ウォルマート:世界最大の売上額を誇るスーパーマーケットチェーンを知る

ウォルマートは、アメリカ合衆国のアーカンソー州ロジャーズに本部を置くスーパーマーケットチェーン。売上額においては世界最大規模を誇ります。1969年の設立以降、スーパーマーケット・ディスカウントストア事業を展開しています。アメリカ国内では、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネイバーフッド・マーケット、スモール・フォーマット、サムズ・クラブ等の店舗形態を合わせて、5000店舗以上を擁しています。

ウォルマートは、1945年にアメリカ合衆国のアーカンソー州ニューポートに開かれた「ベン・フランクリン雑貨店」をきっかけに、店舗数を拡大しながら全米、そして海外に進出していきました。

スーパーマーケットやディスカウントストアを中心に、他企業との業務提携、子会社化を進めながら成長している企業です。アメリカ国内に最も多くの小売店舗を持ちますが、中央アメリカの諸国、アジア、アフリカなどにも店舗を持つ企業です。

1.ウォルマートとは?

ウォルマートの創業者は1918年、オクラホマで生まれたサム・ウォルトン。彼は1945年に当時所属していた軍隊を除隊し、アーカンソーの雑貨屋を購入、チェーン展開を開始しました。

1954年には弟とともに、現在のウォルマートの原型となるディスカウントストア、「Walton’s」を開業。「ウォルマート」の実際の創業は1962年で、この店舗はWalton’sとは別に展開されました。

当時、米国ではシアーズなどの競合小売業者がいましたが、ウォルマートは同一地域内に集中して出店し、市場の占有率を高める「ドミナント戦略」と呼ばれる経営戦略を展開。これに加え、情報や物流を重視した効率的な経営手法によりたちまち他社の追随を許さないほどの成長を遂げ、全米最大の小売企業となったのです。

ウォルマートがニューヨーク証券取引所に上場したのは1972年。第一号店がオープンした1962年から、10年後のことでした。1990年には全米最大の小売店となり、92年にはサム・ウォルトンが当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領から自由勲章を受章しています。

さらに、海外への進出も積極的に行っていきます。1991年、メキシコシティに海外店舗一号店がオープン。翌年の1992年にはプエルトリコに進出し、1994年にはカナダの「ウールコ」を買収、1995年にはアルゼンチンで3店舗、ブラジルで5店舗を開店するなど多くの国に展開していきました。この頃にはウォルマートの週あたりの売上高は10億ドルを突破。その後、1996年には中華人民共和国にも進出し、店舗数をさらに伸ばしています。

ウォルマートの店舗はウォルマート自体だけではなく、各地域別の店舗ブランドを持っていることも特徴です。

2.フォードとの提携について

アメリカの自動車メーカーであるフォードモーターは、2018年11月にウォルマートと提携し、近年テクノロジーの発展が著しい自動運転車による配達サービスの実証実験を行っています。これに先立ち、2017年夏にはウォルマートとドミノピザが共同で自動運転車を使ったピザの配達実験を行いました。この共同実験で得た知見をもとに、フォードモーターは宅配専用の自動運転車を開発しました。

フォードは自動運転車を開発するだけでなく、米国内で個人向けの配達サービスを展開している「ポストメイツ」社と提携し、フォードモーターの宅配専用自動運転車をポストメイツが運用するという流れをとっています。これにより、ウォルマートはフォードモーターの自動運転車を使い、ポストメイツを通して商品を顧客に届けるという実証実験を行っています。

これまでウォルマートは、小売業として常に物流システムの効率化と改善を繰り返してきました。近年では、かつての物流拠点から店舗へという流れから、個人向け宅配サービスが拡充したため、AmazonやeBayなどネット注文を中心とする販売業者が増加してきています。

ウォルマートは各店舗を小さな配送拠点化し、オムニチャネル化する。つまり、ユーザーにオンラインでの購入を促進したうえで、店舗での受取や店舗からの発送などの対応を行うことができるよう戦略を進めていると解釈されています。

また、日用品の自動配送についても試験を進めています。ポストメイツのインフラを活用し、日用品、食品などを自動で配送。利用者には日常の負担が軽減されるというメリットを提示し、試験を行っているところです。

3.西友との関係性について

日本の東京都を拠点としてスーパーマーケットチェーン事業を展開している合同会社 西友は、2002年に住友商事の仲介によってウォルマート・ストアーズと包括的業務、資本提携を行い、結果的にウォルマートは西友を子会社化しました。

西友は、2000年から西友ネットスーパー事業を先行、2001年には約30店舗の大量出店に踏み切るなどの経営戦略を採ってきました。しかし、出店した新規店舗の売上が伸び悩むなど業績に好調な反映が見られず、ウォルマートの傘下へ入ることが決定されました。

2004年の業務・資本提携から、経費節減、早期退職制度による人員削減等を経て、2005年に行われた増資引受によりウォルマートの出資比率が過半数を越え、西友はウォルマートの子会社となったのです。

2008年には、分社となっていた北海道西友、東北西友、九州西友、サニー、エス・エス・ブイの5社を吸収合併し、スーパー事業は一本化。これらの各種施策によって経営の再建は続けられており、商品については国際物流網を活用して低価格戦略を維持しつつ、来客数や売上高の回復が見られています。近年では、西友が運営し続けているネットスーパー「SEIYUドットコム」内のコンテンツ等のリニューアルなども進められています。

ウォルマート流の店舗形態として、ワンフロア店舗である「スーパーセンター」、大型店舗の「リヴィン(LIVIN)」、総合スーパーとなる「ザ・モール」、ネイバーフッド型である「西友楽市」、専門店型店舗「EPO」などの運営形態が見られます。

商品管理システムとして、ウォルマートで採用されているシステムが導入されているのも子会社化の影響といえます。代表的なシステムとしては、店頭商品を単品管理する「スマートシステム」や、商品情報・在庫情報などの管理を取引先と共有して管理する「リテールリンク」等が導入されています。

4.楽天との提携について

日本の東京都世田谷区に拠点を置く楽天株式会社は、ECモールを中心とした事業体としてスタートした企業。ECモールは「楽天市場」として知られ、AmazonやeBayなどと同様、インターネット上で注文を受けるショッピングサイトとして運営されています。

ウォルマートはこの楽天と2018年12月から業務提携を行うことになりました。内容は、楽天株式会社が運営する「楽天市場」において、日本初となるウォルマートのECサイト「ウォルマート楽天市場店」をオープンさせるというもの。

ウォルマート楽天市場店ではファッション、アウトドアグッズ、おもちゃなどの種類の商品約1,200点の取り扱いが開始されます。注文を受けた商品は米国で梱包され、日本のユーザーへ直接空輸されます。

通常であれば、米国からの購入には個人輸入という形式がとられるはず。ウォルマート楽天市場店での購入においてユーザーが得られるメリットは、国内でのショッピングと同様の手順で買い物をするだけでよく、海外からの個人輸入であるということを意識すらせずに購入行動ができるという点です。

今回の提携は、ウォルマートの顧客や楽天会員に向け、ウォルマートと楽天との戦略的提携の一環であることを発表しています。

5.まとめ

ウォルマートは、世界最大の売上額を誇るアメリカ合衆国のスーパーマーケットチェーン・小売業の企業です。

創業以降、数々の提携、子会社化を推し進めてきました。アメリカ合衆国の自動車メーカー、フォードや、日本のスーパーマーケットチェーンである西友、ECモールを運営する楽天株式会社など、積極的に業務提携を進めています。これからも注目をしていきたい会社ではないでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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