黄龍風景区:神々しく輝く水と絶滅危惧種動物たちの楽園

世界各地に存在しているカルスト地形のうちの1つとして、黄龍風景区が挙げられます。黄龍風景区は美しい景色を持つだけでなく、ジャイアントパンダやレッサーパンダ、キンシコウなどの絶滅危惧種が多く生息しており、2000年にはユネスコの生物圏保護区に指定されました。1992年には「黄龍の景観と歴史地域」として、世界遺産にも登録されています。

黄龍は高度が3000メートル以上の高地にあったため、1970年代後半から1980年代にかけて発見されるまでは地図にも載らない秘境地でした。しかし、むしろ発見が遅れたことにより、人の手が加えられていないそのままの自然が保護されたのです。のち、その美しい景観から「黄龍の景観と歴史地域」として世界遺産に登録されました。黄龍の景色は、現代社会からタイムスリップしたかのような世界を、訪れた人々に見せてくれます。

黄龍風景区とはどこにあるのか、黄龍風景区までのアクセス方法、おすすめスポットをご紹介します。

1.黄龍風景区とは?

黄龍は中国の四川省西北部、アバ・チベット族とチャン族の自治州内にある、松藩県の標高3000メートル超えの高原地帯にあります。黄龍風景区とは岷山山脈の麓にある迎賓彩池の地点から、五彩池まで整備されている区間を指しています。

黄龍風景区の美しい景色を形成しているカルスト地形ですが、これは一体どのようなものかご存知でしょうか。カルスト地形とは、かつては海底、海中にあった珊瑚で作られた石灰岩が、地球の地殻変動によって海底から地上へ押し上げられてできた地形のことをいいます。つまり、何億年も前は黄龍も海の底にあったのです。珊瑚によって形成された石灰岩の地層が巨大なカルスト地形となり、雨水によって柔らかい石灰層は削られたため、硬い石灰層だけが残り、それが壁となって棚田状の池や湖が形成されました。黄龍にある池だけでも3400以上が存在しています。

カルスト地形は世界各地にありますが、黄龍風景区のカルストは棚田状に広がっています。これが竜の鱗に例えられ、池と池を分ける黄色味を帯びた硬い石灰岩が結びつけられることにより、黄金色をまとう龍が駆け上るさまに似ていることから【黄龍】の名前が付けられたとされています。

豊富な石灰成分を含んだ水が流れ続け、石灰華が沈殿して水が溜まることで池はエメラルドグリーン色になり、湖の壁は石灰華の層によって黄金色に形成されました。

黄龍にある湖や池の水は、岷山山脈などの山脈や高原から流れる川の水と雪解け水が主な水源になっています。これらの水は石灰岩の壁が棚田のように広がった黄金色の湖や池に溜まっていき、気候、太陽の傾き、見る角度によって透明度の高い多種多様で鮮やかな色をまとうようになるのです。

2.世界自然遺産としての黄龍風景区

黄龍風景区は、1992年に「黄龍の景観と歴史地域」として、世界自然遺産に登録されました。総面積は700平方キロメートル以上に及び、3400以上の池がある黄龍溝から、牟尼溝や丹雲峡など複数の風景区が主に黄龍風景区を構成しています。

なかでも五彩池は最も標高が高い位置にあり、最大の池でもあります。そのため、より美しく鮮やかな色を放つ池の景色を観ることができる、有名な観光スポットとなっています。

次に、黄龍風景区へ行く方法と、行くまでの料金をご紹介します。

3.黄龍風景区へのアクセスと利用料金

世界自然遺産の黄龍風景区へ行くには、上海経由または成都経由などの国際便で中国の都市部まで行き、そこから中国の国内便に乗り換える必要があります。国内便では四川九寨黄龍空港へアクセスする方法が、一番本数が充実しているため便利です。

中国国内を飛行機で乗り継ぎしない場合は、成都から四川九寨黄龍空港までのバスも出ていますが、10時間以上の道のりのため時間も労力も必要となってしまいます。

ちなみに、四川九寨黄龍空港から黄龍へは1~1時間半ほど。エアポートタクシーかエアポートバスで移動する方法が一般的です。

●黄龍風景区の住所、開場時間と料金

黄龍風景区の住所は、Pingsong Rd,Songpan,Aba,Sichuan,china。
黄龍風景区の開場時間は、現地時間7:30~19:00。
入場料は200元。

世界自然遺産に登録され、世界各国から注目される観光スポットになった黄龍風景区は、四川九寨黄龍空港が建設されたことによりアクセスが便利になりました。四川九寨黄龍空港から黄龍まではタクシーやバスも走っているため、現地に行くまでもそれほど難しくはありません。

世界自然遺産の黄龍風景区の風景は全て見たいところですが、そうするには時間がかかり、高山病の心配もあります。限られた時間の中でも、黄龍風景区の景色を堪能できるおすすめスポットととともに、黄龍風景区へ行く際の注意点もご紹介します。

4.黄龍風景区で見ておきたいスポット5選

世界遺産に登録された、中国の黄龍風景区。黄龍までのアクセス方法は難しくはありませんが、車両が入れるのは入り口まで。そこからは遊歩道を行くか、2006年にオープンしたロープウェイから現地へ行くことができます。

4-1.黄龍風景区最大の彩池、五彩池

黄龍風景区最大の見どころである五彩池は、総面積が約2万平方メートルで、約693個もの池が鮮やかな青色、黄色、エメラルドグリーン色などの様々な色を放っています。同じ天候であっても地形によって朝昼夕方と見える色が異なり、神秘的な風景から「人間搖池(この世の仙境)」と呼ばれています。

五彩池にはより神秘的な池を間近で観られるように歩道が設けられており、観光客を不思議な風景へといざないます。展望台もあるので、上から全体の景気を眺めることも可能です。

4-2.エメラルドグリーン色の池に出会うなら迎賓池

五彩池は様々な色の池を観ることができますが、迎賓池はエメラルドグリーン色の池を多く観られるのが特徴です。迎賓池は黄龍の入り口から600メートルほどの位置にあるので、黄龍風景区へ到着した際にはすぐに訪れることができる観光スポットです。

4-3.黄龍の自然と池の色のコントラストを見るなら盆景池

盆景池にある池の数は100個ほどではありますが、盆景池周囲の木や岩石、植物が組み合わさり、息を呑む美しい景観を観ることができます。歩道もあるので、盆景池全体を観ることも可能です。

4-4.黄龍風景区のベストシーズン

黄龍風景区は、標高が一番低いところでも3000メートルを越えており、気温は一年中低いです。観光スポットを巡るには春~夏が歩きやすいですが、冬になり雪化粧をした黄龍の景色は、新たな感動を与えてくれるでしょう。

4-5.黄龍風景区へ行くときは高山病に注意

黄龍風景区は平均で3000メートルを越える標高の中にあります。このため、観光スポットの各地に無料で酸素吸入できる施設が設置されています。

ほとんど徒歩で巡ることになりますが、体力に自信のない方はロープウェイを使い、極力体力を消耗しないように心掛ける必要があります。観光地を巡っている最中は高山病の症状が出なくても、黄龍を出発したあとに高山病の症状があらわれることもあるそう。無料の酸素吸入できる施設を利用し、自身でも酸素ボンベを持ち歩くと、高山病にかかるリスクを抑えることができます。

5.まとめ

1992年に「黄龍の景観と歴史地域」として世界自然遺産に登録された、中国の四川省にある黄龍風景区をご紹介しました。

地球が地殻変動を繰り返したことで形成された黄龍のカルストは、無数の池や湖を作り、は色とりどりの鮮やかな水面を見せます。訪れた観光客を魅了し続ける黄龍風景区。一度訪れてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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