エディンバラ:新市街と旧市街、鮮やかな街並み

「エディンバラ」は、イギリスを構成する国のひとつであるスコットランドの首都。新市街と旧市街にわかれた街並みは、ユネスコ世界遺産に登録されており、多くの人々が世界中から訪れている。街を代表する「エディンバラ城」や、王族が使用する「ホリールードハウス宮殿」は、中でも特筆すべき場所だろう。中世の街並みがその姿を色濃く残す、スコットランドで最も印象的な街並み。エディンバラの魅力をご紹介していこう。

歴史の変遷を色濃く残す街「エディンバラ」

「エディンバラ(Edinburgh)」は、イングランドの北に位置する国「スコットランド(Scotland)」の首都。「グラスゴー(Glasgow)」に次いで第二の規模を誇り、経済の中心としての役割を担っています。エディンバラが意味するのは「エドウィンの城」。スコットランドの東岸、溶岩の上に建造されたエディンバラの街の知名度は国内に留まらず、世界に名を馳せる「世界都市」としての地位も確立しています。
イギリスではロンドンに次いで多くの人々が観光目的で訪れているというエディンバラの街。発展したモダンな街並みの新市街と、中世の街並みを残した旧市街は同じ街とは思えないほどのコントラスト。多くの人々が魅了されるのは当然ともいえるでしょう。
街の起源となったのはかつて建造されたというケルト人の砦。丘陵地帯に位置するエディンバラの地形は、砦を建造するにも最適だったのでしょう。

世界遺産である新市街と旧市街ですが、その起源は18世紀の過密な人口状態にあります。住居を補うために地下に住居が建造され、そこに詰め込まれるようにして多くの人が暮らしを営んでいました。その状況は不衛生な環境を生み出し、疫病が流行。地上に住んでいた上流階級の人々は、この空間を封鎖してしまったといいます。このときに新しく建造されたのが新市街、封鎖されてしまった場所が、旧市街となっています。

エディンバラの見所

「エディンバラの旧市街と新市街(Old and New Town of Edinburgh)」は、1995年にユネスコ世界遺産に認定されており、見所の多くは認定された地域に集中しています。その美しく整備された景観から、エディンバラの新市街は「北国のアテネ」とも呼ばれるほど。新市街にある「スコット・モニュメント」や「カールトン・ヒル」。旧市街では「エディンバラ城」や「聖ジャイルズ大聖堂」が、代表的な見どころです。

エディンバラのシンボル「エディンバラ城」

「エディンバラ城(Edinburgh Castle)」は、エディンバラの旧市街に位置する、街のシンボルともいうべき建造物です。「キャッスル・ロック(Castle Rock)」と呼ばれる岩山の上に、堂々とそびえる姿は威風堂々。お城というよりも要塞のような佇まいです。現存する城の多くの部分は16世紀に建てられたもので、雨風によって風化した姿がたたえる存在感には圧倒されます。

〈セント・マーガレット礼拝堂〉

〈礼拝堂内部〉
〈ハーフ・ムーン・バッテリー〉

その敷地内には、見所が豊富に点在しています。城東部に広がる強固な防衛設備「ハーフ・ムーン・バッテリー」や、エディンバラで最古の建造物といわれている「セント・マーガレット礼拝堂」は、その代表的なところでしょう。「ワン・オクロック・ガン(One o`clock Gun)」、午後一時に鳴り響く空砲もお聞き逃しなく。

エディンバラ城から続くワンマイルの道のり「ロイヤル・マイル」

「ロイヤル・マイル(Royal Mile)」は、かつて王族がエディンバラ城からホリルードハウス宮殿へと、住まいを変えるときに辿ったとされる道のりです。およそ1マイル、1.6kmに及ぶ道のりは、現在4つの通りから構成されており、レストランやカフェ、ショップに到るまで、数多くのお店が軒を連ねています。通りは旧市街を通り抜けるように続いており、周辺に残された16世紀〜17世紀の建造物にも注目です。また石畳や狭い路地も、魅力的です。

「聖ジャイルズ大聖堂(St. Giles Cathedral)」はゴシック様式の聖堂です。ロイヤル・マイルの中心地に位置しています。建物最古の部分は1124年以来あるとされていますが、現存する建物の殆どは、1385年に起こった火事の後に再建されたものとなっています。

印象的なアーチ状の窓枠に、美しい細工の施されたガラス窓、建物の中心にそびえる屋根部分は王冠の形を模しているといいます。黒く重厚な佇まいは、訪れる人々の心に強い感銘を与えることでしょう。外観はもちろんですが、内側から見ることができる鮮やかなステンドグラスにも、ぜひ注目してみてください。

ロイヤル・マイルの終点地「ホリルードハウス宮殿」

「ホリルードハウス宮殿(The Palace of Holyrood House)」は、ロイヤルマイルの終着地点。1128年に建造された修道院の聖堂を基盤に、1498年に改修された、王室のための宮殿です。
現在も、王族がエディンバラを訪れたときには使用されているという宮殿の外観は、シンプルかつ洗練されたもの。ターコイズブルーの天井が目を引く4本の柱部分が、全体を引き締めています。

ホリルードハウス宮殿は王族のための宮殿ですが一般にも公開されており、内部を鑑賞することもできます。豪華絢爛な装飾や調度品には注目でしょう。宮殿内にはギャラリーが設置されており、歴代のスコットランド国王の肖像画が展示されています。その光景はまさに圧巻です。敷地内には庭園も完備。建物も自然もギャラリーも、取り巻くすべてが見所です。

「ホリルード・アビー(Holyrood Abbey)」は、ホリルードハウス宮殿の裏手に位置する修道院跡。12世紀に建造された修道院は今では朽ち果て柱や外壁が残されているのみです。とはいえその姿は非常に美しく、多くの人々を魅了し続けています。ホリルード・アビーには歴代のスコットランド国王が埋葬されており、穏やかながらも厳かな雰囲気をたたえています。歴史の解説もされていますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

「ホリルード公園(Holyrood Park)」は、元々王族の狩猟場であった場所です。現在は公園として解放されています。起伏が多い広大な敷地は、トレッキングなどのアクティビティをするにも最適でしょう。ホリルードハウス宮殿に隣接しているため、併せて訪れてみるのがおすすめです。丘が連なるように広がる地域一帯は自然が多く残っています。ホリルードハウス宮殿を中心とした地域一帯は、エディンバラで屈指の魅力を誇る地域といえるでしょう。

新市街の象徴、世界規模の「スコット・モニュメント」

「スコット・モニュメント(Scott Monument)」は、新市街に佇む街の象徴です。スコット・モニュメントはスコットランド出身である作家「ウォルター・スコット(Walter scott)の記念碑で、高さはおよそ60.9mにも及びます。この高さは作家のためのモニュメントとしては世界で最大規模のものだそうです。駅のすぐそばにある広場に位置しているため、滞在中にはその存在を目にする機会が多々あるでしょう。

ゴシック様式の特徴を余すところなく取り込んだ尖塔の形状は、重厚な城の尖塔を移築したかのよう。スコット・モニュメントには登ることも可能です。登る際は、その美しく均整の取れた装飾や彫刻にも注目してみてください。螺旋状に連なる階段の数は287段。途中には休憩スペースも確保されているため安心して登ることができます。頂上から望む市街の眺望は圧巻です。また4つのステンドグラスのことも見忘れることのないように注意してください。

エディンバラの街を一望「カールトン・ヒル」

「カールトン・ヒル(Calton Hill)」は、新市街の東にある小高い丘。古代は火山だった場所に、現在は豊かな自然が広がっています。

「ネルソン・モニュメント(Nelson Monument)」は、カールトン・ヒルの頂上に位置する、高さ32mのモニュメント。イギリス海軍の提督「ホレーショ・ネルソン(Horatio Nelson)」の功績をたたえて、建造されたものです。その頂上からはエディンバラの街並みを360℃、一挙に望むことができます。

ネルソン・モニュメントの頂上からはもちろん、カールトン・ヒルから望む新市街と旧市街の鮮やかな街並みも必見です。特に街が美しく輝くのは、朝焼けと夕焼けの時間。燃えるように煌びやかな街の姿は、散策をしたときとは一味違った印象をあなたにもたらしてくれるでしょう。その光景はまるで絵画のよう。ただでさえ美しいといわれるエディンバラの街並みのさらに壮麗な姿を目撃することができるでしょう。

歴史の歩みを体感する旅、エディンバラの新市街と旧市街

スコットランドの首都であり、さまざまな個性が宿った街。エディンバラの魅力は非常に奥深いものです。街のシンボルであるエディンバラ城や、目抜き通りであるロイヤル・マイル、王族が過ごすホリルードハウス宮殿一帯は、特に人気が集まる場所といえます。あなたの旅のスケジュールに組み込むことを強くおすすめします。

エディンバラへの主要な玄関口は「エディンバラ空港(Edinburgh Airport)」です。街の中心から西へ約9kmとアクセスも快適です。新市街と旧市街で異なる魅力を備えたエディンバラ。イギリス中の様々な街を訪れる旅でも、この街を目的地に据えた旅であっても、満足度の高い時間を過ごすことができるでしょう。スコットランドの魅力を知るには最適な街です。エディンバラを訪れない理由は、もはやありません。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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