セネガル:西アフリカの玄関口

西アフリカの玄関口、大陸最西端に位置する国「セネガル」をご存知だろうか?世界で最も過酷といわれるモータースポーツ「ダカールラリー」、バラ色をたたえる神秘の湖「ラック・ローズ」はセネガルの名を世界に知らしめている重要な要素だろう。国内に点在する7つの世界遺産の存在も見逃せない。西アフリカの国セネガルの魅力、お伝えしていこう。

アフリカ大陸最西端「セネガル」

「セネガル共和国(Republic of Senegal)」、通称セネガルはアフリカ大陸の最西端、「サハラ砂漠」の最南端に位置する共和制国家です。南東にギニア、西には雄大な大西洋を望みます。古くからアフリカ交易の拠点として栄えてきたセネガル。国の名前は国土を流れる「セネガル川」に由来。「我々の船」を意味する国名は、交易で発展を重ねてきたセネガルの特徴を見事に表現しています。

セネガルの国土の多くは乾燥した平原地帯。熱帯乾燥性の気候を有し、季節は乾季と雨季が存在しています。アフリカの中でも比較的治安がよいといわれるセネガルは、観光に訪れるのにも最適でしょう。1444年にはポルトガルの人々が訪れ、その後フランスが統治、さまざまな歴史の変遷を重ねながら、1960年に独立に至りました。

その国土の中には7つの世界遺産を始めとした、驚くような名所や見所が溢れており、アフリカの中でも、ひときわ輝く魅力がある国といえます。歴史的な建造物や豊かな自然、珍しい鳥類が暮らしを営む国立公園など、セネガルに魅了される人は後を絶ちません。一度訪れたら心を鷲掴みされてしまう人も多いでしょう。

セネガル文化の中心地、首都「ダカール」

「ダカール」はセネガルの首都であり、ダカール州の州都。経済や文化、そして貿易の中心地として発展してきました。セネガルの中でも西側、大西洋に突き出た場所に位置しています。

「世界一過酷なモータースポーツ」とされる「ダカールラリー」の名称の由来であり、かつて終着点としての役割も果たしていたことから、ダカールの名前をご存知の人も多いでしょう。

「アフリカ・ルネサンスの像」はダカールに建造された超巨大なモニュメントです。その高さはなんと50m。この高さはニューヨークの象徴である「自由の女神」よりも高いとされています。勇猛な男性像、右手にはしなやかな女性像を、左肩には大西洋を指差した子供の像を掲げる姿は、理想化されたアフリカの家族を表しているといわれます。その迫力には舌を巻くばかりでしょう。

セネガルの明るい未来を連想させる印象的なモニュメント。内部に入ることができ、男性像の頭に設置された展望台部分からはダカールの街並みを一望することができます。ダカール中心街からのアクセスも容易なため、まず足を運んでみることをお勧めします。

また「ラック・ローズ」は、セネガルを代表する観光名所のひとつです。名前の由来は、乾季になると鮮やかなバラ色に染め上がる湖の外観から。正式な名称は「レトバ湖」ですが、ラック・ローズの名称が圧倒的に有名です。湖がバラ色になる秘密は、湖内に住んでいる藻類の存在。大量に生息している藻類は乾季になり、塩分濃度が上昇すると鮮やかな色素を産出。世にも珍しいバラ色の湖を生み出すのです。

ラック・ローズの塩分濃度は約40%、海水のおよそ10倍の濃度を誇ります。この塩分濃度は、身体が浮かぶことで有名なイスラエルの「死海」よりも濃いもの。ラック・ローズでも身体が水に浮かぶ神秘的な体験をすることができるでしょう。塩分濃度の高さから、周辺では塩の生産も盛んです。セネガル土産に塩を選んでみるのも良いでしょう。ダカールの中心街から約50km、車で約1時間の距離に位置しています。

セネガルの中心を担うダカール。その街並みはもちろん、周辺にもさまざまな見所が点在しています。観光の拠点としては最適ではないでしょうか。空港も近くに位置しているため、セネガルを訪れたらまず目指したい街です。

セネガルが誇る世界遺産「ゴレ島」

「ゴレ島」は、首都ダカールの沖合に浮かぶ島。ゴレ島はセネガルの悲しい歴史のひとつである「奴隷貿易」で栄えた島です。敷地内にはさまざまな建造物がその姿を残し、当時の様子を今に伝えています。その歴史的な背景から1978年にはユネスコ世界遺産に登録され、セネガルでも指折りの観光地となっています。同じ過ちを二度と繰り返さないための、楔としての役割もあるのでしょう。

ゴレ島の敷地内で、特に印象深い建物が「奴隷の家」です。ここには輸出されるのを待つ奴隷が収容されていたのです。一階正面にある「帰らざる扉」を出た後、彼らが再びここに戻ってくることは無かったと言います。2階部分は博物館になっており、当時の独房や足枷や鎖、歴史を描いた展示パネルを目にすることができます。

ゴレ島にはそのほか、フランスの統治時代を彷彿とさせる、さまざまな遺産が残されています。要塞や砲台などの軍事的なものから、西欧風の鮮やかな建築物群まで、その種類も多様です。博物館も軒を連ねているため、セネガルの歴史を知るのにもよいかもしれません。また多くの海洋生物の姿や生態を紹介した「海洋博物館」も建造されています。

現在のゴレ島には穏やかな時間が流れており、かつてのような悲しい出来事が起こることはないでしょう。アートの島としての側面を併せ持つゴレ島では、芸術作品の鑑賞の場も豊富です。中でも特筆すべきは「砂絵」でしょう。ところどころでアーティストによる作品を目にすることができるほか、砂絵の工房などを見つけることもできます。自分で製作をすることもできるようですよ。

フランス統治時代の街並みを残す「サン=ルイ島」

「サン=ルイ」はセネガルの北西部に位置する街。その中心に浮かぶ島が「サン=ルイ島」です。サン=ルイ島は2000年にユネスコ世界遺産に認定。セネガル川の河口に位置する三角州に浮かんでおり、本土との往来は橋を介しておこなわれています。島の長さは約2,500m、幅は350m、島の中央に残るかつてのフランス統治時代の街並みが、歴史的な評価を受けています。

サン=ルイ島の中心街、その街並みが建造されたのは1659年のことです。フランス領時代には首都としての役割を担っていたというサン=ルイ島。現在もその面影が色濃く残されており、街並みを望むだけでも当時の繁栄を思い起こすことができるでしょう。未だに健在なその鮮やかな色の街並みは、一見の価値ありです。ぜひとも訪れてみてはいかがでしょうか?

圧倒的な自然とマングローブの森「サルーム・デルタ」

「サルーム・デルタ」は、セネガルの南西部に位置する巨大な三角州地帯。その面積はおよそ5,000㎢にも及び、セネガルでも屈指の自然と野生動物の姿を目にすることができます。素晴らしい自然と多種多様な動植物の生態系から、2011年にユネスコ世界遺産に登録されました。またこの地で生活してきた人々が作り上げた数千年の歴史を経た貝塚群も見所。この景観も、世界遺産認定の主な理由のひとつです。

3つの川によって構成されているサルーム・デルタ。その敷地内部には200を超える島々や、圧巻のマングローブの森が形成されています。また、野鳥の繁殖地としても知られるサルームデルタは、多くの渡り鳥や海鳥が住み着いています。アフリカクロサギやヤシハゲワシ、ダイゼンなどの珍しく、そして可愛らしい鳥類の姿を間近で臨むことができるでしょう。定期的にツアーも開催されているようです。

西アフリカの玄関口、セネガルの魅力

歴史上交易を主に栄えてきたセネガル。その国土の中には、溢れんばかりの魅力が詰め込まれていました。首都ダカールに代表されるセネガルの街並み、歴史の歩みを現在に伝える場所、そしてセネガルが誇る圧倒的な大自然や動植物の多様性。そのどれもが、ほかのアフリカの国では味わうことができない、個性豊かな時間を、あなたの前に演出してくれます。

「ジュッジ国立公園」は、先に紹介した世界遺産サン=ルイから北へ約60kmの地点に位置する、鳥類の楽園です。1981年に世界遺産に認定された広大な敷地内には350種類以上、300万羽の野鳥が生命を紡いでいます。ペリカンやフラミンゴ、オナガガモなど、その種類は極めて多様。見たことがない野鳥の姿を見つけることもできるでしょう。5月〜10月の雨季期間は閉鎖しているため、乾季に向かいましょう。

見所豊富な国セネガル。その玄関口となるのは「ブレーズ・ジャーニュ国際空港」です。首都であるダカール近郊のため、街へのアクセスも難しくはないでしょう。歴史と自然に彩られたセネガルの地、堪能してみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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