ナミビア:世界最古の砂漠をたたえる国

世界遺産「ナミブ砂漠」をご存知でしょうか?ユネスコ世界遺産にも登録されているこの砂漠は世界最古の砂漠といわれており、神秘的な魅力で世界中から多くの人を呼び寄せています。そんなナミブ砂漠が広がる国、ナミビアの魅力をお伝えしていきます。

アフリカ南西部の国「ナミビア」

「ナミビア共和国(Republic of Namibia)」は、アフリカ大陸の南西部に位置する国で、西は大西洋に面し、南は南アフリカ共和国と国境を接しています。首都は「ウィントフック(Windhoek)」で、中世ドイツの街並みを残した美しい街です。国全土が乾燥帯にあたるナミビアは年間で300日近くが晴天な上、海岸付近では海流の影響を受け濃霧が発生しやすくなっています。

1884年から1915年までドイツの植民地となっていましたが1990年に独立を果たし、現在のナミビアという国名になりました。ナミビアを語る際に「ナミブ砂漠」を外すことはできません。南北1,288キロメートル、東西の幅は48〜161キロメートルに及ぶ広大すぎる砂漠は、現地の主要民族サン人の言葉で「なにもない」という意味を持っています。

世界最古の大砂漠「ナミブ砂漠」

ナミブ砂漠は砂漠以外に何もないひたすら広大な空間が広がっています。眼前に現れるのは幾重も連なった赤土色の砂の山と、砂丘が重なり遠くまで果てしなく続く光景のみです。

ナミブ砂漠の総面積は約50,000平方キロメートルで、2013年にはそのひときわ優れた美しい自然の姿が評価され「ナミブ砂海(Namib Sand Sea)」という登録名でユネスコ世界遺産にも登録されました。およそ8,000万年前に誕生し、古代から変わらぬ姿を保ち続けているこの砂漠の織り成す風景をみていると、まるでほかの惑星を訪れているかのような錯覚に陥ります。

砂漠でありながら霧が発生することもナミブ砂漠の特徴のひとつです。その原因は海上から流れてくる霧で砂漠の内陸約100キロメートルにまで侵入し、砂漠に生息する生物の多くはこの霧がもたらす水分で生命を維持しています。また、霧が発生した際のナミブ砂漠はとても幻想的な光景になります。ナミブ砂漠の霧に遭遇できる確率はそれほど低いものではないので、それを狙って訪れてみるのもいいかもしれません。砂漠と霧という一見相反するように思われるものが同じ場所に存在するなんて、なんともロマンチックですね。

「デューン45」で世界一番美しい砂漠の朝焼けを

「デューン45(Dune45)」はナミブ砂漠の中で数少ない、登頂が許可されている砂丘のひとつです。「45」とは、砂漠の入口からの距離(45キロ)を意味しています。まるで人工物のようななめらかで美しい曲線を描くキメの細かい砂の小山は、広大なナミブ砂漠の中でもひときわ美しい砂粒と外観です。ナミブ砂漠に訪れたら、必ず足を運んでおきたい場所です。

デューン45の美しい姿を堪能するためにオススメなのは、朝の時間帯です。オレンジの砂丘が朝日に照らされるシーンは息を飲むほど神秘的で、これが砂でできているとは信じられなくなってしまいそうです。またいろいろな方法で観賞することができ、地上から眺めるほか、気球に乗って空からの眺めを堪能できるツアーも用意されています。あまりにも美しい砂漠の朝焼けを、ぜひご覧ください。

ナミブ砂漠のハイライト「ソサスブレイ」

「ソサスブレイ(Sossus Vlei)」はナミブ砂漠の深部に位置する世界でも最大の砂丘群で、視界に360度広がる砂丘を目にすることができます。高さ300メートルにもなる巨大なサラサラと流れる砂の丘をトレッキングしてみることは、貴重な経験となるでしょう。

ソサスブレイの最深部に位置する「デッドブレイ(Dead Vlei)」も必見です。この場所は数百年前に干ばつしていて、デッドブレイとは「死の谷」を意味します。痩せて白くなった大地、枯れて太陽に焼かれて黒くなった木々、青い空と橙色の砂丘が織りなす光景は不思議で、太陽の位置次第では本当に絵画のように見えるときもあります。

世界最古の砂漠で、世界最高峰の星空を

ナミブ砂漠は世界でも屈指の星空が見られる場所としても有名です。ナミブ砂漠は世界でも有数の星空が美しい場所であり「国際ダークスカイ協会」による、世界にたった3ヶ所しかない星空保護区の最高位「星空金賞(Gold Tier)」に認定されています。ニュージーランドのテカポ湖、アイルランドのアイベラ半島と並ぶ星空金賞認定の地であるだけでなく、ナミブ砂漠は南半球に位置するため「南十字星(Southern Cross)」や、星空に映える雲状の光の帯「天の川(Milky Way)」も見ることができます。静寂が流れるナミブ砂漠で幻想的な夜のひと時を過ごせることでしょう。

ナミビアの港町「ウォルビスベイ」

「ウォルビスベイ(Walvis Bay)」は首都ウィントフックの西に位置する港町で、ナミブ砂漠からも近く、町の郊外にはナミブ砂漠の砂丘のひとつ「デューン7(Dune7)」があります。デューン7にはバギーやサンドボードなどのアクティビティも豊富に用意されているので、デューン45とはまた違った楽しみ方ができることでしょう。

ウォルビスベイ近郊での見所は、鳥類保護区になっているラグーンです。ラグーンとは簡単にいえば浅瀬のことで、そこにはさまざまな種類の鳥類が降り立ちます。中でも特に目を引くのはフラミンゴで、ウォルビスベイのラグーンに訪れるフラミンゴの数はアフリカ南部に生息するうちの50%にものぼるといわれています。鮮やかなピンク色の姿が一面を覆う光景は、絶景というほかありません。

また夕暮れの時間帯はとても美しく、夕焼けの色とフラミンゴのピンクが彩るラグーンはとても幻想的。ナミブ砂漠の赤土色とは違う色の鮮やかな自然を目にすることができ、ナミビアに満ちた野生動物の息吹をふんだんに感じることができるかと思います。

ナミビアのマッターホルン「シュピッツコッペ」

「シュピッツコッペ(Spitzkoppe)」はナミブ砂漠の中央近くに位置する岩山群です。野生的でゴツゴツとした岩肌をしていて、最も高いものは1728メートルにもなります。特徴的な形の岩や、荒涼とした風景、澄み渡る空の下堂々とした佇まいを見せるシュピッツコッペは、ナミブ砂漠とは全く違った魅力を持っています。

シュピッツコッペは、頂上まで登山をすることが可能です。また、ボルダリングやフリークライミングなどのアクティビティも完備されているので、アクティブにナミビアを楽しみたいという方にはうってつけでしょう。その雄大な佇まいから「ナミビアのマッターホルン」とも呼ばれるシュピッツコッペへぜひ足を運んでみてください。

ナミブ砂漠の懐、ナミビアで印象に残る滞在を

広大なナミブ砂漠には、砂と空と太陽しか存在しない神秘の空間が広がっています。これはここでしか体感することができない、まさしく地球の神秘といえます。そんな、少し非現実的な時間をナミビアで過ごしてみてはいかがでしょうか?

ナミビアへのアクセスは「ウィンドフック・ホセア・クタコ国際空港(indhoek Hosea Kutako International Airport)」から。荒涼とした大地にそびえる、ナミビアの玄関口です。一面に広がるナミブ砂漠の夕暮れや世界でも屈指の星空など、自然の見どころがたくさんある国ナミビア。ぜひ次の旅の目的地は、ナミビアにしてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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