マダガスカル:自然芸術の宝箱、インド洋の島国

マダガスカルはアフリカ大陸の南東にある、独自の生態系を持ち自然の恩恵と共に成長してきた島国です。そんなマダガスカルの魅力をたっぷりとご紹介します。

人類が最後に定住した地

「マダガスカル共和国」、通称「マダガスカル(Madagascar)」はアフリカ大陸の南西インド洋に浮かぶ、マダガスカル島とその周辺の島々で構成される国です。マダガスカル諸島の中で最も大きく、国の中核を担う「マダガスカル島」は世界でも4番目に大きな島でもあります。気候は雨季と乾季があり東西の気候差が大きく、大陸からの分離の際に生まれた断崖の地形や熱帯雨林が有名です。

マダガスカルには独自の進化を遂げた動植物が数多く生息し、確認されている動植物のうちの約90パーセント以上が固有種です。「タビビトノキ(Traveller’s Tree)」はこの国の象徴的な固有種の一つと言え、国章にも使用されています。

また、マダガスカルの代表的な動物「キツネザル(Lemur catta)」や「アイアイ(Aye-aye)」などのサルの仲間だけでも約100種類が生息しています。

インド洋に浮かぶ絶海の島国、マダガスカルには風土がもたらす素晴らしい景色や歴史が紡いだ文化、そして世界でも屈指の生物多様性があります。そんなマダガスカルの見所を紹介してゆきます。

自然の芸術「バオバブの並木道」

マダガスカルを代表する景勝地「バオバブの並木道(Avenue of the Baobabs)」は、マダガスカル南西に位置する「モロンダバ(Morondava)」という町にあります。樹齢が約数千年ともいわれる「バオバブ(Baobab)」の木が25本〜30本も林立している光景は、世界でもここでしか見ることができません。ここは元々熱帯雨林があった場所ですが、人口の増加に伴い多くの木は切り倒されました。しかしバオバブは現地の人々にとって信仰の対象であったため切り倒されることがなく、現在のような光景になったそうです。

また言い伝えによると「バオバブは、悪魔が巨木を引っこ抜いて逆さまに地面に突っ込んだからこんな見た目になった」といわれています。立ち並ぶバオバブを見ていると、そんな逸話もあながち嘘ではないと思えてくるから不思議です。バオバブの木の高さは約30メートル、幹の太さは約10メートルにもなり、中には10トンもの水が貯蔵されており乾季になると休眠しこの水で生き永らえるという特徴があります。

このバオバブの並木道には、マダガスカルに自生する6種類のバオバブ全てがあります。中でも注目を集めているのが「愛し合うバオバブ」です。一本のバオバブの根元が2つに分かれ、絡み合う光景は、まるで情熱的なハグのように見えます。

1943年に出版された世界的な文学作品、「星の王子様(Little Prince)」の中にもバオバブが登場します。作中では放置すると星を破壊してしまう有害な木として登場しましたが、現地では実を食べたりするくらい親しみ深い木なのです。また、この並木は夕暮れ時が特に絶景です。マダガスカルを訪れた際には、バオバブの並木道は必見です。

空を衝く無数の尖塔「ツィンギ・デ・ベマラハ」

モロンダバから約150キロメートル離れたところにある「ツィンギ・デ・ベマハラ(Tsingy de Bemaraha)」は、自然の生んだ神秘のスポットです。ツィンギとはマダガスカル語で「先端、尖った」を意味します。その名とおり大地から伸びた無数の尖塔のような岩は、何万年もの歳月を経て侵食され鋭く尖った石灰岩です。

1990年には「ツィンギ・デ・ベマラハ厳正自然保護区(Tsingy de Bemaraha Strict Nature Reserve)」として、ユネスコ世界遺産に認定されました。周辺は広大なサバンナが広がる乾燥した土地である上に、雨が降ってもその形状のせいで隙間に吸収されてしまい水を蓄えることができないため、周辺の動植物は特に乾燥に強い生き物だけが残りました。

奇岩が林立するツィンギ・デ・ベラマハ。1,520平方キロメートルにも及ぶ広大な土地を堪能するには、上空からの鑑賞がオススメです。どの岩も鋭く尖っているとはいえ、その形は実に様々で驚かれるでしょう。

また、マダガスカルの北部には「レッド・ツィンギ(Red Tsingy)」と呼ばれる景勝地もあります。こちらは、ツィンギ・デ・ベマラハよりも優しい尖り方をしていて、砂岩でできています。

マダガスカル屈指のリゾート地「ノシ・ベ」

「ノシ・ベ(Nosy Be)」は、マダガスカル島から北西におよそ8キロメートル先に浮かび、マダガスカル語で「大きな島」を意味するマダガスカル最大のリゾート地です。年間を通じて気候が安定しているノシ・べでは、澄み渡るようなエメラルド・ブルーの海と白い砂浜、輝く太陽など、すばらしい自然の恵を味わうことができます。マダガスカルでゆったりとした時間を過ごすのであれば、ノシ・べ以上に適した場所はないでしょう。

美しい海が魅力のノシ・べ。島内には自然保護区もあり、太古の姿のままの自然が今も残されています。また、ノシ・べは古くから「香料の島」として有名で、リラックス効果がある香料「イラン・イラン(ilang-ilang)」の原産地でもあります。

マダガスカルでも最大のリゾート地であるノシ・ベ広がる景色は、さながら地上の楽園のようです。澄み渡った海を眺めたり、ダイビングを楽しんだり、近郊に出没するというクジラを眺める「ホエール・ウォッチング」に参加したりするのもよいでしょう。ノシ・ベでの滞在は、あなたの人生の中でも一際輝く贅沢なひと時となるでしょう。

マダガスカルが誇る動植物の多様性「ペリネ特別保護区」

マダガスカルの生物の多様性は、世界で最も豊かと言っても過言ではありません。そしてその真髄に触れられる場所が「ペリネ特別保護区(Perine Special Reserve)」です。マダガスカル東部に位置するこの保護区では「インドリ(Indri)」というサルを見ることができます。インドリはマダガスカルの固有種で、全身を覆う特徴的な白と黒の体毛が印象的です。体長は約57.5–69.5センチメートル、体重は約6–7.5キログラムとキツネザル類の中では最大の大きさです。またその特徴的な見た目からこの地では祖先の化身とされ、大切にされてきました。

昼行性のインドリは主に午前中、大きな鳴き声を発します。その鳴き声を聞くため、多くの人が朝早くから森の中へと出かけるそうです。この保護区の野生動物に出会いたい方は日帰り可能なサファリツアーへの参加がオススメです。また、現地に宿泊してナイトサファリに参加することも可能です。マダガスカルに住む生物の多様性の神秘を体験してみてください。

インド洋に浮かぶ絶海の島国「マダガスカル」の魅力

インド洋に浮かぶ生物多様性の国、マダガスカル。バオバブの並木道や、空を衝く無数の尖塔が美しいツィンギ・デ・ベマラハ、澄み渡る紺碧の海をたたえるリゾート地ノシ・べなど、さまざまな見所を紹介してきました。世界でも4番目の大きさを誇る島で、マダガスカルの広大な国土には数え切れない魅力が溢れています。

※アンタナナリボの町の空撮

国の中心にある首都アンタナナリボの「イヴァトゥ国際空港(Seranam-piaramanidin’ Ivato)」は、どこに出向くにも最適の場所にあります。インド洋に佇むこの国の魅力を知るためには、自分で足を運んでみるのが一番です。長い歴史と独自の生態系がずっと受け継がれてきたマダガスカルの神秘的な魅力を、ぜひあなた自身で体感してみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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