ペルー:食の歴史と現在の家庭料理

ペルーは南アメリカの西部に位置する国である。ペルーはアンデス山脈北部という高地と太平洋という海の恵みがあり、食材も多種多様である。先住民のインディヘナとペルーへ移住してきた民族による影響で、独自の食文化へと発展した。

ペルーの食の歴史

ペルーは国土の中でも地形や気候が異なるため、大きく3つの地域に分けられます。太平洋に面した海岸地帯とアンデス山脈が通る山岳地帯、アマゾンのあるジャングル地帯です。

海岸地帯では太平洋で獲れる豊富な魚介類を使用した料理が多くなっています。魚の他にもタコやイカ、エビといったさまざまな種類の海産物が食べられています。

アンデス山脈のある山岳地帯は、空中遺跡マチュピチュがあることで有名です。この地域ではジャガイモやトウモロコシが作られており、それらを使用した料理が充実しています。ジャングル地帯では甘くない調理用のバナナが用いられています。キャッサバの一種のユカイモもよく食べられています。またこの地域でも魚が食べられていますが、海岸地帯とは異なり、ナマズやピラルクなどが中心です。

ジャガイモやトマト、カボチャやピーナッツ、トウガラシはペルーが原産国となっています。16世紀にスペインの植民地となった際にスペイン人がこれらを自国へ持ち帰り、世界に広めたとされています。特にトマトはヨーロッパ諸国で使用されることも多いため、影響は大きかったでしょう。
またカカオ豆も元々はメキシコ南部から南アメリカが原産国です。カカオ豆の栽培に適しているとされるのは北緯20度から南緯20度の高温多湿な地域と言われており、ペルーのカカオ豆の生産量も世界の中で高い水準にあります。

ペルーで食べられているトウモロコシは色や形が多種多様です。山岳地帯にあるクスコという都市ではペルーの白いトウモロコシと呼ばれるジャイアントコーンがあり、一粒2㎝もの大きさになります。また2500年前から栽培されていたというムラサキトウモロコシは見た目が真っ黒ですが、栄養価は高いです。

ペルーの国民的飲み物であるチチャ・モラーダはこのトウモロコシをベースに作られています。リンゴやパイナップル、シナモンなどを加えて煮込んでいることもあれば、レモンや砂糖を使用して味をつけることもあります。

近年では栄養価が高く、ダイエットや美容にいいとされるキヌアが有名となっています。このキヌアはペルーやボリビアが原産国となっており、輸出が盛んに行われています。ペルーではアンデス山脈で栽培されており、濃い色のキヌアほどポリフェノールの含有量が多く、栄養価も高いとされています。またキヌアはお米と炊くこともあれば、サラダやスープの具として使われている他、お菓子などにも使用されるなどさまざまな料理にアレンジできるのも特徴の一つです。

ペルーの現在の家庭料理

さまざまな気候や地形に恵まれ、多くの食材が手に入るペルー。スペインの植民地時代の名残を残しつつも現地の食文化もしっかりと生きています。そんなペルーの現在の家庭ではどのような料理が並んでいるのでしょうか?例をあげて見てみましょう。

≪肉料理≫

ロモ・サルタード

ペルーでも人気があり、よく目にする国民食の一つです。牛肉とタマネギ、トマト、ピーマンやフライドポテトなどを一緒に炒めたボリューム満点な料理です。味付けに醤油が使われているため、日本人にも食べやすい料理ではないでしょうか。

アンティクーチョ

牛の心臓をさまざまな香辛料で味付けし、串に刺して焼いた料理です。串の先にジャガイモが刺さっていることも多いようです。ペルー国内では路上で売られているほど人気で定番の料理の一つです。

アヒ・デ・ガジーナ

アヒはトウガラシを、ガジーナは鶏肉のことを指します。鶏肉とチリペーストを合わせたクリーミーなソースで、お米とともに食べることが多いです。スパイシーでカレーのようなエキゾチックな料理です。

クイ・アル・オルノ

アンデス地方でお祝いなどの行事の際に食べられている料理です。クイというテンジクネズミの仲間をじっくりと丸焼きにしたものです。見た目のインパクトもさながら味もクセがありますが、この地域では御馳走として重宝されています。

≪魚料理≫

ソパ・デ・マリスコス

ソパはスープ、マリスコスは魚介のことを指します。トマト味のスープにたくさんの魚介の旨味がぎっしりと詰まっている具沢山のスープです。魚介類が豊富なペルーならではの料理ではないでしょうか。

チュペス・デ・カマロネス

生の魚介類を使用した、セビッチェ(魚介のマリネ)に近い料理です。セビッチェと違うのはレモンではなく、チリソースを使用してスパイシーに仕上げている点です。ピリッとした味がクセになるペルーでも人気の前菜です。

ティラディトス

生の魚介類を使用した、セビッチェ(魚介のマリネ)に近い料理です。セビッチェと違うのはレモンではなく、チリソースを使用してスパイシーに仕上げている点です。ピリッとした味がクセになるペルーでも人気の前菜です。

≪野菜、その他の料理≫

カウサ・レジェーナ

茹でたジャガイモを潰して黄トウガラシのペーストなどで味を付け、それに鶏肉やツナ、アボカドを挟んだ料理で、ペルーの前菜の定番です。見た目は色鮮やかなケーキのようなことが多いですが、家庭では簡略化した見た目もシンプルなものが食べられていることが多いです。

パパ・ア・ラ・ワンカイーナ

茹でたジャガイモにアヒ・アマリージョと呼ばれる黄トウガラシのペーストとチーズを混ぜたものをかけた料理です。シンプルな料理ですが、アヒ・アマリージョが濃厚で深い味わいを醸し出しています。

ロコト・レジェーノ

ペルーのアレキパという街の郷土料理です。ロコトと呼ばれる大きなトウガラシの中に挽き肉などを詰め、チーズを乗せてオーブンで焼いたものです。器として使われているのはトウガラシなので当然辛いです。食べる際にはご注意を。

アロス・コン・マリスコス

アロスとはお米を、マリスコスは魚介類のことを指しています。ペルーの特に海岸地方で食べられているシーフードピラフです。エビやカニ、イカや貝などとサフランを使用したピラフで、ボリューム満点の料理です。

多くの自然と食材に恵まれたペルー

ここまでペルーの食の背景や実際に食べられている料理をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ペルーの料理の種類は紹介しきれないほどとても多く、使用されている食材も大変豊富な種類がありました。太平洋やアンデス山脈、アマゾンといった自然が豊富なペルーではさまざまな食材を味わうことができます。

スペインの植民地だったペルーですが、家庭で食べられている料理はペルー独自のものが多く、また食材の豊富さをうかがい知ることができます。反対にスペインがペルーの食材を自国に持ち帰って世界に広めたことを考えると、ペルーという国のすごさを感じさせられます。

南アメリカの太平洋の海の幸、アンデス山脈の山の幸、アマゾンの川の幸とさまざまな食材を堪能することの出来る国、ペルー。この記事を読んでペルーという国に興味を持って頂ければ幸いです。これを機に、ペルーの食文化に触れてみてはいかがでしょうか。そしてその豊富な自然の味を一度味わってみるのもいいかもしれませんね。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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