボルボ・グループの乗用車部門がフォードに譲渡され、ボルボ・カーズとしてフォード社の1部門になりました。その後も、フォード・グループ共通のプラットフォームやエンジンを採用しつつ、アイデンティティである「安全設計」の思想を守り続けてきました。ただし、「ボルボ」ブランドについては商標管理会社であるボルボ・トレードマーク・ホールディングス社の利用許諾を得て使用しています。

●中国企業への事業売却とその後の躍進

リーマン・ショックの影響からフォードが経営危機に陥り、2010年にボルボは売りに出されます。買い手に名乗りをあげたのは中国の浙江吉利控股集団(ジーリー・ホールディング)です。

買収後、ジーリーは2015年までの5年間で110億ドルを投資すると発表。自己資金に加えて、ジーリーからの投資と中国開発銀行からの融資で設備投資を実施しました。この投資が実を結び、台数が右肩上がりで推移し始めた2015年、ボルボは新世代車第1弾となるXC90を投入。外部招聘のデザイナーによって刷新されたデザインが米国でヒットし、XC90はボルボの新しい主力車種となったのです。

「ジーリーは我々に、独立企業としての経営の決定権を与えている」

引用:日経ビジネス

ボルボのホーカン・サムエルソンCEOは、フォードの1部門だった時代との違いを強調しています。

まとめ

自動車メーカーにはそれぞれ歴史があり、そこから車作りへの開発思想や力を入れているポイントの違いが分かります。自動車の購入を検討される時はカタログ上の性能だけでなく、会社の生い立ちまで理解していると、より良い愛車選びが出来るのではないでしょうか。

出典:ボルボ・カー・ジャパン

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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