ボリビア:食の歴史と現在の家庭料理

ボリビアとは南アメリカの内陸部に位置する国である。ボリビアの食文化は地域によって異なり、大きく3つに分かれている。アンデス高地、ユンガス、オリエンテの3つとなっており、さまざまな特徴を有している。

ボリビアの食の歴史

ボリビアはラテンアメリカで6番目に大きい国土を保有しています。以前はさらに広大な土地を有しており太平洋にも面していましたが、戦争によってその領土は奪われたため、現在は最大であった時の半分程度になりました。それでも2019年現在、世界で27番目に大きい国とされていますが、度重なる戦争の厳しさを物語っています。

1952年にボリビア革命が起こり、ボリビア東部のサンタクルスなどの低地を開墾し始めました。これにより農業開発が進んでいき、現在では大豆やサトウキビ、綿花やコーヒー、バナナといったさまざまな種類の農作物の輸出が盛んに行われております。その他にも北部の熱帯地域においてはカカオも生産されています。

ボリビアの主食は主にパンやジャガイモ、トウモロコシとなっており、その食文化は大きく三つに分けられます。
アンデス高地では首都のラパスを中心に、ボリビアの人口の約半数が暮らしています。鶏肉や羊肉、牛肉などを使用した煮込み料理が多くみられます。
ユンガスはアンデス山脈の東側の斜面に位置し、気候は高温多湿な地域となっています。料理は全体的にシンプルなものが多くなっているのが特徴です。
オリエンテはボリビアの国土の62%を占めている東部の低地で形成されており、主に牛肉や豚肉が食べられていますが、それ以外にも川魚や家禽などを使用した料理も多くなっています。

ボリビアではさまざまなアルコール飲料が飲まれています。サトウキビを醸成したピスコやブドウを醸成したシンガニ、黄色と白いトウモロコシを発酵させたチチャ、そしてムラサキトウモロコシを水煮して作られたノンアルコールのチチャ・モラーダなどもあります。これらを果汁や牛乳で割って飲まれることも多いようです。

第二次世界大戦頃になるとドイツからボリビアへと逃れてくる人々が増え、この地にビールを広めます。これによってボリビアでもさまざまな銘柄のビールが作られるようになりました。ラパスのパセーニャ、オルロのウァリ、コチャバンバのタキーニャ、サンタクルスのドゥカルなど、それぞれの都市を代表するビールの銘柄が存在しています。

ボリビアの現在の家庭料理

歴史のさまざまな苦難を乗り越えて現在も前へと進み続けるボリビア。地域によって料理に差はありますが、現在のボリビアの家庭ではどのような料理が並んでいるのでしょうか。いくつか例を挙げて見ていくことにしましょう。

≪主食≫

サルテーニャ

ボリビアの朝ごはんの定番での料理。小麦粉で作られた生地で牛肉や鶏肉の細切れなどの具材を包んでオーブンで焼いたものです。サルテーニャとはサルタ生まれの人という意味を持っており、主にボリビアでも高地で食べられる傾向にあります。

クニャペ

ボリビアの朝ごはんの定番での料理。小麦粉で作られた生地で牛肉や鶏肉の細切れなどの具材を包んでオーブンで焼いたものです。サルテーニャとはサルタ生まれの人という意味を持っており、主にボリビアでも高地で食べられる傾向にあります。

≪肉料理≫

リャマステーキ

南アメリカのアンデス山脈などの高地ではアルパカやリャマが生息しています。アルパカを食べる地域もありますが、ボリビアでは一般的にリャマを食べることが多いです。肉質は羊肉や山羊肉よりも少し硬めです。地域によっては牛肉や鶏肉よりもリャマの方が多く食べられているところもあるようで、ボリビアの高地に住む人々の貴重なタンパク源となっています。

サフタ・デ・ポジョ

ボリビアだけでなく、南アフリカの国々で食べられている伝統的な料理です。鶏肉とアヒ・アマリージョという辛味のない黄トウガラシ、タマネギなどに塩と油を加えて煮込んだボリビア風のシチューです。シチューではなく、鶏肉の上からソースのようにかけて食べられていることも多いようです。

シルパンチョ

ボリビアのコチャバンバの名物料理です。牛肉や鶏肉を叩いて薄く伸ばし、パン粉をまぶして揚げたカツのことを指します。アルゼンチンなどで食されているミラネッサよりもよく叩いて薄くされています。ボリビアの安価な肉は硬いため、このような調理法になったと言われています。ご飯の上に乗せ、目玉焼きをトッピングして提供されることが多いようです。

ピケ・マチョ

ボリビアのソウルフード的な存在の料理です。牛肉やウインナーとタマネギやトマトなどの野菜に香辛料を加え、さらにフライドポテトやローストポテトなどを乗せたものです。ゆで卵が添えられていることも多いです。ボリビアの家庭料理の代表でもあり、パーティなどで提供されることも多いようです。

ポジョ・アル・オルノ

ボリビアのラパスで一般的な家庭料理です。焼いた鶏という意味を持っており、その名の通り焼いた鶏肉にトウモロコシやサツマイモ、プラタノというバナナが添えられたものです。ボリュームがあり、ボリビアの高地で人気の料理となっています。

≪野菜、その他の料理≫

チャイロ

高地では標高が高いため、年間を通して寒いため温かいスープなどがよく食べられています。チューノと呼ばれる現地で獲れる栄養価の高い小柄なジャガイモとキヌアやオオムギなどを使用した栄養満点のスープです。高地ではその温かさと栄養素が重宝されています。

ソパ・デ・マニ

ボリビアの熱帯地域でよく見かける料理の一つです。ピーナッツを砕いて煮込んだスープにお肉とフライドポテトを添えたものです。独特なコクが特徴的で、現在では熱帯地域だけではなく高地などでも愛されているボリビアの定番料理と言えるでしょう。

トゥルーチャ

ボリビアは内陸にあるためチリなどから輸入した魚を食べることが多いですが、現地で獲れる川魚も食べられています。特に首都ラパスなどで多く食べられており、魚をそのまま揚げて食べるのが一般的なようです。

広い国土とさまざまな問題を抱えるボリビア

ここまでボリビアの食の歴史と各地域の料理をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。戦争で多くの土地を失ったボリビアですが、まだその土地の大きさは世界でも大きい国に数えられるほどです。そんなボリビアの国の中では、それぞれの地域のさまざまな食文化の伝統が今なお息づいています。

また現在では農業も盛んに行われており、輸出や輸入業も賑わっています。ですが、その一方で豊かな資源を持っていても貧しい状況が続いているというのがボリビアの現状です。歴史上でも植民地や度重なる戦争、敗戦があり現在のボリビアが築かれています。

まだまだ国内でさまざまな問題を抱えているボリビアですが、現在も国内で対策を講じるなど少しずつですが前へと歩んでいっています。
これからどのような変革が起こっていくのかはわかりません。ですがこの記事を読んで頂けたことを機に、ボリビアという国を知って頂ければ幸いです。
苦しい情勢のボリビアですが、料理や豊富な自然など多くの魅力を持ち合わせています。今までボリビアをあまり知らなかった方も、ボリビアの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧