ブラック・サバス:歴史に残してきたダークネスなリフ10曲

(Public Domain /‘Black Sabbath (1970)’ by Vertigo Records. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

3大ハードロック・バンドとして名を残しているブラック・サバス。ヘヴィメタルの元祖とも言われています。そんな伝説的なバンドが残した、ダークネスなリフ楽曲集を10曲紹介します。

レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルとともに3大ハードロック・バンドに数えられているブラック・サバス。ハードロックに分類されると同時に、その楽曲のヘヴィさからヘヴィメタルの元祖とも言われています。

ロックの新たな扉を開いたことでも有名で、その特徴はダークネスで印象的なリフを用いた楽曲。リフを生んだのはブラック・サバスのギタリスト、トニー・アイオミで、別名リフマスターとも呼ばれています。

Black Sabbath:恐怖の黒い安息日

この曲を初めて聴いたとき、鳥肌が立ちました。その理由は「衝撃的でかっこいいから」、「ギターサウンドとリフに痺れるから」みたいなものではなく、「恐怖」の一言に限ります。ハードロックは激しく爽快で、聴いた後は清々しくなることが多いのですが、「Black sabbath」はかなりスローテンポで進んでいきます。このスローさがとにかく奇妙なのです。

そして、転調してからは急激に激しくスピーディーになり、気づけば半分放心状態で音そのものに飲み込まれていきます。これがブラック・サバスの人を虜にするマジックです。リフの変化に引き込まれていくのです。

バンド名:ブラック・サバス
ファーストアルバム名:ブラック・サバス
アルバム冒頭の楽曲名:ブラック・サバス

ここまでされると、驚異的な洗脳戦略のように思えますね。

The Wizard:ハーモニカ吹きの魔法使い

「The Wizard」もファーストアルバムに収録された楽曲。ヘヴィなサウンドとハードなリフが印象的です。ヘヴィメタルを意識させる片鱗も感じます。また、ハーモニカが奇妙な空気感を滲み出しており、怖さを増しています。ハーモニカの音が奇妙、怖いと感じたのは正直初めてでした。

「The Wizard」というタイトルは、指輪物語に出てくるガンダルフをイメージしているといいます。どちらかというとサルマンのような雰囲気に感じますが。

N.I.B.:グルーヴィーなリフ

光をもたらすという意味をもつ悪魔、ルシファーの名が歌詞に入っており、悪魔や堕天使にふさわしいダークネスな雰囲気がブラック・サバス感を醸し出しています。
ファーストアルバム「Black Sabbath」に収録されている楽曲で、イントロは印象的なベースソロです。また、ノリの良いグルーブ感がダークネスな雰囲気にピッタリです。

ファーストアルバムの中でも、最も記憶に残るリフとも呼べるでしょう。パワーコードが繰り返されるリフでも、ありがちで単純なものでないのが彼らの特徴でもあります。

War Pigs:重く気だるいサバスを代表するリフ

2枚目のアルバム「Paranoid」がイギリスで1位を獲得する大ヒットになるのですが、その1曲目である「War Pigs」を紹介します。下腹部を押されるようなヘヴィなギターサウンドから始まる楽曲です。

この重く気だるいギターが、まさにブラック・サバスの真骨頂とも言うべきでしょう。聴けば聴くほど沼にハマっていきます。パワーコードで推し切ったリフは、印象に残ること間違いなし。ギターの重く歪んだ音が声の低い男のうめき声のようで、ヘッドホンで聴くと一瞬ビックリします。

また、この曲はドラムが暴れまわれる楽曲としても面白く、ドラムのビル・ワードの個性が抜きに出ているところも聴きどころです。

Iron Man:脳裏に焼きつくリフ

ブラック・サバスの楽曲の中で最も有名で、リフ好きなら知っている人も多いはず。特にイギリスで人気を獲得した楽曲でもあります。
正直私は初めて聴いた時、純粋に聴きづらいと感じました。

しかし一度聴き終わると、リフが脳裏に焼き付いてしまい、いつしかもう一度聴きたいと感じるようになります。ブラック・サバスにハマってしまった瞬間でもありました。このリフをさらに印象付けているのはボーカル、オジー・オズボーンのリフに合わせた歌でしょう。

ギターとベース、そしてボーカルまでもがリフの上に乗っかっているのです。

Sweet Leaf:ダウンチューニングでダークネス度がアップ

「Sweet Leaf」が収録されているアルバムから、ギターを1音半ダウンチューニングして弾いています。

ダウンチューニングすることで、のゔぇ〜としたドロドロ感とダークネス感はさらに高まり、ブラック・サバスの世界観がより一層ヘヴィになったアルバムでもありました。また、トニー・アイオミは右手の中指と薬指を切断しているため、弦も押さえやすくなったといいます。

「Sweet Leaf」のわかりやすいリフと転調した後のスピーディーなテンポが、緩急が付いていて面白いです。ブラック・サバスの楽曲は、この転調後との差を楽しむこともできます。

Supernaut:重厚感と実験的なサウンドが面白い

4枚目のアルバム「Vol.4」は、今までのヘヴィでドロドロとしたサウンドだけでなく、幅広いサウンドを聴かせてくれるアルバムです。今までリフで押し通してきたブラック・サバスですが、「Vol.4」ではメロトロンを用いたピアノバラードを聴くことができます。

そのような楽曲の中でも「Supernaut」は、地響きのようなべヴィサウンドとなっています。ソリッドなギターのリフが疾走感溢れるテンポとともに、ハードなノリを感じます。個人的にブラック・サバスの中でもっとも好きな楽曲・リフかもしれません。また、曲の中盤で繰り広げられるアコギとパーカッションが今までにない表現で面白くなっています。

ブラック・サバスの新たな姿も垣間見える楽曲です。

Sabbath Bloody Sabbath:新たな幕開け血まみれの安息日

5枚目のアルバムは「Sabbath Bloody Sabbath(血まみれの安息日)」というタイトルで、一曲目の楽曲名も「Sabbath Bloody Sabbath」となっています。

彼らは「Vol.4」をリリースしてから、全く楽曲が作れなくなったといいます。古城クリアウェルの力を借り、新たな楽曲を創造する力を得たという逸話が残っているほどスランプに陥っていたようです。

「Sabbath Bloody Sabbath」は初期のダークネスなブラック・サバスの雰囲気を保ちつつ、随所にアコースティックなサウンドも取り入れ、ヘヴィかつハードに仕上がっています。また、バラードの要素もあり、ミュート音を活かした重低音が響くメタルと呼べる楽曲です。

Heaven and Hell:ディオのボーカルが冴える新たなサバス

結成当時からボーカルを担当してきたメタルの帝王オジー・オズボーンは、1979年に解雇されます。後任としてバンドに参加したのが、レインボーのボーカルだったロニー・ジェイムズ・ディオです。

オジーが在籍していた70年代後半のサバスは、イギリスでもトップ10入りを逃すなど人気の低迷が問題になっていました。しかし、ディオが加入してからリリースしたアルバム「Heaven and Hell」はトップ10に復活しています。ディオは圧倒的に歌がうまい!と感じさせるアルバムになっており、サウンドもブラック・サバス感を残しながら、疾走感あるハードロックに近いメタルに変わっています。

パワーコードの魔術師とも呼べるトニー・アイオミのリフが、ディオの高らかなボーカルにピッタリなサウンドになっています。また「Heaven and Hell」は、ゴリゴリのリフ推しの楽曲でないところがちょっと残念ではありますが、新たなサバスを感じられます。

Loner:オジーの復活と元祖サバスサウンド

ブラック・サバスはディオの在籍時も人気を博し、活躍を続けました。しかし、その後はディオが脱退したこともあり、オリジナルメンバーはトニー・アイオミしか残らなかったのです。そんな中、2013年にドラム、ビル・ワードを除いたオリジナルメンバーが集結し、ブラック・サバス最後のアルバム「13」をリリースします。

ディオ在籍時には、ディオに合わせたスピーディーなサウンドを聴かせてくれましたが、「13」では初期のブラック・サバスが復活したかのようなサウンドを聴くことができます。特に「Loner」は最初のギターが素晴らしく、サバスファンにはたまらない感動的なリフなのです。

さらにこのアルバムは、初の全米1位を獲得します。ブラック・サバスがいかに愛されていたバンドかがわかる結果になりました。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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