ルクセンブルク:西ヨーロッパの小さな大国

西ヨーロッパに位置する国「ルクセンブルク」。世界で唯一の大公国として知られるこの国をあなたはご存知だろうか?かつて堅牢な要塞都市として発展を遂げた首都ルクセンブルクの街並みや、中世の雰囲気が色濃く残る建造物は、一度見たら心を鷲掴みされてしまうほどに魅力的。自然豊かなヨーロッパの公国、ルクセンブルクを紹介しよう。

ヨーロッパの小さな大国「ルクセンブルク」

「ルクセンブルク大公国」、通称ルクセンブルクは、西ヨーロッパに位置する立憲君主制国家です。ベルギーやオランダと合わせて「ベネルクス」と呼ばれることもあります。また、ルクセンブルクは世界で唯一、大公が統治する国であることでも有名。その立地から、周囲の国々を結ぶ要所としての役割も果たしてきました。

南北82m、東西57kmと国土は狭く、その多くには丘や低い山岳地帯が広がっています。地理的に欧州の中心地にあるため多言語を巧みに操る人が多く、フランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語の3つの言葉が公用語とされています。またルクセンブルクは世界的なビジネスの要所としても知られています。中でも金融業での成果は目覚ましく、その規模は世界の銀行とも呼ばれるスイスに負けずとも劣らないといいます。

ルクセンブルクの歴史の始まりは963年。「ジークフロイト伯爵」が、現在の首都がある場所に城を築いたことがキッカケです。当時、城は「Lucilinburhuc(小さなお城)」と呼ばれており、この言葉が変化して、現在のルクセンブルクの名称が生まれました。スペインやフランスなどの支配を受けた後、1815年にオランダの国王を大公として、ルクセンブルク大公国が誕生。その後歴史の変遷を経て、現在は世界で最も裕福な国の1つになっています。

豊かな自然と、いくつも丘陵地帯。ルクセンブルクは丘の上に築かれたお城を中心として発展を重ねてきました。ヨーロッパでも指折りの美しい自然と、文化の調和が楽しめる国であることは間違いないでしょう。森に佇む幻想的な雰囲気のお城や、世界遺産にも認定された中世の空気を色濃く残す旧市街も注目です。

ルクセンブルクの見所

豊かな自然を抱く国であるルクセンブルク。その国土には、歴史的に重要な役割を果たした首都「ルクセンブルク」の城塞都市としての名残りや、小スイスとも呼ばれる「エヒテルナハ」の素晴らしい街並み、森の中に雄大に佇む「ヴィアンデン城」などが残されています。ほかのヨーロッパの国々とは、一味違う個性を感じることができるでしょう。そんなルクセンブルクの見所を詳しく紹介していきます。

城塞都市の色濃い名残、首都「ルクセンブルク」

国と同じ名前を冠する首都「ルクセンブルク」は、国土の南に位置する堅牢な城塞都市です。標高は約500mと高所にあり、かつては難攻不落の城塞であったことから「北のジブラルタル」とも呼ばれています。経済と金融の中心的な役割も果たしておりますが市内には高層ビルなどは少なく、落ち着いた雰囲気が漂っています。ルクセンブルクの街の中には、今も歴史を感じさせる建物が多く残っています。

1994年に「ルクセンブルク、その古い街並みと要塞群」として、ユネスコ世界遺産に認定されたルクセンブルク。城壁と渓谷に囲まれた街の雰囲気は、さながら中世のよう。かつては周辺の王国を繋ぐための要所として栄えていたという歴史通り、山間に佇む鉄壁の城塞ともいえる荘厳な雰囲気をたたえています。

ルクセンブルク最古の街「エヒテルナハ」

「エヒテルナハ」はルクセンブルクの東にある、国内最古の街です。698年に建造されたエヒテルナハ修道院の周りに、人々が暮らし始めるかたちで街は発展してきました。ときに「小スイス」と呼ばれる街並みは、ドイツやスイスの町並みと重なり非常に印象的。エヒテルナハは山中にひっそり佇んでおり、自然と見事に調和した街並みは遠景でその姿をとらえてみるととても幻想的です。

絵のように美しいともいわれるエヒテルナハ。その周囲には、かつての城壁と塔が豊富に残されています。まるで中世にタイムスリップしたかのような気分を味わえるでしょう。街中に残る2つの教会の美しさにも注目です。緑が豊かなエヒテルナハは、散策にも最適。ショッピング可能なエリアやカフェ、レストランも充実しています。首都ルクセンブルクとは異なる色濃い中世の香りを是非堪能してください。

ルクセンブルクの象徴「ヴィアンデン城」

「ヴィアンデン城」はルクセンブルクに現存する最古のお城です。その歴史は11世紀にまで遡ることができます。ロマネスク様式とゴシック様式を取り入れたお城の見事なまでの美しさは必見です。ヴィアンデン城までは、首都ルクセンブルクから鉄道とバスでおよそ2時間の距離。山間に位置するためアクセスは少し手間ですが、それだけの時間をかける価値は十分にあります。

豊かな森の中に佇むヴィアンデン城の姿は、まさにおとぎ話に出てくるお城のよう。煤けたベージュの外壁、漆黒の屋根、尖塔やアーチ状の窓、すべてが美しく感じられます。城の内部は博物館として解放されているため、甲冑や武器など、当時の王侯貴族たちの生活を見て回ることができます。外部にはリフトが設置されており、山の中からお城の全景を望むことも可能ですよ。

ルクセンブルクを代表する教会「ノートルダム大聖堂」

「ノートルダム大聖堂」は、首都ルクセンブルクに建造された、国を代表するカトリックの教会です。首都の世界遺産の一部を構成しており、その歴史的な価値は高いといえるでしょう。ノートルダム大聖堂が建造されはじめたのは1613年。元々はイエズス会の教会としての役割を担っていました。現在に至るまでその壮麗な姿を維持している大聖堂は、ルクセンブルクでも特に必見の場所です。

ルネサンス様式とバロック様式を取り入れて建造された、ノートルダム大聖堂。外観に注目してみれば、鋭く尖ったいくつもの尖塔が、あなたの目を引くでしょう。その佇まいには、ただただ見惚れるばかりです。大聖堂の内側に目を向けると美しい模様が精緻に施された柱や、祭壇の後方に輝くステンドグラス。パイプオルガンに地下の礼拝堂など、大聖堂の内側にも見所が豊富に溢れています。

ルクセンブルクの君主が住まう場所「大公宮殿」

「大公宮殿」は、ルクセンブルクの君主たる大公と、その一家が住まう場所です。この建物はもともと市庁舎として16世紀に建造されたのですが、1891年から大公の住まう宮殿としての役割を果たすようになりました。外壁には印象的なアラベスクの模様が施されており、壮麗な雰囲気を放っています。内部を見ることができるのは残念ながら夏場のみです。その際にはツアーに参加することが必須ですが、豪華な調度品や装飾、ホールの佇まいは必見です。

西ヨーロッパの要所、「ルクセンブルク」の魅力を知る旅へ

名だたるヨーロッパの国に囲まれたルクセンブルク。国土こそ大きくはないものの、その魅力はほかのヨーロッパの国々に、負けずとも劣らないものです。首都ルクセンブルクの歴史と現在が見事に調和した街並み。豊かな繁栄がもたらすものなのか、街に漂う雰囲気は、非常に穏やかで懐深いものです。観光に訪れても、その街の雰囲気に溶け込むことは難しくはないでしょう。人々の表情からも、心なしか朗らかさを感じます。

ルクセンブルクの玄関口は「ルクセンブルク=フィンデル空港」です。飛行機が国土に降り立つ前から、その豊かな自然を目にすることができるでしょう。その輝きは、いくつもあるヨーロッパの大国の中にあっても、色褪せることはありません。小さな大国ルクセンブルク、次の旅の目的地にしてみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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