ジャック・マー:アリババ創業者の半生

アリババ社のカリスマ創業者、ジャック・マー。子供の頃から英語に興味を持ち、外国人と会話をするためホテルに通うほどでした。しかし、学校の成績は芳しくなく、進学や初期のビジネスでは失敗の連続。1995年に初めてインターネットに触れ、中小企業でも世界的ビジネスがしやすくなるようにとB2Bサイト「Alibaba.com」を起ち上げるなどしました。現在では、アジアで1、2を争うほどの大富豪となっています。

中国に本社を置くアリババ社は、B2Bサイト「Alibaba.com」を運営していることでよく知られています。このアリババ社の創業者で現在の会長であるジャック・マーは、今では世界の大富豪ランキングに入るほどの大成功を収めていますが、若い頃はビジネスでも失敗の連続でした。

この記事では、そんなジャック・マーの生い立ちから成功を収めるまでの半生や、彼のB2B開拓について、詳しくご紹介していきましょう。

1.ジャック・マーとは?

ジャック・マー(馬雲、英語:Jack Ma)は、アリババ社の会長で、同社の創業者でもあります。

アリババ社は中国に本社を置き、情報通信事業を営む世界的企業。製品を売りたい企業と買いたい企業をマッチングするB2B(Business-to-business)の国際的サイト「Alibaba.com」で名高く、このサイトは世界の240以上の国・地域で利用されています。こんな企業を起ち上げたジャック・マーですが、2018年には1年後に会長を引退することを表明しています。

彼はいったい、どのような人物なのでしょうか。

2.ジャック・マーの生い立ち

ジャック・マーは、1964年9月10日に中国浙江省杭州市に生まれました。本名は馬雲(マーユン)で、「ジャック・マー」はペンフレンドが付けた通称です。

子供の頃から英語に興味を持っていたため毎日のように自転車で近くのホテルに通い、外国人と積極的に会話したり、英語で外国人の観光ガイドをしたりしていました。ジャック・マーの英語はネイティブ並みともいわれる流暢なものですが、これは子供の頃からの英会話を通じて我流で取得したものです。しかし、英会話は得意でも学校の成績は優秀とはいえないものでした。ちなみに、ミドルスクールの入試には3度も落ちた経験もあります。

一度は大学進学を諦め、三輪自動車の運転手として働いたこともありました。再び大学進学を志し、北京大学を目指すも2年浪人。結局、定員割れしていた杭州師範大学の英語科に入学します。1988年に大学を卒業し、その後は杭州電子工業大学(現杭州電子科技大学)で英語講師等をしていました。

その職を5年で退職し、1994年に翻訳・通訳会社を起ち上げます。そして、1995年に通訳の仕事のためアメリカへ行った際、初めてインターネットに触れ、その素晴らしさを知りました。試しに自分の翻訳会社のホームページを立ち上げてみると、その日のうちに5通ものメールが来ました。

この経験から、中国の中小企業がインターネットを通じて世界的なビジネスをするという発想を得たと同時に、当時のインターネット上には中国に関する情報が皆無であったことにショックを受け、同年、中国で情報発信サイト(中国版イエローページ「中国黄頁」)を立ち上げます。その後中国政府機関への勤務等を経て、1999年に生まれ故郷である浙江省杭州市にアリババ社を設立。

会社を立ち上げた後も中国Yahoo!を買収したり、ソフトバンク取締役に就任したりと様々なビジネス活動を精力的にこなし、2016年にはアジア1の大富豪と言われるまでになりました(当時の資産額:約333億ドル)。また、アメリカのフォーブス社(Forbes)による2018年の世界の長者番付ランキングでは20位(資産額390億ドル)に入っています。

ジャック・マーは2013年にアリババ社のCEOを退任し、会長に就任。2016年には、マイクロソフトのビル・ゲイツ元会長や、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO、ソフトバンクの孫正義会長らとともにクリーンエネルギー開発のための基金「ブレークスルー・エナジー・コアリション」を創設しました。これは新エネルギーの基礎研究を支援するもので、基礎科学研究を重視する彼の理念に合致した基金といえます。

そして2018年9月には、1年後にアリババ社の会長を引退すると表明。自分がいなくても会社が成長できるよう10年前から制度をつくり、人材育成などの準備をしてきたと手紙に記しています。

プライベートではアリババ社創業メンバーのひとりであった女性と結婚し、現在は2児の父であるジャック・マー。彼がB2B開拓までにどのような道のりを歩んだのかについてご紹介します。

3.B2B開拓への道のり

最初に起業したのは1991年。得意の英語を生かした翻訳・通訳会社「海博翻訳社」です。今では杭州を代表する翻訳会社となっていますが、創立初期は赤字続きでした。2度目の起業は、中国版イエローページを立ち上げた1995年です。しかし、インターネットが十分に普及していなかったという時代背景もあり、2度目もビジネスとして大成功とは言えない結果に終わりました。

そして、3度目の起業が1999年。17人の共同創業者とともにアリババ社を起ち上げました。当時、17人はジャック・マーのアパートで共同生活をしながら事業に取り組みました。

これまで自身が中小企業として苦労を重ねながらビジネスをしてきた経験から、大企業向けではなく中小企業向けの販路を開拓しようという志がありました。

海外拠点を持たないような中小企業でも、サイトを通じて手軽に世界を相手にしたビジネスができるようにとの思いが、B2Bのサイト「Alibaba.com」の立ち上げにつながったのです。立ち上げ当初は資金繰りに苦労していましたが、ソフトバンクの孫正義会長から投資を取り付けるなどして、徐々に軌道に乗っていきました。「Alibaba.com」は多くの企業、会員からの支持を得て急成長し、今や世界最大級のB2Bサイトのひとつになっています。

4.アリババ社について

アリババ社(正確には、「アリババ・グループ・ホールディング」(阿里巴巴集団、英語:Alibaba Group Holding Limited))は1999年、杭州市に設立されました。企業間電子商取引(B2B)のオンライン・マーケットプレイス「Alibaba.com」を運営していることで知られています。

他に、アリババ中国サイト「1688.com」や消費者向けの電子商取引サイトなども運営しており、2003年にはインターネットオークションサイトの「タオバオ」(淘宝網、英語:Taobao)や、決済システムサイトの「アリペイ」(支付宝、英語:Alipay)を立ち上げています。2014年にはニューヨーク証券取引所に上場し、2.7兆円という当時としては史上最大の資金調達で話題となりました。

同社はその後も人工知能(AI)や半導体の分野に投資するなどしながら、更なる発展を続けています。

5.まとめ

世界的なビジネスパーソンのジャック・マーについてご紹介しました。子供の頃は成績優秀でもなく、若い頃はビジネスでもあまり成功しませんでした。しかし現在、世界のビジネスをやりやすくしようという彼の理念は、世界中から多くの支持を得ています。その思いが、世界の長者番付にランクインするまでの大成功の要因となっているのでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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