エジプト・カイロ:砂漠に佇むエジプトの至宝

カイロは中東の国エジプトの至宝。「ギザの3大ピラミッド」に代表されるように、世界的にも有名な歴史的な名所をいくつも抱える、エジプトの首都である。街には新市街と旧市街が広がり、現在と過去の時間のコントラストを、全身で感じることができるだろう。世界的に名を馳せる、中東の国エジプトの首都カイロの魅力、紹介していこう。

エジプトの至宝、首都「カイロ」

中東とアフリカ大陸の間に位置する国エジプト。「エジプトはナイルの賜物」ともいわれ、紀元前3000年頃には、すでにその地に国家が根付いていたとされています。「カイロ(Cairo)」は、古代からの歴史を誇る国、エジプトの首都にして中東を代表する世界的な都市のひとつです。エジプトの国土の南東部に位置しており、アフリカ大陸よりも中東の国々への距離のほうが近いです。

カイロの街並みに残る旧市街は、その歴史的な価値と役割が評価され、1979年にユネスコ世界遺産に登録。2007年に現在の登録名「カイロ歴史地区(Historic Cairo)」に改称されました。この事実からも、カイロの街の歴史的な価値や重要性を、感じ取ることができるでしょう。悠久の昔から時間を重ねて育まれたエジプトの存在感や文化。その影響を一身に受け止め具体化した街がカイロです。名実共にアラブ文化の中心地といえるでしょう。

エジプトの国土を横断する、アフリカでも最長級の川「ナイル川(The Nile)」。カイロが位置しているのは、ナイル川が形成したデルタ地帯、三角州のほぼ南端です。古代には未開の地に、現在のカイロの街が誕生したのは969年のこと。1922年、エジプトが独立と同時にカイロは首都の役割を担うようになりました。世界でも屈指の長い歴史を誇るエジプトに、首都が生まれた瞬間です。

現在のカイロには新市街、旧市街、カイロで最も古い市街地といわれる「オールド・カイロ」が存在します。新市街では文化の中心、ビジネス街の側面を持つカイロの姿を。旧市街ではイスラムの歴史が色濃く残る、中東文化の風を。そしてオールド・カイロでは、長く歴史を紡いだカイロの街の表情を、垣間見ることができるでしょう。街に溢れる魅力。砂漠のように壮大なその佇まい、知らずに時を過ごすのはもったいないでしょう。

世界に誇る砂漠の芸術「ギザの大ピラミッド」

「ギザの大ピラミッド(Great Pyramid of Giza)」は、エジプトを代表する神秘の建造物です。エジプトの代名詞といっても、過言ではないでしょう。古代における「世界七不思議(Seven Wonders of the World)」の中で唯一現存する建造物としても、その名を世界に馳せています。エジプトといったら真っ先に思いつく建造物であり、シンボル的な存在。その正体には諸説ありますが、古代エジプト王の墓という見方が色濃いといいます。

大ピラミッドが位置するギザは、カイロの中心から、約15㎞の地点に位置しています。ときに「金字塔」と表現されるピラミッドの神秘的な佇まいを一目見るために、連日世界から多くの人々が、ギザの地に足を運んでいるといいます。「ギザの3大ピラミッド」と呼ばれる巨大な3つのピラミッドと、人間の顔とライオンの身体を併せ持った神聖な存在の「スフィンクス」が堂々と砂漠の中に鎮座。その存在感には、舌を巻くことでしょう。

「クフ王のピラミッド(Great Pyramid of Giza)」は、ギザのピラミッドの代表です。3大ピラミッドの中でも最大の大きさを誇っており、完成当初の高さは146.6m。紀元前2500年頃に、およそ20年の歳月をかけて完成したといわれています。クフ王のピラミッドは合計で230万個の石灰岩や花崗岩(かこうがん)が使用されており、ピラミッド建築の頂点とも形容されるほどの、完成度になっています。偉大で壮大な存在感は、唯一無二のものでしょう。

クフ王のピラミッド内部は、見学が可能です。本来の入り口は現在封鎖されており、盗掘用に開けられた穴から入場するようになっています。内部を歩くときの気分はさながら、砂漠の宝を探しに訪れた冒険家です。遥かな昔から紡がれた歴史を体感する、またとない機会となるでしょう。

ギザにある「太陽の船博物館」では、クフ王のピラミッドから発見された2艘の「太陽の船(Khufu Ship)」が展示されています。併せてお見逃しないように。

「カフラー王のピラミッド(Khafre’s Pyramid)」は、中央に位置するピラミッド。クフ王の息子に当たるカフラー王のためのピラミッドで、その高さは136mに及びます。カフラー王のピラミッドの見所は、参道の入り口に鎮座する「ギザの大スフィンクス(Great Sphinx of Giza)」でしょう。ピラミッドの存在感に負けずとも劣らない、堂々たる佇まいは必見といえます。スフィンクスは岩山を削り出して作り出した巨大な石像。一枚岩を使用した石像としては、世界最大の規模を誇るのだとか。ピラミッド以上に神秘的な雰囲気を醸し出すスフィンクスに、注目しないわけにはいきません。写真撮影にも最適の場所になっています。

「メンカウラー王のピラミッド(Menkaure’s Pyramid)」は、3大ピラミッドの中でも最も小さいもの、高さは約65mです。メンカウラー王はカフラー王の息子に当たります。規模こそ小さいとはいえ、メンカウラー王のピラミッドの作りや構造はほかの2つのピラミッドに比べても遜色ないほど。たたえる厳かな雰囲気からも、その事実を感じ取ることができるでしょう。南に3基並んだ、王妃のためのピラミッド群も、見逃すわけにはいかないでしょう。

エジプトの歴史を遡る場所「エジプト考古学博物館」

エジプトの古代から続く長い時間の旅。その旅のひとつの集大成ともいえる、歴史的な遺産を見ることができる場所が「エジプト考古学博物館(The Egyptian Museum」です。総収蔵点数20万点以上。その数は遺跡の発掘が進むにつれて、年々増え続けているといわれています。展示をしている部屋の数は合計で100以上にも及び、一日かけても隅々まで回りきることは難しいでしょう。展示品のどれもが魅力的で心奪われること間違いなしです。

古代エジプト第18王朝のファラオ「ツタンカーメン(Tutankhamun)」の黄金のマスクは、あまりに有名です。博物館内はほかにも歴代の王をモチーフにした立像や、黄金の玉座にミイラなど、エジプトの至宝ともいえる価値ある宝が所狭しに展示されています。気づけばあなたも、時間を忘れて古代エジプトの時間の旅に没頭していることでしょう。遥かに長い時間を過ごした、エジプト文化の象徴に出会える場所。ぜひ足を運んでみてください。

カイロ旧市街に佇む壮大なモスク「ムハンマド・アリー・モスク」

「ムハンマド・アリー・モスク」は、カイロの世界遺産「カイロ歴史地区」に建造されたモスクです。オスマン様式で建造されたムハンマド・アリー・モスクのモデルとなったのは、トルコにある「アヤソフィア大聖堂」。エジプトに点在するモスクの中でもひときわ注目を集める独自の外観は、トルコがルーツになっています。連なるドーム型の天井と、ミナレット(尖塔)が目を引く外観は、とても印象的。土色をした外壁は、陽光が当たるとさながら黄金のように、鮮やかな色味をたたえます。

ムハンマド・アリー・モスク内部は、天井から吊るされたいくつもの電灯が揺らめく、神秘的な空間です。煌々と輝く電灯の数は、一年の日数と同じ365個にもなるそうです。静寂な空気が漂う中、揺らめく電灯を数えてみるのもよいでしょう。天井を見上げると、そこには溢れんばかりの装飾が施されています。天井から壁に連なり伸びる装飾にも、目を向けてみるべきでしょう。足元は土足厳禁、赤絨毯が厳かな雰囲気を放ちながら広がっています。

モスク内部にある時計台や中庭も、荘厳な雰囲気を伴う絶好の見所。ムハンマド・アリー・モスクが佇む場所は、カイロ歴史地区にあるシタデル(城塞)の中です。シタデル内部には、ムハンマド・アリー・モスク以外のモスクや、博物館などの建造物が豊富です。散策してみるのも面白いでしょう。シタデルは高台に位置しているため、カイロの街並みを望む、鑑賞スポットとしても最適です。ゆっくり時間を確保して、訪れてみてください。

歴史の深淵に触れる街、エジプトの首都カイロの魅力

古代から悠久の時の流れを経てきた国、エジプト。カイロの街が建造されたのは10世紀のこととはいえ、それ以上に長い時の流れの存在感は、街に漂う神秘的な雰囲気に内包されています。これまで出会ったことのない、印象的な風景を目にすることもできるでしょう。砂漠の芸術ピラミッド、遥かな時間の流れを具現化したかのような遺産の数々、建物に色濃く反映されたエジプトの文化、イスラムの文化、全てがあなたの心に残るでしょう。

カイロの中に残された、最も古い街並みである「オールド・カイロ(Old Cairo)」。新市街、旧市街と異なる、コプト教の文化が根付いた地域です。オールド・カイロはコプト教の教会が点在しており、教会内部では伝統的なキリスト教の文化や絵画、鮮やかなステンドグラスを目にすることができます。エジプト最古のキリスト教会といわれる「ハンギング・チャーチ」もこの地域にあります。ほかの地域とは違った体験が、あなたを待っています。

中東とアフリカの狭間に位置するエジプトの首都カイロ。中心からおよそ20kmの距離に、「カイロ国際空港(Cairo International Airport)」はそびえています。カイロへのアクセスは容易でしょう。砂漠に佇む圧巻の歴史と遺跡の数々。カイロでしか見ることのできない風景、感じることができない香り、過ごすことができない時間が、あなたを待っています。次の旅の目的地は、砂漠に佇む世界都市カイロに定めてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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