アルジェリア:歴史が語る砂漠の国

アフリカ大陸の北西部に位置する国「アルジェリア」。その国土の多くは砂漠に覆われた乾燥地帯、人口の多くは北側に位置する地中海の沿岸部で暮らしを営んでいるという。アフリカが誇る野生の風景と、澄み渡る地中海の絶景、歴史を物語る建造物に、砂漠に広がる雄大な原始の風景、そのどれもがアルジェリアを語る上では欠かすことができない。

歴史と砂漠、「アルジェリア」

「アルジェリア民主人民共和国」、通称アルジェリアは、アフリカ大陸の北西部、マグリブ(日が沈む所、転じて西方の意)に位置する共和制の国家です。東にチュニジア、西にモロッコ、北には澄み渡る地中海と、絶好のロケーション。地中海のさらに北には、歴史上の関わりも深いフランスの国を望みます。アルジェリアの領土は非常に大きく、その大きさは現在アフリカ大陸で最大、世界でも10本の指に入るほどの国土面積を誇っています。

アルジェリアの国土の大半は、世界最大の砂漠である「サハラ砂漠」に覆われています。そのため、国土の多くは砂漠気候の乾燥地帯。なのでアルジェリアに住む人々の多くは地中海沿岸の北部に居を構えています。北側の気候は典型的な地中海性気候であり雨量も多く、主要な街も近郊に集中。滞在の際は、想像していたよりも快適な環境で過ごせるかもしれません。

アルジェリアの歴史は紀元前から続いています。8世紀にはイスラーム化し、オスマン帝国などの支配を経た後、19世紀にはフランス領となっています。その後1962年には独立を達成し、アルジェリア民主人民共和国が誕生しました。アルジェリアの国土には、サハラ砂漠の影響を色濃く受けた特殊な景観や、西欧風の街並み、そして歴史的な遺跡が多く残されています。そのどれもが、あなたの好奇心を刺激してくれることでしょう。

北アフリカのパリ、首都「アルジェ」

「アルジェ」は、アルジェリアの地中海の沿岸部に位置する首都です。国の首都であると同時に同国最大の街としても有名。地中海に面しているアルジェの街は、古くは要塞として発展を繰り返してきました。「北アフリカのパリ」とも呼ばれるアルジェの街、その街並みは西欧風、主に強く影響を受けたフランス風の建造物が軒を連ねています。白い外壁が印象的な、洗練された雰囲気が漂う街で、カミュ作の小説「異邦人」の舞台としても有名です。

「アルジェのカスバ」は、アルジェの一角にある旧市街。カスバとは要塞を意味する言葉です。元々はカスバの要塞だけを指した名前でしたが、それが徐々に街にも浸透、現在は街中全体を総称して、カスバと呼ばれています。16世紀、オスマン帝国領下で建造されたカスバの街。その歴史的、文化的な価値の高さから評価を受け、1992年にはユネスコ世界遺産に登録されています。

起伏に富み、高低差のあるカスバの街。その最大高低差は118mにも及ぶといいます。路地の多くは階段状になっており、かつ複雑に入り組んでいるそう。迂闊に足を踏み込めば、迷子になってしまうかもしれません。カスバに並ぶ家は互いに寄り添うように、支えるように建てられているのが特徴です。この建築スタイルは世界的にも珍しく、かつ立地は急勾配。建築の専門家たちも、このカスバの街並みには驚嘆の色を隠せないといいます。

かつては「白き都アルジェ」の異名をとっていたというカスバ。しかし、現在は老朽化が進み、一部には倒壊の危機も見られるといいます。ですが、それでもかつての街の雰囲気は健在です。宮殿やモスクのほか、高台には展望台が設置され、澄み渡る地中海の絶景を望むことができるでしょう。映画に登場することも多い街並みは一見の価値ありです。

「ノートルダム・ダフリク大聖堂」はカスバの北西、アルジェの街の旧市街に位置するキリスト教会です。19世紀に建造された教会は、ネオビサンチン様式を採用。ベージュの外壁に、ターコイズブルーの屋根、特に目を引くのは印象的なドーム天井でしょう。心なしか可愛らしい雰囲気をまとっています。アーチ状の窓の数々にも注目でしょう。

ノートルダム・ダフリーク教会内部の見所は、繊細なタッチで表現されたフレスコ画です。
幻想的な雰囲気を持った作品の数々は、見る者を魅了するでしょう。2階部分に設置されているパイプオルガンも、お見逃しないように。また、高台に位置する教会から望む地中海は絶景です。眼下に広がる街並みも美しいもの。教会自体はもちろん、そのロケーションも見過ごせません。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

古代ローマ帝国の名残を残す「ジェミラ遺跡」

「ジェミラ」は、アルジェリアの北東部に位置する山村。アラビア語で「美しいもの」を意味するジェミラ。その近郊には古くはローマ帝国時代の遺跡がありありと残されており、1982年にはユネスコ世界遺産に認定されています。現存するローマ帝国時代の遺跡の中でも、保存状態が極めてよいとされているこの場所には、あらゆる種類のローマ建築物が残されています。神殿や劇場はもちろん、集会場などもその姿を残す敷地内では、今でも当時の人々が生活を営んでいるような気がしてくるほどです。

山の地形に合わせて作られているジェミラの遺跡。入り口のすぐそばには博物館があり、遺跡内の豪邸の床に描かれていたモザイク画や彫像などが展示されています。美しい模様だけでなく、当時の狩猟や生活の様子がリアルに描かれており、当時この場所に暮らしていた人々の文化的な豊かさを垣間見ることができるでしょう。世界でも貴重なローマ帝国の遺産。雄大な山々の中、時間の流れに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

サハラに広がる月の風景「ホガール山地」

「ホガール山地」はアルジェリアの南、サハラ砂漠にある山地です。首都アルジェから南へ約1,500km。ホガール山地には、自然の侵食を大いに受けた奇岩群が形成されています。それらの標高は平均して約800m以上。アルジェリアの最高峰、2,918mを誇る「タハト山」もホガール山地に含まれています。ホガール山地に広がる光景は、さながら宇宙に浮かぶ月の風景。荒れ果てた大地と、砂漠の風景は圧巻の一言でしょう。

時代の中では、商人の通り道としての役割も担っていた場所。ホガール山地では、時期によってラクダに乗って旅をする「ラクダライド」のツアーが催行されています。参加をすれば、味わえる気分は惑星の開拓者です。ほかの場所と一味違うユニークな体験をすることができるでしょう。ホガール山地自体も主要な街から距離があるため、訪れるためにはツアーに参加するのがオススメです。眼前に広がる風景は一見の価値ありですよ。

サハラ砂漠の壁画群「タッシリ・ナジェール」

「タッシリ・ナジェール」はホガール山地と同様に、サハラ砂漠に広がる台地状の山脈で、1982年に世界遺産に認定されています。「水の豊富な土地」を意味する名前が示すように、この枯れた砂漠の大地は、かつては緑が茂る広大なサバンナ地帯だったそうです。500kmにも及ぶ広大な範囲にわたり奇岩を含んだ複雑な山脈が形成されています。

タッシリ・ナジェールが形成する岩の森には300を超える岩のアーチが佇んでおり、その姿はさながら砂漠が生んだ自然の芸術。その美しさの虜になること間違いなしです。また、タッシリ・ナジェールのもう1つの見所が、豊富な岩の壁画群です。暮らしを営む人の姿や羊にキリンなどが描かれており、最も古いものはおよそ8,000年以上も前のものだといわれています。中でも注目は「セファールの白い巨人」と呼ばれる、3m超の巨大な壁画。その見た目は宇宙人のような姿をしているため、さまざまな見解を生んでいるのだとか。

タッシリ・ナジェールは、考古学的にも高く評価されており、一帯は国立公園にも指定されています。ホガール山地にも近いため、訪れる際はセットで行ってみるのがよいかもしれません。

歴史の歩み、砂漠の姿、アルジェリアの現在を感じる旅へ

広大な国土に満ちたアルジェリアの歴史を伝える遺産や、雄大な砂漠の姿、それぞれの魅力を紹介してきました。対岸に位置するフランスの影響を色濃く受けたアルジェリアの街並みや文化のほか、中にはあなたが思いがけない鮮烈な体験もあるでしょう。予想外の出会いがあるのも、旅の醍醐味といえます。アルジェリアの国を、訪れてみてはいかがでしょうか?

首都アルジェに位置するのは「ウアリ・ブーメディアン空港」、アルジェリアの玄関となる空港です。アフリカ大陸でも最大の領土を誇る国アルジェリア、訪れるときには念のため、治安の確認を徹底してください。場合によっては危険な場合もあります。安全の確認が取れたうえで、パスポートを携えて、冒険の旅へ挑みましょう。砂漠を旅するキャラバンのように、新鮮な経験があなたを待っていますよ。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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